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Tjuv Jons Håla och Grotta      泥棒ヨンスと洞窟の話

Tjuv Jons Håla och Grotta 泥棒ヨンスの穴と洞窟の話

先日不思議な場所へ連れて行ってもらったんです。毎日通り過ぎる大きな道路から一本。一本だけ脇道に入った場所にあった不思議な場所の話をしたいと思います。 そこはまるで時空がゆがんだような、でもどこかロマンを感じる場所でした。 
ガイドをしてくれた友人の話をまとめながら書いてみます。

洞窟の上から見た景色。事件のあった教会もここから見えました。


泥棒ヨンス

実際ずっと昔のことなので本当なのか誰にもわからないそうですが、泥棒ヨンスはTönnångerトンオンゲルという場所の農家の地主だったそうだ。昔の記録を辿ると、ヨンスは93歳で亡くなったということだけれど、その昔、トンオンゲルの村の1/3を所有していたそうだ。そして彼は自分の所有物と他人の所有物の区別がつかないことがしばしばあり、他人の物を持ち出しては住民ともめるなどして世間からはあまり良く思われていなかったそうだ。
住民たちとのいざこざが起きると、逃げるためにヨンスはSagberg(サーグベリ)という洞窟にたびたび隠れていたことから その洞窟は泥棒ヨンスの洞窟という名前になったようだ。

泥棒ヨンスの洞窟

そしてある時、ヨンスは大きな事件を起こしてしまった。
1877年ごろ 当時ヨンスは馬と荷車を所有していたことから、運送の仕事を任されていた。この時鉄道がまだ走っていなかったからだ。
ヨンスは通関扉の管理も任されていたので、建物のカギを預かっていることも多かった。
ある時、ヨンスは思いついた。
預かったカギのうちの一つ、教会のカギを持ち出してパン工房に忍び込んだのだ。
信じられない話だけど、パンの生地にカギを押し付け鍵の型を取った。その型からカギを複製し教会に忍び込んでシルバーの十字架を持ち出した。ヨンスは知っていたのだ。教会には価値のある珍しいものがあるということを。。そしてヨンスはそれを自分のものにしたくなったのだ。

もちろん翌朝 教会の変化に気づいた人々はヨンスを疑った。いつも人の物を自分のものにしていて問題を起こしていましたから。。。

しかし疑ったところでヨンスは家にいなかった。いつもの丘の上の洞窟に身を潜めていたからだ。 警察が犬を動員してヨンスを探し回った。けれど洞窟は迷路のようになっていて、ヨンス以外洞窟がどのような構造になっているのか知らなかったので捕まることはなかった。ようやく彼が洞窟から出てきたのだが、時にはそのシルバーの十字架は持っていなかった。警察も教会も持っていなかったヨンスを捕まえることはできなかった。そしてこの事件は犯人不明のままで終止符を打った。  しかしヨンスはのちにどこかの洞窟に隠したと話したそうだが、2022現在も見つかったという話は聞いていない。


洞窟の中から


 私たちも洞窟の中を少し歩いてみたけれど、見つけられなかった。。。多分本人もどこに隠したか忘れてしまったんではないだろうか。
しかしここからの景色はちょっとしたハイキングに最適で、現在は泥棒ヨンスのハイキングコースとして住人たちに親しまれている。


Holmsvedenの位置








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