マガジンのカバー画像

ワークショップデザイン・ファシリテーション論

70
ワークショップデザインやファシリテーションに関する知見や論考をまとめていきます。
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

"10万年後の問題"を解決するための課題設定は可能か?

"10万年後の問題"を解決するための課題設定は可能か?

問いのデザインの手順を体系化する上で、ワークショップデザインやファシリテーションの技術ばかりに目線が行きがちですが、ワークショップの問いの設定以前に、何を解決するためにワークショップを実施するのか、すなわち「解くべき課題を定義する」ことが重要です。

課題とは「理想的な目標」と「現状」との差分を解消するために「いま向き合うべきテーマやタスク」のことです。適切な課題を定義するためには、漠然とした問題

もっとみる
アートはビジネスに活用可能か?:アート思考に関する研究動向

アートはビジネスに活用可能か?:アート思考に関する研究動向

八重樫文先生(立命館大学)らの共著論文「ビジネスにおけるアートの活用に関する研究動向」(八重樫文・後藤智・重本祐樹・安藤拓生(2019)立命館経営学 第58巻第4号)を読みました。# 八重樫先生は安斎の出身研究室の兄弟子にあたり、大学院生時代から大変お世話になっています

ビジネスにおける「アート思考の活用」はホットトピックであり、関心の多い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本論文は、Jo

もっとみる
問題の本質を捉える「素朴思考」と「天邪鬼思考」

問題の本質を捉える「素朴思考」と「天邪鬼思考」

問いのデザインの第一歩は、問題の本質を探り、本当に取り組むべき課題を定義するところです。問題の本質を捉えるために有効な思考法はいくつかありますが、そのうち基本的な考え方に「素朴思考」と「天邪鬼思考」があります。

「素朴思考」とは何か「素朴思考」とは、文字通り、問題状況に対して素朴に向き合い、問題を掘り下げていく考え方です。よく「素朴な疑問」と言いますが、問題状況に対峙していてふと湧き上がった何気

もっとみる
「問い」と「アナロジー」の往復で、アイデアに磨きをかける

「問い」と「アナロジー」の往復で、アイデアに磨きをかける

金属のレーザー加工を專門とする株式会社インスメタル様のご依頼で、自分だけの理想の空間をカスタマイズできる結界型オフィス家具「ADDMA(アドマ)」を開発・リリースしました。本プロジェクトは、スーパークラウズ、インクワイア、ツクルバなど贅沢すぎるほどの多様なパートナーにご協力いただきながら、ミミクリデザインの淺田史音・小田裕和らが主導してくれました。複数回のワークショップを通してプロダクトアイデアを

もっとみる