今も。誰かが。

今日も誰かが生理中。

うまいこと言うなあと思った。
日経新聞のコラム。
Webでは全部読めないみたいですが、コレ。

むやみにアピールすることでもないけど、この世界で常に起こっている紛れもない事実のひとつ。ニュースにもならないけど、事実。

そうなんだよ。

子宮という臓器を保有した肉体をもつ人間は、その臓器の機能につきあわなくてはならない。意志と無関係に。
ゴハンを食べていても、歩いていても、自転車に乗っていても、電車やバスに揺られていても、会議に参加していても、人生を決め得る試験問題を必死に解いているときも、大事な面接に臨んでいるときも、身体を鍛えているときも、お風呂に入っているときも、眠っているときも、子供の世話をしているときも、働いているときも、笑っているときも、誰かの死を悼んでいるときも、好きなひとを目の前にドキドキしているときも、子宮がその機能を発動していたら、いつでも、どこでも、誰かが生理中。

わたしはありがたいことに、生理痛も重くはない。
そろそろお付き合いも恐らくは終盤を迎えつつある。
自らがその不利益を被ったことはない。失敗してタクシーの座席を汚してしまったときはどうにもこうにも恥ずかしかったけど。もう30代で慎重に注意していたのにも関わらずで、あれは完全に事故だ(苦笑)

出血は尿意と違って自分でコントロールできない。多少はできるけどほぼ、無理。生理用品が今ほど発達していなかった時代は、海女さんや遊女の姐さんたちは実践されていたと聞いたことがあるけど、たいていの方は、されるがまま、垂れ流し。ちょっと油断した瞬間に、どっと出てくるのを実感したときのヒヤっと感と言ったら・・・。痛いからと言って、その痛みとともに出血するものでもないから厄介だ。作業に集中した後、お手洗いに行って予想外の展開に慌てることもある。
でも、病気ではない。
コントロールできないところで、自分の所有物である子宮の言いなりになるしかない。意志とは関係なく、勝手に血が排出される。お手洗いに行く度に、子宮の言いなりのまま、自身の血を目にするのだ。

ひとりの女性が生きている間の生理期間を凝縮すると、平均して6年9か月くらいになるそうだ。

小学生が中学生になるほどの時間、ずっと流血しっぱなし、ってすごくないか?
厳密にはずっとではないし、ずっとだったらもっとしんどいけども。
血や痛みに弱い男性が聞いたら、それだけで貧血を起こすんじゃないかしら?笑

生理についてニュースで取り上げられることが増えてきた昨今。
スマホの支払い料金を優先して生理用品が買えないひとのことを嘆く意見もある。わたしは、自分の快・不快を優先してそこまではしなかったけど、わかるなあと思う。自由に使うことができるお金に限りがあった大学生~新入社員の頃、ナプキンや専用ショーツを買うたびに、同じように騒いでいる男子にはない出費であることが疎ましかった。
最近、生理用品にかかる消費税の軽減についての議論を聞いて、今まで疑問を感じなかった自分も、立派に、男性の意見で成り立つ社会に飼い慣らされていたなあと気づいて、ちょっとショックだった。

血というだけで、昔から忌み避けられてきたけど、誰にもどうにもできないんすよ。今は薬とかもあるけど、そもそも、しゃーないものなんすよ。
生命機能のひとつなんだもの。

ああ、わかってくれとは言わないが
そんなに オレが悪いのか?

事実を事実として、「多くの」ひとが、「正しく知る」って大事だよね。
そしたらギザギザもとれていくよね。

今日も誰かが生理中。今も、誰かが生理中。


ちょっとおいしいおやつが食べたい。楽しい一杯が飲みたい。心が動く景色を見たい。誰かのお話を聞きたい。いつかあなたのお話も聞かせてください。