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視野が狭くなった時、奴らはやってくる
視野が狭くなった瞬間、私たちは正常な判断ができなくなる。
この世界が今眼前に広がる世界だけだと錯覚したとき、死にたくなる。
この修羅場の解決策が一つもないと錯覚したとき、この世から消えたくなる。
視野狭窄ならぬ思考狭窄は現代人を取り巻く恐怖の癌と言えるのではないでしょうか。私たちは境地に陥るとパニックになり無意識的に思考の幅が狭まるという特徴を持ちます。「思考が狭まる=選択肢が減る=逃げ道がない」
例として若者の自殺を挙げてみます。彼らは学校と家庭だけが主な居場所です。どちらかで自らの居心地の良い空間が担保されていなければ心が休まる場所がないことを意味します。学校では授業中、休み時間、部活動など様々な活動をする中でクラスメートをはじめ、数多くの人間と共に時間を過ごします。人間である以上、私たちの悩みのほとんどは人間関係に起因すると言われています。
もし学校でクラスメート全員にいじめられていたらどうでしょうか。学校が楽しくなく、苦痛の時間に早変わりです。いつもお金をたかられる、殴る蹴るなどの暴行を受けるなどしていれば学校に居場所なんてありません。
家に帰っても両親に迷惑をかけてはいけないと思って言い出せず、いじめがエスカレートする可能性もあります。また、家庭環境も裕福でなく仲が悪ければ家に帰っても心は休まりません。いじめから逃れたくて学校を休むと申告しても親はずる休みはいけないと思い込み怒鳴ってくるかもしれません。
そんな時、彼らはどう思うのか。このままだと身体が持たない。学校も家もどこにいてもしんどい。もう生きるのが疲れたよ。どうせずっと私は負け組で虐げられるに違いない。もうこれ以上生きることは不可能。死ぬしかないんだ。と視野が狭窄していきます。
自殺の話以外でも日常生活で少しストレスがたまりすぎて精神的に不安定になった時、私たちは視野が狭まりがちです。冷静に考えれば他に選択肢は複数存在するのに、焦りと苦痛から早く逃れたいがために思考をフルスピードで回転しすぎてしまい、案がわずかしか思いつかない事態に陥ります。
「これとこれとこの方法もあるな」という状態から、「これしかない」「これも無理ならどうすればいいんだ、何もできることがない」と言った見方をしてしまいます。
何とか知恵を振り絞ったり他人に相談して解決策を模索して乗り越えていくのが私たち人間です。
しかし、時には他人の力を借りることさえ忘れて自分一人だけでどうしようもない事態を打開しようと頑張りすぎてしまいます。到底一人では解決できないのでどこかで力尽き、「死」が頭をよぎります。死がよぎった頃には正常な判断が出来ない状態になっていることが多いです。
心の焦りを感じたとき、何か大きなプレッシャーやストレスを感じている時、大きな悩みを抱えている時、一度立ち止まって考えてみてください。
目の前のことがどうしようもなくなったとき、一人では解決できない壁にぶち当たった時、誰かに助けを求めてください。手遅れになる前に…
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