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ことりに

7年生きることりは

片栗粉のように白く
新雪のようなさわりごこち

21gのことりは
文鳥の標準よりもちいさく生まれた
定期健診で
小さい体で病気もせず
えらいねえとほめられる

ことりは先生の手のなかで
頭だけを出し
爪を切られ
そのうを調べられる
がんばってえらいねえ
とまたほめられる

ことり
いつかおまえは死ぬのか

ちいさいおまえをケージに入れて
東京の街を歩くのはこころぼそい
あまりのこころぼそさに
片頭痛が始まってしまいそうだ

タクシーがつかまり
国道へ出る

カバーをかけたケージのなかから
餌を食べる音が聞こえる
あんなにおびえていたのに
移動もこわくなくなったのか
ちいさいそのうをいっぱいにしたら
おまえは一羽で眠るんだろうか

自分の見える世界のなかで
幸福とは、など考えず
ただ生きていることり

きっとなんの未練もなく
飛び立つように
いつかおまえはどこかへ
行ってしまうんだろう

わたしはそれがさびしい

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