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鑑賞2回目で気づく「パラサイト 半地下の家族」のツッコミどころ満載のコメディ感

割としょうもない理由で、賞を総ナメにした韓国映画「パラサイト」をもう一回鑑賞した。

最近韓国のアイドルグループ「BTS」が番組内で食べていたというので話題になった「チャパグリ」という創作ジャンク料理の発祥が、この映画だと聞いたからだ。

「チャパグリ」は韓国のインスタント袋めん「チャパゲティ」と「ノグリ」の2種類を混ぜて作る「ジャンク・オブ・ザ・ジャンク」の食べ物なのだが、この映画「パラサイト」内で、富豪一家の息子の好物として登場する。

この2つを混ぜて作るので、必然的に2人前できてしまうので

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すでに混ざったものがカップラーメンで売っているのを食べてみたが、
なかなか美味しかった。

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そんなこんなでチャパグリ。

チャパグリを食べているかどうかなんて、ストーリーを追いかけていると記憶に残っていない。

なので、「え、そんなシーンあったっけ??もう一回見てみよう」という、しょーもない理由でもう一度観ることになった本作だが、2回目は視点が違ったせいか、最初に観た感想とえらく違ったのでわざわざブログに書いてみようと思う。


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あらすじは映画.comより。

キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。

1回目に観たときと、2回目に観たときは少し自分の経験値が違うので、乾燥にも違いが出るのだと思うが、いちおう一回目のときの感想もうっすら書いておく。

1回目の感想:さすがカンヌ!さすがアカデミー賞!

パラサイトは韓国映画としてアメリカのアカデミー賞の作品賞を取った上に、アカデミー賞とは違った毛色で、本格派映画が受賞するカンヌ映画祭の最高賞パルム・ドールまで取ってしまった作品だ。そう聞くとバケモノ映画。

よほどすごいのだろうという先入観もあるし、カンヌ映画祭の受賞作はどれも社会的な背景を描いたものが多いので、社会派だと思ってまじめに見た。

半地下に住む貧困層の生活はドブ臭さが漂ってくるようなリアルな描写。実際、貧困層と富裕層を隔てるものとしての演出に「ニオイ」を使っているし、こういうのが上手い監督なのだなと思う。

そこと対比して富裕層の富裕っぷりがすごいというか、富裕層ってそんなにスレてないの??というようなゴージャスな暮らしに甘んじている感じで、まあ、そんな脇の甘い家族だから簡単に貧困層の家族が入り込めてはしまうのだけど、テンポよい展開に、ストーリーに引き込まれていった。

途中から話の展開がガラッと変わるのだが、そこからも手に汗握るストーリーでドキドキしたし、回収の仕方もなるほど、ということで、確かに社会的背景を描きながらのエンターテイメント作として、見ごたえあり!!と思った。

「パラサイト」2回目を見るまでに追加された経験


1.骨太映画をいろいろ観た

それからほかの映画もいろいろと観たのだが、ものすごく胸に残る作品に多く出会ったので、「パラサイト」の印象は薄れていた。

「すばらしき日々」

「トゥルー・ノース」

「スウィング・キッズ」

など、シビアな社会的背景を描きながら、エンターテイメント作として見られるすごい作品を観た。


ほかにもいろいろ見た作品は、マガジンにまとめているので良かったら。

2.今まで知らなかった韓国カルチャーに触れた

もともと韓国語の語調が強くてあんまり好きではなかったし、歴史的背景とかではなく、「なんとなく出す雰囲気が苦手」なジャンルだったのだが、その後たまたま韓国映画に接する機会も多く、さらにその後、うっかり韓国アイドル「BTS」にもハマってしまい、韓国シャワーを浴びまくることになり、ついに今までヨン様の第一次韓流ブームから見向きもしなかった韓国ドラマも手を出した。

ていうか、韓国ドラマといっても全部見たのは一本だけなのだが、この作品が強烈に面白くて一気見してしまった。

「SKYキャッスル」

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BSフジ公式サイト

日本よりもずっとずっと学歴社会だという韓国で、上流階級のママたちが、血で血を洗うお受験戦争を繰り広げる物語。

韓国ドラマに振れたことがなかったのだが、そこまでやるか??的な「何でもアリ」の世界が面白くて仕方なかった。

死亡フラグが立てばもちろん人も死ぬけど、この人今死んだらストーリーが・・・という人もアッサリ死んでしまったりして、どうするの?この回収??という展開。

上流階級の、品よく見えて見栄の塊でうすぎたない下品さ丸だしな感じがまたたまらない演出だった。

これを見てから、久々にパラサイトを観ようと思ったのだが、すでに途中から話の展開を忘れてしまっていた。自分的には面白かったけど、なんとなくインパクトが薄かったのかもしれない。

観たのはかなり前だが、「万引き家族」なんかは、いつまでたってもシーンが脳裏に焼き付いて強烈な印象を持っているし、最後のシーンのセリフは忘れられない。

やはりそれだけインパクトのあるほどのものではなかったのかも、、と思いつつ、ストーリーを忘れているならもう一回見てもいいか、ということで冒頭に書いたように「チャパグリ」見たさに再鑑賞した。

2回目の感想:なんじゃこのツッコミどころ満載コメディは??


こうやって前回見た時より韓国文化の経験値があがった私、富裕層がジャンクな「チャパグリ」を食べるところ見たさに、満を持して2回目鑑賞。

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刷り込みとは怖いもので、「すごい作品」と言われると、「すごい作品」と思って観てしまっていた。単純なものだ。

2回目観てみたら、なんであんなに社会派作品と思って観たのだろう?と自分が不思議になった。いや、確かに韓国の現実を描いているのだろうが、やっぱり展開が韓国ドラマのそれだね。というツッコミどころが満載のストーリー展開。

予定調和でいったらハリウッド映画もなかなかのものだが、韓国のそれは、ハリウッドのB級映画並みに展開が雑だぞ?

貧困一家が知恵を絞って富裕層家族に入り込むのだが、そんなに簡単にうまく行っちゃう??富裕層ってそんなにおバカなの??なんでそんなにすぐ人を信用しちゃうの??いちおう旦那様は経営者だし、人を見る目もあると思うのだけど・・・

まあ、それが成功しないと話が始まらないわけで、そういうエンターテイメント作品なのだからいいのだけど、とんとん拍子にもほどがある。

後半にもあれこれドタバタ劇があるのだが、それも無茶苦茶やねぇーというやり口で、やっぱり「何でもありなんかいっ」というツッコミとともに終わった。

なので2回目に鑑賞した乾燥は「1話完結の韓国ドラマ」。

ちなみにチャパグリは、高級牛肉を添えてちゃんと食べていた。このシーンが有名になって、ジャンク料理が流行るというのも面白い。上流階級も愛するインスタントラーメン、なんか笑ってしまう。


そんなこんなで、チャパグリ発祥で2回目鑑賞となった「パラサイト」だが、アカデミー賞とかカンヌが、どのような評価をして受賞に至ったのかはわからないが、なんとなくここのところ韓国カルチャー自体が世界的なブームになっていることも起因しているのかなと思ったりする。

映画賞受賞作を見るのは、割と間違いない映画を選ぶ指標にもなるので、話題作は今後も見ようと思うが、やはり「受賞作」や「話題作」にとらわれずに自分なりの視点で映画を楽しみたいなと思った。

今日もお読みいただきありがとうございました!


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