そのときは駅のホームで静かに訪れる
小品をまとめた本を作りたいと思っている。
いや、願っているという方が正しい。
切実に、出会いたいと願っている。
心のなかの言葉は、どんな形で産まれたがっているのかわたしにはまったくわからない。家にいるとムズムズして憂鬱になるので、電車に乗っては知らない街を歩き、カフェで赤いノートに文字を書きつけ、また歩き続ける。
今日は100段ほどの階段をのぼり、1400年代に建てられた神社の境内で途方に暮れている。
わたしの心はこんなにも苦しい恋のように想いがつのっているのに、なにか