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あたたかい人々が迎えてくれた国【イラン旅行記7】


こんにちは!yukiです。

今日はイラン旅行記の最終回です。

あたたかい人々との
沢山の出会いに恵まれたイラン。

「この国の素敵なところを伝えたい!」

という想いで、旅行記を書いてきました。

最後は、
イランの方たちと一緒に
アルメニアを目指すお話です。

楽しんでいただけますように!



イランを出なければならない


ごそごそ、
という周りの物音で目が覚めます。

夜行バスが首都・テヘランに到着し、
乗客が荷物をまとめているのでした。

外にでると、
まぶしい朝の光に包まれます。

・・・さむっ!

遠くに雪を抱いた山々が見える。

テヘランは、
標高1000mを越える
高原にある街なのです。


バスターミナルを出てメトロに乗り、
予約した宿の近くまで移動します。

これまでの地方都市と違い、
人にじろじろ見られることが
なくなりました。

つまり、声をかけられることも
少なくなったということ。

ちょっと寂しくもありますが、
それが都会というものですね。



さて、本当はもう少し時間かけて
イランの地方都市を巡りたかったのですが、
それができない理由がありました。

それは、現金が尽きそうだったこと。

イランでは、
ATMで日本のカード類が使えません

インドにいる間に
いくらかのドルを用意したものの、
やりくりが上手くいきませんでした。

イラン歴のお正月(ノウルーズ)なので、
安いバスが取れなかったり、

食費や、観光地の入場料が
事前情報よりずっと高かったり。


現金が尽きる前に、
この国を出なければ…

テヘランに来たばかりですが、
明日の昼のバスでアルメニア
向かうことにしたのでした。

テヘランは大都会


テヘランでは、
ほとんど観光はしませんでした。

唯一、国立博物館へ行ったのみです。

(ストリートビューで普通に見られるんですね)


あとはバザールをうろうろしたり、
辺りを散策してみたり。

都会ですが、
ときどきフレンドリーな人に
話しかけられました。


標高が高いとはいえ、
テヘランでも春真っ盛りでした。

街中の花壇には
色とりどりの花々が咲き誇り、
朗らかな気分になります。

街中では、
サンドイッチのお店も
多く見かけました。

フランスパン丸ごと1本に、
トマトや野菜やお肉を挟んだものが、
だいたい180円くらい。


しかも美味しかったです。

他の町にもあったのかな、
サンドイッチ食べてたら
もっと食費抑えられたかも。



テヘランでの夕食は、
他の街でも食べて気に入った
ホレシュテバーデムジャーンにしました。

語呂がいい“呪文料理”ですね笑

トマトとナスを煮込んだ
シチューのようなもの。

自分でも作りたいほど、
口に合ったのでした。

アルメニアへの長き道のり


ついにイランを離れる日が来ました。

バスターミナルへ行き、
13時発のバスに乗り込みます。

アルメニアの首都エレバンへの、
24時間かかる直行便でした。

中型のバスに乗ると、座席はガラガラ。

僕のほかは、
イランの男性8人グループ
が乗っています。


バスが走り出したのですが、
なんか彼らにめっちゃ見られる

少し動いただけで、

「何するんだ?!」

って感じで
半分立ってのぞきこんできます。

そして彼ら同士で
こっち見ながらなんか喋ってる…

めっちゃ居心地悪いんだけど…汗


走り出してしばらくすると、
1人の男性が立ち上がり、
こちらに来て言いました。

「チンチョンチャン、
 モバイルバッテリー貸してくれない?」

あの、その言い方で
貸してくれると思ってるわけ?笑

さすがに「No」と言ってしまいました笑

はーあ、このバス、
明日の昼まで乗り続けるんだけどな。

しかし、
しばらくすると別の男性が、

「これ君にあげるよ」

ってお菓子をくれました。

じゃあ僕もあげるか、ってことで
持っていたクッキーを皆さんに配ります。

そうしているうちに、
すっかり仲良くなってしまいました。


彼らはアルメニアへ旅行に行くらしく、
かなりテンション高め。

まるで少年のようです笑

あれですよ、
修学旅行のバスみたいなノリ!

なんか勝手に僕のパンをちぎって
食べちゃう人もいます。
明日の朝食なんですけど。自由だな。

「モバイルバッテリー貸して」
とまた言われたので、
今度は貸してしまいました。



イラン北部に向かうにつれて、
が降って来ました。

バスが停まると、
彼らは外に出てはしゃいでいます。

ほんと少年のよう…

夕食休憩のときは、
兄貴肌の男性が(彼だけは常にクールだった)

「奢るよ、一緒に食べにいこう!」

って引っ張ってくれ、
ご馳走してくれました。

優しい!

兄貴肌の男性は右の方です



すっかり夜遅くなっても
テンションの下がらない彼らは、
僕が寝ていると
つついて起こしてきます。

まじで修学旅行か笑


国境についたのは、
深夜3時頃でした。

イランを出国し、アルメニアに入国。

ATMがあったので
お金も復活です。

島国育ちなので、
国境越えの瞬間って、
何度体験してもワクワクします。

アルメニア側で、再びバスは
闇のなかを走りはじめたのでした。

イラン旅の終わり


目が覚めると
外は明るくなっていました。



窓の外は、絶景。

アルメニア側でも雪が降ったようで、
真っ白な山間部を
走っているところでした。


朝の休憩は、
雪につつまれた山間の商店で。

皆さんは、
雪のなか外のテーブルに座って、
朝食をとったりお茶を飲んでいました。

僕はパン持ってるし寒いので
早々にバスに戻ってしまいました。

すると、
夕飯を奢ってくれた兄貴肌の男性が、
クッキーをどっさりと
買ってきてくれたのです。

なんて優しい!


彼らは商店でお酒を買ったらしく、
走るバスの中で酒盛りを始めました。

いや、それってどうなのよ!
ムスリムは飲酒NGじゃないの?
(飲んでない人もいました)

「お前も飲むか?
 アルメニアの地酒だぞ!」

ってコップを差し出されたので、
味見にちょっとだけもらってみます。

無色透明の、かなり強いお酒です。
ほんのりとブドウの香り。

(のちに飲むジョージアの
 “チャチャ”によく似ていました)

ジョージアのチャチャ


ぐねぐねの山道を走っているので、
(2つの意味で)酔ってビニールに吐く人も。

冗談じゃないよー、
と窓を開けますが、
雪だから当然のごとく寒いのです。

「寒いから閉めて」

と言われます汗

どうにか、
もらいゲロは免れた…


長すぎるバスに疲れたころ、
アルメニアの首都エレバンに
無事到着したのでした。


「元気でなー、良い旅を!」

「みなさんこそ、
 旅行楽しんでくださいね!」

整然とした美しい広場で、
彼らは手を振りながら
遠ざかっていきました。

なんだかんだ、
彼らと一緒に旅できて
楽しかったな。



アルメニアに入国してからも
ずっと続いていた気がするイランの旅。

ついに終わってしまいました。

今回、実際に行って感じたイランと、
もともと持っていたイランの印象には、
良い意味で大きな隔たりがありました。

特に印象的だったのは、
あたたかく迎えてくれた人々…。

イランほど、Welcome!って
言ってくれる人が多い国は初めてです。

現金がなくなったため、
脱出するように出国してしまいましたが、
本当はもっと田舎に行ってみたかった。

「いつか、またイランに行こう。」

そう思ったのでした。

とても良い旅でした。
イランで出会った全ての人に、感謝です。

イラン旅行記 おしまい




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!

旅行記は、次回から
アルメニア編になります。

また読んでいただけると嬉しいです。

それでは、今日も良い1日を!



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