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今年の日本の節分は、フランスのクレープの日

今年って、節分、2月3日じゃないってよ!

と知ったのは、つい先週のことだったように記憶している。

前に節分が2月3日じゃなかったのは、偶然にも私の生まれ年だったという。
そしてその年は2月3日じゃなくて4日だったと今日のヤフーニュースかなんだかで見た。

ちなみにここフランスでは、毎年2月2日はLa Chandeleur(ラ・シャンドゥルー)と呼ばれる、俗に言う「クレープの日」。キリスト様の生誕からちょうど40日目の2月2日に設定されたというが、詳しい由来は下記のサイトからどうぞ。


このサイトによると、「2月2日はクレープを焼き、光を祝うと共に豊穣を祈り、長くて暗い冬から暖かい春が来るのを願う行事となったようです」とあるけれど、要は日本でいうところの立春みたいなものだろうか。

肌感覚では、フランス(パリ)は春の訪れが日本(東京)よりもだいぶ遅れてくる感じではある。油断しているとこちら、5月に雪が降ったりしますのでね、たまに。

でも、一応四季があって、こういった季節を愛でるような行事があるというのは、日本人的にはとても親近感が湧く。最近、フランスの日本通の方を中心に、「Haïku」(俳句)という日本文化が徐々に市民権を獲得しつつあるような印象をもっているけれど、こういった四季折々の変化に敏感な文化の背景も関係しているのかもしれない。

・・・といってもフランスの季節行事的なものはこれくらいしか知らないけど。

2016年のクレープの日は、ガレットじゃないけどシードルに合わせていたようだ。

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さて、前置きはこのくらいにしよう。

年始の記事でも書いたように、フランスでは年末から1月にかけてはガレット・デ・ロワ一色だったけれども、だんだんとクレープ色が強くなってくる。中旬以降は、ちっちゃなスーパーにもクレープ用のフライパンコーナーができていたり。日本のスーパーは今頃恵方巻と豆の特設売り場が出来てるのかなあと想像している。


今年の2月2日は、みなさんご存知のように火曜日。
今日は1日月曜日。日月休みのOtto氏はご在宅。

金曜日くらいから、「クレープ食べたい・・・」とうちのマッチョな5歳児がささやく声が聞こえていたような気がしたのだが、聞こえぬフリをし続けていた。
こういう行事的なものは、当日に実行しないと意味がないの!!という、はたから見ればどうでもいい私のおこだわりからだ。


そんな感じでスルーしていたら、日曜の午後、氏はインスタでこんなメッセージを送ってきた(ちなみに半径1メートル以内にいる)。

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「おねがいします」と言いたかったんだな・・・。
「g」と「f」、キーボードで隣だもんね。。。


ちょっと可愛かったので、しゃーない、前日になるけど、作ってあげよう。


作り始めたのは、日曜の夜。11PMにnoteに取りかかり初める前の、約30分。

ちなみにクレープ、Otto氏の大好物なので、これまで幾度となく作ってきたわけだが、最初にこの記事の中で作ったレシピが一番美味しかったらしく、こちらをリクエストされた。バター多めで、きちんと一晩冷蔵庫で寝かせるレシピ。

この記事を書いたときは、生地の量をレシピの倍量。つまり卵2個、牛乳500ml、薄力粉200g、etcで作ったわけだけど、これしかできないの!?的な感じだった。

今回はなんてったって年に一度のクレープの日でもあるので、もうどーーーん!と作ったろ。

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ということで、レシピの4倍量でいきまーす!

卵4個、牛乳1ℓ、薄力粉400g、etc、でーす!!


軽くブリオッシュが2つできそうな粉の量だけど、まあ気にしない。
今日の私は、マダム・クレープ。暗示を、かけよう。

粉類をふるってバターを湯煎でとかしたらこんな感じ。
いつも使っている大きなボウルが粉で埋まった。

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どう考えても1ℓの牛乳は入りきらないと思うので、私のでかい頭ですらすっぽり入っても余剰があるくらいの我が家の特大ボウルを取り出した。

この特大ボウルのなかで材料を全てよーく混ぜて、冷蔵庫に入れて一晩寝かせる。
冷蔵庫もだいぶ整理してようやく場所を作った。

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翌日、つまり2月1日月曜日。

お昼は昨日の夜の残りのファラフェルとクスクスのソースを適当に温めて食べた後、Otto氏所属のクレープ用のフライパンで、もうとにかくひたすら焼く。

うすーく全体に生地を伸ばして、

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焼けてきたかなという感触がしたら、フライ返しか菜箸であらよっと!

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ちなみにこの日は、「クレープをひっくり返すときに片方の手でコインを握りながら、もう片方の手でフライパンのクレープをひっくり返して、うまくいけば今年は幸運に恵まれる」と言われているけど、そんなことすっかり忘れてひたすら菜箸でひっくり返してしまった。

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こんなところでも詰めの甘さというかどこか抜けてる感じが見受けられる。
くそー、幸運のチャンス逃した。


まあ、うまく焼ければいいじゃないか。
生地がスーパー優秀なので、なんと今回失敗ゼロで、フィニッシュ。

さて、何枚焼けたでしょう!?

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銀行の窓口の方がよくやるお札の数え方をイメージしながらクレープを数えてみたら、24枚でした〜〜!

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あー今日もクレープ鬼焼き、疲れたァ・・・!!


ランチ後ソファーで就寝していたOtto氏は、クレープ工房OPENの様子を見て色めきだって、できた途端から4枚くらいパクパクとお昼のデザート兼おやつ用に食べていた。見た目は若見えな中年、舌は子どもとでも言おうか。


夜。Otto氏は、そんなにお腹が空いてないからアペロに毛が生えた感じでいいというので放っておこう。

ひとりのごはんは納豆ごはんできまり!!と思ったのもつかのま、そういえば私も昼間、鬼のようにクレープを焼き続けたので、1枚くらいは食べてみるかという気になった。そして、以前ウィーンのPezioさんがしょっぱい系のクレープを作られていたのを思い出した。

ツナ缶はひとり分にしては多いので、冷凍庫に保管してある小分けサーモンを解凍してからのチンして半熟状態に。

軽くあたためたクレープの皮に、フレッシュチーズを塗って、アボカドにわさび醤油をかけて和えたものと、半熟サーモンをのせて、松の実をちょいのせ。

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折りたたんで、野菜を添えて、追い醤油しながらいただいた。
ぺろっと食べられて、グー!

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そういえば、塩系クレープをいただく私の隣で、バゲットと鴨のテリーヌみたいなのを食べてたOtto氏。これまた怪訝そうに、

「なぜキミはフランスのもの(クレープ)に醤油をかけるんだ?」

と問うてきた。

「は??アナタだってニッポンの白米にサムライソースドバがけするよね!?」

と電光石火のごとく即答したら、ぐぬぬって感じでごにょごにょしていた。
まあ、お皿のうえでも異文化交流ですよ。


ちなみにOtto氏はバゲットと鴨のあとにクレープの砂糖がけ、からのヌテラ塗りの2枚を平らげていた。毎日6枚食べてれば3日後には消滅するであろう。

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今年の節分前日にクレープの日をやってしまったので、今年の節分当日はニッポンの節分を何かしようかな。今年はどんな鬼がやってくるのやら🐶



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2017年、ミルクレープとみるぅでーっす!!🐶



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