見出し画像

森の白樺の話

北欧雑貨のネーベル(樹皮)スロイド。白樺の樹皮で作られた工芸品。
白樺の樹皮なんだよ。と言われても どの部分で何なのかぱっと想像がつく人の方が少ないんじゃないかと思うので、今回は白樺の樹皮からのいろいろな話。


白樺の樹皮と生活

北欧Swedenでは石器時代、床の断熱材として使われた跡が考古学者の発掘で明らかになっている。その後も白樺の樹皮は木材を湿気から保護し、屋根を密閉させるために使われていたそうだ。
また樹皮を火にかざすと白樺のオイルが出てくるので、このオイルをこすり合わせて硬くなるまで噛んで接着剤として石器時代には矢じりを柄に取り付けるために使用したそうだ。



ネーベル(樹皮)はコルクの組織
木の樹皮の組織の最も外側の層に樹脂が多く含まれているので水を通さず、更にタールが含まれているため細菌や真菌による攻撃を受けにくい。そのため昔からネーベルは貯蔵容器として蜂蜜や魚を保存するのに使われ、防湿性に優れているので靴や靴の中敷きにも使われてきた。
また、タールは乾留によって抽出され革の鞣しや木材の保護に使われてきた。そして蜜蠟と混ぜると革の潤滑油、ロシアンオイルが出来上がる。
(この名前の由来は、多くのロシア人が使っていたことからそう呼ばれるようになったらしい。)
さらに、焦げた樹皮から出る煤もカーボンブラックと呼ばれる顔料になる。

北欧生活の歴史をたどると、これほどまでに白樺があらゆる生活の場面に出てくるとは思わなかった。 それだけ白樺が北国の生活に身近な存在であり、貴重な生活資源であったことが感じることができる。



これから何回かにわたり少しづつ白樺の魅力について書いてみよう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?