<ラグビー><ラグビー>2023シーズン、インターナショナルラグビー関連等(8月第四週)その2
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
夏の行事はだいたい嫌いだ。盆踊り、花火大会、ラジオ体操、水泳教室、高校野球、プール、海水浴。それに、終戦記念日や原爆慰霊祭という、20世紀半ばの日本の暗い記憶を思い出す時期でもあるため、明るい気持ちにはなれなかった。そんな中でも、好きだったのは夏休みの怪獣映画(子供時代の私は寅さん映画が嫌いだった)と、さっさと宿題を終わらせた後の何もない空白の時間だった。
だから、夏休み最後の日になる8月31日または最後の日曜は、TVニュースが宿題に苦労する子供たちや、楽しい夏の行事が終わったことを悲しげに報道しているのに対して、可愛げのない子供であった私は、なぜか浮き浮きしていた。「今はもう秋、誰もいない海」という歌謡曲に、楽しい気分を感じていた。
大人になってからは、ビアガーデンだけが夏の楽しみだった。また、自分で稼いだ金で、9月上旬の閑散とした観光地に行くのが好きだった。そこには、音楽で言えば短調のメロディーが荘厳に奏でられていた。その主役は秋の虫たちで、枯れたすすきの穂の中から聞こえてくるのが、より哀しみを強調していた。
2.RWCスコッド情報など、その他のニュース
(1)日本代表のバックアップメンバー発表
バックアップメンバーとして、LOアマト・ファカタヴァ、FL下川甲嗣、LOサナイラ・ワクァの3人が発表され、日本代表に帯同し、怪我人が出た場合にはスコッドに登録される。バックアップがLOに集中したことでもわかるように(通常は、専門職と言われるPR、HO、SHの場合が多い)、日本代表のLOには怪我を含めて不安材料が多いことを証明している。
また、LO以外にも、HB(SHとSO)、バックスリーは、十分な人材がいるとは言えず、ティア1国を相手にしたテストマッチでは役不足と言わざるを得ない。退任が決まっているジェイミー・ジョセフ監督に、2019年のような覇気を感じられないことと併せ、ベスト8入りできたら、かなりラッキーな日本代表なのではないか。
(2)ウェールズのスコッド発表
ウェールズのNZ人監督ワレン・ゲイトランドが、ウェールズのRWC用スコッド33人(FW19人、BK14人)を発表した。ドウィ・レイクとジャック・モーガンが共同キャプテンを担う。通常よりFWを一人多くしている。
チーム最多114キャップのCTB/WTBジョージ・ノースは、4回目のRWCとなる。また3回目のRWCとなるのは、PRトーマス・フランシス、FLダン・リディエイト、SHガレス・デイヴィス、109キャップを持つSOダン・ビガー、FBリー・ハーフペニー、FBリアム・ウィリアムスだが、合計17人がRWCを経験している。平均年齢は27歳で、最年少はLOダフィッド・ジェンキンズ。
ゲイトランド監督によれば、当初の46人のスコッドから33人に減らすのに36時間もかかったということで、スコッド選出の苦心を述べている。
(3)フランスのスコッド発表
フランスのファビアン・ガルティエ監督は、RWC用の33人(FW19人、BK14人)スコッドを発表した。通常よりFWを1人多くしたことから、BKを減らすことになった。SHはキャプテンのアントワーヌ・デュポンの他、マキシム・リュクとバプティスト・クイユーが選ばれたが、テストマッチ常連のバプティスト・セランは、クイユーに抜かれる形で選外となった。
ロメイン・ヌタマックの欠場で不安が生じたSOは、マチュウ・ジャリベールとアントワーヌ・アストワの2人が指名された。WTBには二人の20歳の選手、ルイ・ビエーレビアレイとヨーラン・モエファナが選出された。特にビエーレビアレイは、デビューとなったスコットランド戦及びフィジー戦での活躍が認められた形となった。
(12人のバックアップメンバー)
その後12人のバックアップメンバーをフランスが発表した。この中にSHバプティスト・セラン、FBブリス・デュランらが入っている。
(4)アイルランドのスコッド発表
イングランド人のアンディ・ファレル監督は、現在の39人のスコッドから33人(FW18人、BK15人)に縮小したスコッドを発表した。
ベテランPRキアン・ヒーリーがスコッド外になったのが注目される一方、不適切発言で出場停止余分を課されたSOジョナサン・セクストンが、チーム最多キャップ保持者兼4回目のRWC出場を考慮して、キャプテンに指名された。また、SHコナー・マリーとWTBキース・アールズも4回目のRWCとなる。
3回目のRWCとなるのは、PRタデュク・ファーロング、LOイアイン・ヘンダーソン、FLピーター・オマーニー、CTBロビー・ヘンショウ。2回目となるのは、PRデイヴ・キルコイン、アンドリュウ・ポーター、LOタデュク・バーニー、ジェイムズ・ライアン、FLジャック・コーナン、ジョシュ・ファンデルフリアー、CTBバンディー・アーキ、ギャリー・リングローズ。
経験値の高いスコッドとなっている。
(5)オウウェン・ファレルは、4試合の出場停止処分に
先に試合中の危険なタックルからレッドカードになったものの、その後イエローに軽減されたことで、出場停止処分を免れていたイングランド代表SOオウウェン・ファレルについては、WRからのアピールにより、独立裁定委員会が審議のやりなおしを行った。
その結果、イングランド代表HOのタックルが、ファレルのハイタックルの起因となったという弁解は退けられ、当初のTMOの判断のとおり、レッドカードが適当との結論となった。また、この結果ファレルは4試合の出場停止処分となったが、既に先週のアイルランド戦を欠場しているため、今週のフィジー戦、及びRWCプールマッチのアルゼンチン戦と日本戦を欠場することとなった。
(私見)
さすがに世界中から「不公平」、「イングランド選手に大甘」という批判が沸き起こったことから、まともな判断に落ち着いたと言える。ここでは触れていないが、ビリー・ヴニポラについても同様の判断が下されると思われる。
(追記1)ビリー・ヴニポラは3週間の出場停止に
アイルランド戦で危険なタックルをしてレッドカードになった、NO.8ビリー・ヴニポラは、6週間の出場停止処分を課されたが、タックルスクールで学ぶことを条件に3週間に軽減された処分となった。この結果、(アイルランド戦をカウントして)今週のフィジー戦と、RWC初戦のアルゼンチン戦を欠場することとなった。
(6)イタリアのスコッド発表
イタリア代表のNZ人監督、キアラン・クラウリーは、RWC用スコッド33人(FW19人、BK14人)を発表した。SHを1人多い4人選出していることが注目される。
SOトンマーゾ・アレンが3回目のRWCとなる。BKには、元イングランドU20代表WTBパオロ・オドグウが入った。キャプテンはFLミケーレ・ラマロ。
(7)トンガのスコッドから、イズラエル・フォラウが怪我で脱落
トンガ監督トータイ・ケフは、元ワラビーズFBイズラエル(イシレリ)・フォラウは膝の怪我の回復が遅れており、RWCに出場できないためスコッドから脱落したことを発表した。また同じくFBのテルサ・ヴェアイヌも、ハムストリングスの怪我のためスコッドから脱落した。
一方、元オールブラックスFLヴァエア・フィフィタ、CTBジョージ・モアラ(出場禁止処分が5試合に減る)、CTBマラカイ・フェキトワ、FBチャールズ・ピウタウ、元ワラビーズLOアダム・コールマンは、スコッドに残っている。
(8)エディー・ジョーンズは、スティーヴ・ハンセンに助けを求める
2023年のこれまでのテストマッチに全敗しているオーストラリア・ワラビーズ監督のエディー・ジョーンズは、元オールブラックス監督のスティーヴ・ハンセンに助けを求めることとなった。
ジョーンズとハンセンは、2019年まではイングランド監督対オールブラックス監督として対戦した他、先のバーバリアンズ対ワールドXVの監督としても対戦している。ハンセンによれば、ジョーンズとは、ビールと賭けがともに好きな良き友人でもあるので、ワラビーズの復調を手助けしたい意向だ。
(私見)
ジョーンズは、クエード・クーパーとマイケル・フーパーと言う、チームのまとめ役となる大ベテランを切り捨てたため、チーム内に不協和音が出ていることは容易に想像できる。そのため、チームマネージメントに長けたハンセンを、特別に招聘したのではないだろうか。しかし、そういう役割なら、NZ人ではなく、例えばスティーヴン・ラーカムとかデイヴィット・ポーコックなどの、著名な元ワラビーズのオーストラリア人が適任だと思う。もっとも、デイヴィット・キャンピージは個性強すぎて例外だろう。
(追加1)コールズの反応
ベテランHOダン・コールズは、「言葉が出ない」とショックを受ける。
(追加2)NZ首相の反応
NZ首相クリス・ヒプキンスは「ハンセンのNZ市民権はく奪だ」と冗談をいいつつ、「ラグビーは、われわれNZよりも重い」と、ハンセンの決定を尊重している。
(9)RWCプールマッチのレフェリーが決まる
試合ごとのレフェリー及びアシスタントレフェリー、TMO
チームごとのレフェリー
RWCプールマッチのレフェリー陣が発表された。決勝トーナメントについては、プールマッチ終了後に決まる。
オールブラックスは、フランス戦:ヤコ・パイパー、ナミビア戦:ルーク・ピアース、イタリア戦:マチュウ・カーレイ、ウルグアイ戦:ウェイン・バーンズ。
日本は、チリ戦:ニック・ベリー、イングランド戦:ニカ・アマシュケリ、サモア戦:ヤコ・パイパー、アルゼンチン戦・ベン・オキーフ。
(10)RWC各国の中心選手一覧
プラネットラグビーが、RWC参加チーム毎の中心選手を挙げている。観戦の参考になると思う。順不同で列記すれば以下のとおり。
オールブラックス:アーロン・スミス
日本:マイケル・リーチ
オーストラリア:ウィル・スケルトン
南アフリカ:シヤ・コリシ
イングランド:オウウェン・ファレル
フランス:アントワーヌ・デュポン
アイルランド:ジョナサン・セクストン
スコットランド:フィン・ラッセル
イタリア:アンジュ・カプオッツォ
アルゼンチン:エミリアーノ・ボッフェリ
フィジー:レヴァニ・ボティア
ジョージア:メラブ・シャリカゼ
ナミビア:トルステン・ファンヤースフェルド
ポルトガル:サムエル・マルケス
ルーマニア:クリスティ・チリカ
サモア:UJ・セウテニ
トンガ・ヴァエア・フィフィタ
ウルグアイ:サンチャゴ・アラータ
チリ:ロドリーゴ・フェルナンデス
(11)ウェイン・ピヴァクは、グリーンロケッツの監督へ
前ウェールズ監督のウェイン・ピヴァクは、成績不振で解任された後行き先が未定だったが、この度リーグワンのNECグリーンロケッツの監督に就任した。グリーンロケットは今シーズンはディビジョン2に落ちているところ、来シーズンのディビジョン1復帰が目標となる。
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