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『ワンダー 君は太陽』を視聴して・・・

私はこの映画を最近知り、ようやく先日観ることができました。

■あらすじ・・・
 「僕は普通の10歳の子じゃない」--オギーは遺伝子の疾患で、人とは異なる顔で生まれてきた。27回の顔の手術のせいで自宅学習を続けてきたオギーだが、両親は息子を外の世界へ送り出そうと決意する。だが、5年生で入学した学校で、オギーはいじめや裏切りなど初めての困難と出会う。幾度もくじけそうになりながら、家族の愛を勇気に変えて立ち向かうオギーの姿に、周囲の人々が変わり始める。そして・・・

人が生きてく上で避けられない苦悩や困難
 自分が生まれた環境や家族は選ぶことができず、どんな病気や障害を抱えるかなんて、誰も予見できない。
前もって防げることは沢山あるかもしれないけど、遺伝や生まれつきとなるとどうしようもない。
克服できることもあるかもしれないけど、そのことを受け止めきれず、何かに諦めてしまう人もいるかもしれない。

主人公のオギーは、両親と姉に愛されて育ってますが、自らの容姿を隠すために、外ではヘルメットを被っていました。
でも新しく通うことになった学校では、その容姿が原因で無視されたり悪口を言われ、ドッジボールでは標的にされたり、触れたらバイキン扱い。
学校生活特有のイジメに遭ってしまいます。

■子供は無邪気だからこそ恐ろしい
 
自分が思ってることを言葉でも態度でもぶつけ、その優越感に浸る。
大人になると、何か「事情」があるのかもしれないと、なんとなく触れずにいることもあるだろうし、関わらないように避けるかもしれない。
でも目に見えるものって、好奇の目に晒されることも事実。
それは学校においても、社会においても変わらないと思います。

学校には少なからず「スクールカースト」があって、金や権力がある者が上にくることが多い。
容姿が優れていたり、力が強かったり・・・、何かに秀でてるものが上下を作る。
そうやって、支配する側とされる側の構図ができ上がることもある。
弱いものと仲良くしてると、自分もその仲間に見られてしまう。
そしてイジメられたくなくて、裏切ってしまうことも・・・

■家族に支えられる幸せと支える側の葛藤
 この映画では、オギーが周りに支えられながら成長し、オギー自身の魅力に惹かれて変化していく周りの姿を中心に描かれてるのですが、両親はもちろん、オギーの姉(ヴィア)にもスポットが当たっています。
弟のことは大好きだが、弟中心の両親・日常生活による寂しさや葛藤を感じてるヴィア。
新たな学校生活では親友に避けられてしまい、唯一とも言える味方だった祖母も他界。
自分の悩みを打ち明けられず、新しくできた友人に「自分は一人っ子だ」と言ってしまうところに切なさを感じました。
親から、「世界一手のかからない子供」と言われてるのも、周りがそうさせてしまってると観てる側が悟れる状況で。

ただ意外にも、ヴィアを避けた親友のミランダにも焦点があてられてるところが珍しいなと思いました。
両親が離婚し、精神的に不安定な母親と暮らすミランダ。
家族仲の良いヴィアを羨ましく思い、時に自分をヴィアに投影させたりすることも。
進級や新学期など、新たな区切りの中で仲良くするグループが変わるのはよくあること。
そしてそこから弾かれないよう背伸びしたり、自分を偽ることだって稀ではない。
どの世代においても、自然体でいられるのは当たり前じゃないと考えさせられます。

■与えられた居場所が、安心できるとは限らない
 
子供でも大人でも、男でも女でも、そこに置かれた状況や環境が、自分にとってどういう時間・場所なのか。
抜け出すことができないのであれば、より良いものに更新していかなければいけません。
例え逃げ出したとしても、次の居場所が安心できるとは限らない。
立ち向かうことで、あらゆる面で成長すると思うのですが、一人では難しいことが多々ある。
オギーも心が折れそうな時が何度かありましたが、家族の励ましにより、少しずつ学校で友人ができていきます。
オギーの優しさ、賢さ、ユーモア、勇気・・・
オギー自身の人柄・魅力により、周囲との距離・関係がどのように変化していくのか。
その見どころが詰まった感動的な映画に仕上がってるので、ぜひオススメしたいですし、私も何度でも見たいと思う映画の一つです。

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