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オタバロの人の服~美意識と誇りとアイデンティティ

どこの街でたくさんの人にすれ違っても、
目を引き、 どこのひとなのかすぐにわかる。

オタバロの衣装は、衣装というより、
学校や職場に行く時も寝るときも使う日常着。
美意識と誇りに満ち溢れ、彼らのアイデンティティが詰まったものだと感じた。     
                                                       男性も女性も、長く黒いつやつやの髪を手入れして、
日頃から民族衣装であるこの服をそれぞれ身にまとう。

男性は、白いシャツとズボンに、その上から黒・紺といったダークカラーの無地のポンチョを着る。
女性は、おなじく黒・紺のフェルト生地と白のフェルト生地を二重にしたものを、 体に巻き付けてスカートのように着る(アナコという)
このアナコの、内側に重ねた白い生地が 歩くとヒラヒラ、
少しだけ見えるのがエレガントだ。

上衣は、白い生地にカラフルな刺繍が施されたブラウスを着用。
金色の幾重にもあるネックレスと珊瑚の色をしたネックレスを重ねる。
腕には同じ珊瑚色のブレスレットを何重にも巻いて付ける。
耳には、ブラウスの刺繍と同じ色で合わせたピアスをしているひとも。

男性のポンチョと、女性の巻きスカート(アナコ)が暗い色なのは、
インカ帝国の最後の王・アタワルパが亡くなったことへ 喪に服していることを表現しているからだ、
と言われている。

暗い色のボトムスなので、
トップスとアクセサリーで、コンビネーションも考えたおしゃれをし、
華やかにしている。

毎日街を歩きながら、色んな人の刺繍ブラウスやそのスタイリングを見るのが好きだった。
「あ!あのデザイン可愛い♡」とか
「あの色の組み合わせ素敵!」とか。
人物ウオッチングしていた。

店先や露店に吊り下げられた刺繍ブラウスも見てた。
それはね、毎日通ると同じようなデザインに見えてくることもあって、
変わらないな~なんて思うこともあったけど、
そりゃそうだよね、
手仕事でひと針ひと針縫っているから、
1日で仕上がるものではない!

そしてよ~くみると同じように見えても、
色の組み合わせやグラデーションなど細かくは違うの。
そう、人の手で1つずつ作られるから、一点ものだよね。
見ているだけで感動する技術と手仕事。

そして、この服を着せてもらえる機会がきた! うわ~!どきどき!わくわく!この日本人の私が着れるなんて!!

オタバロの男性たち
オタバロの女性たち

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