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子供の頃に読んだ絵本も、修学旅行で行った京都も、ビールもコーヒーも苦かった。

私は幼い頃に母親から
絵本の読み聞かせをしてもらった
記憶がありません。

それでも我が家には
小さい頃に私が読んだのであろう
たくさんの絵本が事実として残っています。

「100万回生きたねこ」
「ぐるりんぱのようちえん」
「ゆきのひのたんじょうび」

あとはグリム童話や日本昔ばなしの小さな絵本など

どれもなんとなく内容は覚えていますが
絵本たちに思い入れというものはなく
絵本が伝えるメッセージは
ほとんど覚えていません。

本来の絵本の在り方とは
子供にもわかりやすいストーリーを用いて
生きていく上での教訓やメッセージを伝えるもの。

そういった絵本が伝えたいことって
子供の読解力だけでは全て理解できないものです。


「どうして?」「なんで?」


言葉を覚えて話し始めた3歳前後の子供達は
口癖のように大人たちに問います。

そんな純粋な問いに
わかりやすい言葉で伝えてあげることで
子供たちは言葉を理解していくものですよね。

大人になって読む本は
一対一で向き合い理解を深めるものですが
絵本においてはそうじゃないのです。


絵本と子供の間に”もう一人”いることが大切。


”もう一人”と表現をしましたが
子供が成長するうえで
親御さんだけがそれら全てを
教えていくことは不可能であるから
あえてそう表現をしました。

子供からしても親御さんからしても
お互いにそれが全てだと思うかもしれないけれど
親御さんだって子供だって一人じゃないですから。
まわりに協力してくれる人や
理解してくれる人が必ずいるはずです。

”もう一人”
それはおじいちゃんやおばあちゃんかもしれないし
その子のお兄ちゃんやお姉ちゃんかもしれない
先生かもしれない、親御さんのお友達かもしれない
もしかしたら仲の良いご近所さんかもしれない

誰だっていいのです。
人生を歩み始めたばかりの子供たちを
親御さんと”もう一人”の誰かが一緒に見守っていく。

親御さんだけが
”世界の全て”と思わせてはいけない。

たくさんの物事を知り、たくさんの人と触れ合い
良いことも悪いことも
理解していくことが大切なのだと思います。


ほんのちょっとお話は変わりますが
大人になってから読む絵本って
・・・なんか良いですよね。

(急に頭の悪い発言・・・
語彙力なくてすみません)

私は水彩画や油絵、色鉛筆画のような
優しいタッチの絵本が好きです。

そして簡潔でわかりやすい内容でありながらも
絵本の持つメッセージを明確に伝えるわけではなく
あとは読者が感じ取った思いに委ねてくれるんですよね。

シンプルだからこそ
伝わってくるものがある気がします。

何より童心に帰ったような気持ちになって
とても癒されます。


我が家にある絵本の中で
お気に入りの絵本があります。

少しご紹介させてください。


「なまえのないねこ」
文:竹下文子さん 絵:町田尚子さん


絵本屋さん大賞を受賞したこともあるので
もしかしたらご存知の方も
いらっしゃいますでしょうか?

最初に私がこの絵本をお迎えしたきっかけは
この物語の主人公の猫ちゃんが
ばあちゃんの実家で飼っていた猫に
そっくりだったからでした。

ちなみにばあちゃんちの猫は
主人公の猫さんと同じく元野良猫さん。

名前は虎之助、通称はトラでした。

でも主人公の猫さんには名前がありません。
「ただのねこ」なのです。

そんな野良猫さんのまわりには
名前を持っている飼い猫さんたちがいました。

名前を持っていることを羨ましく思った猫さん。
そんな「ただのねこ」が本当に欲しかったものとは。


こんな感じのストーリーになります。

あくまで私の中での解釈ですが
この絵本を読んで
今の私に深く伝わるものがありました。

色々な経験をしてきた大人だからこそ
伝わってくるメッセージが
凄く胸に沁みます。


大人にならないとわからないことって
他にもたくさんありますよね。

例えば修学旅行で訪れた京都と奈良。

当時は生八ツ橋が美味しかった記憶と
金閣寺が煌びやかだったな〜くらいの思い出。

旅行という高揚感や楽しさはありましたが
歴史の勉強があまり好きではなかったこともあり
つまらないなと思っていた記憶があります。

でも大人になった今の私は
めっちゃ京都と奈良に行きたい!と思ってます。

大人になると神社仏閣の佇まいや
日本ならではの古き良き風情のある街並みって
グッときますよね。

そして紅葉を眺めたり庭園を眺めながら
まったりお抹茶をいただきたい。


旅行=楽しむ


それはもちろん


でも大人になった今は
「楽しむ」ことの価値観が変わった気がします。

いろんなアクティビティーを楽しむよりも
食や景色から得られる癒しの方が重要だったり。

ただ遊園地やテーマパークとなったら
ちゃんと楽しみますよ?

それとこれとはまた別のお話。


「子供の頃は楽しかった!」


なんて言う人もいますが
大人は大人でまた違った楽しみがありますよね。

ビールだってコーヒーだって
子供の頃は苦くて美味しくなかったけれど

飲み会でビールを飲みながら
気を緩めて仲間と語らうのも楽しいし

コーヒーは苦いけれど
コク深さや香りの良さで選んだり
アレンジを楽しめるようになったし

大人にならなきゃわからなかったことって
たくさんあるんです。

それは良いことも悪いことも。

でもその経験があるから今の自分がいるわけで。

全部ひっくるめて
自分の人生を認めてあげたいなと思います。

大人ってなにかと大変だけどそれだけじゃない。


いやはや、この文章を打ちながら
とても京都に行きたくなってしまいました。

「そうだ、京都いこう。」

なんて某CMのように
気軽に行けるわけではないので
友人と計画を立てていつか行こうと思います。


由佳

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