Yukari

スウェーデンで工芸作家をしています。 作品の歴史やちょっと面白い話。 へぇ~。と知っ…

Yukari

スウェーデンで工芸作家をしています。 作品の歴史やちょっと面白い話。 へぇ~。と知ってみると誰かに話したくなる小話なんかを書いてみたり。

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  • 工芸の話

    工芸の裏話

  • vlog

    便利じゃない生活を撮影したら もの作りへのヒントになるかもしれない 不便さはアイデアに繋がるから。

  • スウェーデンでハイキング

    首都巡りもいいけれど、北欧の自然も楽しもう。 ただ林の中を歩くより、そこにまつわる話を知ったらもっと楽しくなるよ

最近の記事

森の白樺の話2          (食べられちゃうらしい)

森の白樺の話2 前回は白樺の 基本情報 を述べましたが、今回は白樺のおいしい話。 林に生えている白樺を散策中に私は口にしようと思ったことはないけれど、聞いた話によると白樺のつぼみを生でまたは調理して食べられるのだそうだ。つぼみは非常に繊維が豊富で、冬の間(10月から5月)の間、料理のワンポイントとして使用するそうです。 また、葉はサラダとして生で食べたり、パイやスープなどのに添えて調理したり葉を乾燥させてラズベリーやブルーベリーなどと一緒にお茶のベースに使用することもできる

    • 森の白樺の話

      北欧雑貨のネーベル(樹皮)スロイド。白樺の樹皮で作られた工芸品。 白樺の樹皮なんだよ。と言われても どの部分で何なのかぱっと想像がつく人の方が少ないんじゃないかと思うので、今回は白樺の樹皮からのいろいろな話。 白樺の樹皮と生活 北欧Swedenでは石器時代、床の断熱材として使われた跡が考古学者の発掘で明らかになっている。その後も白樺の樹皮は木材を湿気から保護し、屋根を密閉させるために使われていたそうだ。 また樹皮を火にかざすと白樺のオイルが出てくるので、このオイルをこすり

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        むしゃむしゃ もぐもぐ

        初めてうさぎの声を聞いたかもしれない。 犬は わんわん 猫は にゃー ネズミは ちゅー うさぎのなき真似なんてしたことがない。 腕を耳にみたてて ぴょんぴょんウサギ。 はやったかな。 もぐもぐする🐰を観察していたらたまたま撮れたウサギの鳴き声。 ちょっと耳を澄まして聞いて欲しい。 昔は食用として飼われていたうさぎたち。 近所の人の思い出話に時々登場する。 ウサギの毛皮で帽子を作ってもらったなぁ~。 なんて 今ではきっとあり得ない事。 でも昔はそうやって厳しい寒さを凌いできた。 身近にある物を最大限活用する。 もの作りの原点は本当はそこ。 必要だから作る。 田舎にいると 原点に戻るきっかけがあちこちにある。 つまりは 不便だと言うことなのだけれど。。。

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          雪は意外に重い

          昨夜の雪 結構積もりました。 雪かきをしないと車が出せない。 一生懸命雪かきをする私と 雪かきから"かまくら"作りへと移行していた子。 しかしパウダースノーで雪山を作るのは結構難しくて。。。 こうやって雪遊びができる環境って意外に貴重なのかも。

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          薪を燃やそう

          部屋を暖めるのに必死に薪を運ぶ。 アナログ的生活だけれども 時間もあるし身体動かすし良いんじゃないかな。 て考えると薪を運ぶのもちょっと楽しくなるかも。 スウェーデンは電気代がこの冬大高騰。 生活用品もインフラで値上げ。家計に大打撃。 そこで古い家に住んでいる人たちはこぞって昔使っていた暖炉や薪ストーブ オーブン等を再調整。その影響で都会から薪を求めてやってくる人が増えました。 そうなると薪の価格も上がります。 そこまでして手にいれた薪の価格に対して実際は電気代普通に払った方が良かったりなんかしたりするんですが 薪を毎年普通に貯めている田舎の私達には 薪を燃やして暖をとるのは毎年の事。 電気代高騰には割りと影響されることなく過ごす事ができています。

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          Syjunta シーユンタ

          雪が降り続いたスウェーデン。景色が雪の白さで少しだけ明るく感じられる今日この頃。 Syjunta シーユンタ (裁縫をする集まり) についてお話しようと思います。 スウェーデンで ”Syjunta” をしよう! おばさん達の集まりでしょ? なんてからかわれたりするんですが、実際どんなことがきっかけに始まったのか調べてみました。 Syjunta (シーユンタ)という言葉がスウェーデン語の辞書(Svenska Akademiens Ordbok)に初めて載ったのは1897年。

          Syjunta シーユンタ

          ないならば 作れば良いじゃない。

          昔から人間は道具を作ってきた。狩りに必要な道具、食事に必要な道具。 身近な材料をうまく利用して作ってきた。 今はどうだろう。必要なものは大体近所の店に行けば手に入る。もしくは足を運ばなくてもインターネットでショッピングができ、玄関前まで発送してくれるサービスまでできている。 これらのサービスは便利で私も良く利用している。 数週間前、新しい織物の製作に取り掛かろうと織機を準備していた。 今までは足のペダルは4本で十分な織物をしてきたので私の織機にはペダルが4本しかない。

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          白樺の樹皮でバスケットを作る

          白樺の木の皮で作るベーシックなバスケット。 樹皮工芸 Näver slöjd(ネーベルスロイド)は北欧を始めとする北国の手工芸。 樹皮は夏至の頃に剥がします。白樺はこの時期に水分を地面から大量にすいとるため 樹皮をはがすととてもみずみずしいです。 それを平らに保存し、じっくり乾燥させたものを使い工芸品を作ります。

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          Vintage クラフトカフェ

          こんにちは。 今日はお知らせアナウンス。 実はVintage クラフトカフェ という京都のデジタルクラフトカフェさんの ポットラジオに出させていただいています。 もし良ければ聞いてみてください。 リンク

          Vintage クラフトカフェ

          手で織るなんてさ

          織姫 小学生の頃、姉が誕生日だったか何かのプレゼントに "織姫"という 簡易手織り機械のオモチャをもらった。 あの小さな機械ではせいぜいコースターサイズの布を毛糸で織るのが精一杯だった。 それでも色々な色を選んで、ちょっと工夫して柄を出したりと子供ながらにワクワクするオモチャだった。 私はそれが自分のものでないのに取り (借りるという概念はない。)我が物の様に夢中になっていたのを思い出す。 見かねてかどうかは分からないけれど、その後クリスマスに くるくる回してマフラーが編

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          手織りを始めよう

          綜絖と準備 織り始める前の縦糸の準備。 細かい糸約1000本を柄を作るための綜絖に一本一本通します。その後の 筬(おさ)に通す作業をしています。

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          夏休みは何してた?

          日本の夏 日本の夏休みは 小学校を思い出すと大体7月下旬から始まったような気がする。 私の記憶では下敷きを団扇代わりにして仰いで暑さを凌いでいたものだが、最近はどうもそれだけではもう過ごしていられないそうだ。 それもそのはず、ニュースを見ると40度越えの日々。私が小学生だった頃、32度を超すことが珍しかったような気がするのだけれど、それは気のせいだったのだろうか。 スウェーデンの夏休み スウェーデンは日本よりもひとつき程早く夏休みが始まる。学生は10週間6月の半ばか

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          Tjuv Jons Håla och Grotta      泥棒ヨンスと洞窟の話

          Tjuv Jons Håla och Grotta 泥棒ヨンスの穴と洞窟の話 先日不思議な場所へ連れて行ってもらったんです。毎日通り過ぎる大きな道路から一本。一本だけ脇道に入った場所にあった不思議な場所の話をしたいと思います。 そこはまるで時空がゆがんだような、でもどこかロマンを感じる場所でした。  ガイドをしてくれた友人の話をまとめながら書いてみます。 泥棒ヨンス 実際ずっと昔のことなので本当なのか誰にもわからないそうですが、泥棒ヨンスはTönnångerトンオンゲル

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          Trasmatta 最終章 (床を汚さないで)

          Trasmatta(過去記事)が一般的になったのは19世紀の後半になってからでした。テキスタイルは手作業で作られ、もちろんとても高価で価値があり、衣類や寝具が主な用途でした。衣類や寝具を繕って大切に使い、完全に磨耗した場合にのみ、床を保護および装飾するために、それらを細片に切断または引き裂き、敷物に織りました。 Trasmattoのトレンドは、ヨーロッパ大陸から、裕福な家に最初に持ち込まれました。19世紀の前半の間、マットは特別なものとして大切に使われるようなものでした。当

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          私の趣味は

          ちょっとトラースマッタ休憩 今日は私の趣味の織物の話 最近 ダマスクス織という手法にはまっています こういう織機を使いますが木のツマミが沢山ぶら下がっているのが特徴的。 このツマミを下に引っ張ると 縦糸が持ち上がり、複雑な柄を織ることができるのです。 どういう事かと言うと 布の一部に 刺繍をするように絵を織り込みたいときに、縦糸を手で一本一本持ち上げて横糸を潜らせなくて良いように 気のツマミをシステム化して 縦糸をツマミで操る事ができる機械なのです

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          裂き織りの話 3 Trasmatta

          Trasmattaが使われる前の話を”裂き織りの話2” でしてきました。 今日はようやくTrasmattaの出現の話。 現在はTrasmattaといえば床に敷いてあるマットを想像するのが一般的ですが、織られるようになった当初はベッドカバーやクッションカバーとして使われていたようです。 スウェーデン北部などでは、毛布として使われたともいわれています。 イェストリークランド地方で1773年の不動産登録簿では、2つのTrasmattaがとの記載が残っています。 1800年代に

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