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自作ラードで、Go Toカロリーなスパカツ

noteで毎日、ご近所に巨大しゃもじを持って「エア突撃となりの晩ごはん!」を実践しているヨネスケあらためユイスケ。

うちのOtto氏(フランス人、マッチョ、甘党、乙女系)のマニアックでワガママな胃袋を満足させるべく、皆さんの作るものにインスパイアされながら日夜研究に励んでいるわけだ。

リアルに突撃するまでもなく、勝手にごはん模様を知らせてくれるnoteという場所は、すばらしい。偶然にして必然として、ご近所と作るものも食べるものも似てくることに気づいたのは、つい先日のこと。

「こりゃあOtto氏も絶対好きだろう!」というものはいくつかストックしているのだが、その筆頭が釧路のソウルフードらしい、「スパカツ」。ハマの道産子、QOLぽなちゃんがブチ上げて、府中の世界料理研究家ケイチェルおいたんが華麗に引き継いだ。

私自身、北海道は札幌しか行ったことがないが、勝手に釧路への親近感が高まるこのカロリーの塊。一瞥した際、『クッキングパパ』の31巻で習った長崎の「トルコライス」かなと思ったけど、そのさらに上をいくこってりカロリーぶりだ。

このお二人、スパカツ作りの際に何やら「ラード」を連発しており、ラードが入っているオレンジのキャップのマヨ系プラ容器に入った白い物体が集合写真で幅をきかせている。どうもこの「ラード」、この料理のキモらしい。

でも、フランスでこんな感じで売られてるの、私は見たことがない。
ただでさえ完成系の味を知らないのに、味のキモなものすらなければ、いくら想像上の食べ物とはいえその良さがわからないのではなかろうか。

そんな不安を抱えながら打開策を見つけるべく、フランスのラードについてググっていたところ、たまたまこんなページを見つけた。

「かわいいは、作れる。ラードも、作れる。」

例の如く、「なければつくればいいのよ」と、私の中のマリーがささやくのは、当然の流れであろう。

🐽🐽🐽

金曜の買い出し日。マルシェの肉屋さんを巡回するも、それっぽいものは売っていなかったうえ、どこも密な行列。咳き込んでるご老人もいるし、時節柄近寄らずにそそくさと退散した。

帰り道、近所にあるMOF(Meilleur Ouvrier de France、フランス国家最優秀職人章)の高級系肉屋に意を決して入店。

ジャストな単語がわからないので、豚の白い脂部分だけのものが欲しいのだと懇願したところ、ようやく理解してくれた店員さんが、裏冷蔵室から取り出してきてくれた。それがこちら。

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捨てるものなのかと尋ねたら、捨てずに細かくして煮込んで加工品用に使うと。
同じことをしようとしている私・・・!
値段は知らないけど、そのまま売る部分ではないし、そんなべらぼうに高くはあるまいと、500gいただくことに。

秤にのせて入力した金額は、普通にキロ10ユーロ(1200円ちょい)くらいした。
スーパーのお買い得価格でヒレ肉とか買えそうだ。
これはフランス国家公認、質の高い肉屋のいい脂なのだと言い聞かせて、帰宅後、早速調理することにした。

包丁で適当な大きさに切る。

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私の恋人、ミスターQOLフープロの出番。

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白雪姫もびっくりな、美しい白雪油ができた。

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鍋に入れて、水50ccを加え、中火でぐつぐつ15分ほど煮込む。

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しばらくすると、液体とそぼろに分かれてくる。

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ざるでそぼろと液体ラードに分離。

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お別れ完了。

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さらに、液体ラードをクッキングペーパーでこす。
なんて純度の高そうなぽたぽた。

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限りなく透明にちかい透明。

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密閉容器に入れて、冷蔵庫へ。
例のごとく、ボンヌママンの空き瓶を煮沸したもの。

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一晩後、まっしろな自作ラードが完成。
これでいつでも泉屋どんとこーい。

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🐽🐽🐽

ラードさえ出来たらあとはこっちのもんだ。
今日はカーローリっ!!!という日の夜に作ろうと決めていた。


平日のお昼時、うちの乙女からは、これから食べるものの写真がほぼ毎日送られてくる。
私のお弁当の場合、ただ残りものをタッパーに詰めただけなのでまったく不要な情報ではあるのだが、まあ食べてくれているということでよいことにしておこう。

今朝は、Obento用に冷凍してあった以前作った残りのピザを用意していたというのに、荷物になるからと持っていかなかった。

そんな今日のお昼時、送られてきたのがこちら。

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カニカマにキャロットラペにバナナ。
『プラダを着た悪魔』の出版社の社員か?

これだけ昼にカロリーオフならば、夜はきっとお腹が空きすぎるはず。
こんなに早くカロリー爆弾投下を実現できる日がくるとは。

当地はGoToどころか(お持ち帰り以外)全レストラン営業できず、外出もできない昨今だ。ここはおうちでGoTo、いってみよう。

🐽🐽🐽

まずはミートソースから。
中途半端にある、にんじん・セロリ・巨大マッシュルームもいれちゃう。
デミソース缶は当地に売っていないので、トマトペーストなどでなんとかする。

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肉は冷凍の牛ステーキを解凍してつかう。
ラードを作るときにできたそぼろは、捨てずに活用できるとのことなので、こちらを隠し味にいれよう。残りは冷凍した。

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玉ねぎ、しょうが、前日のソース作り(近日記事にする予定)でソースをこした際に出た、エシャロットをバターと白ワインとブイヨンで煮詰めたものも再利用。

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牛ひき肉とラードそぼろを加える。

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すっかり忘れそうになっていたにんじん・セロリ・マッシュルームのみじん切りも加えよう。

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ある程度肉に火が通ったっぽくなったら、赤ワインたっぷりとフォンドボーを入れて、煮込む。
味付けは、ケチャップおよびトマトペースト、ウスターソースあたりを入れてベースを作ったら、あとは味見しながら徐々にはちみつ、オイスターソースなどで好みの味へ。

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「スパカツのソースは甘くてなんかコクがあったはず」とおっしゃる、かつての釧路民ぽなみんの舌の記憶を私も想像しながら、結局バターいれた。

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これだけで3000㌔㌍くらいありそうな、ミートソースの完成。
美味しければいいのだ。カロリーは正義。

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🐽🐽🐽

ここまででわりと一仕事終えた感があるので、休憩をかねてアペロ。

またまたご登場、我同様小目なぽなちゃんが教えてくれた、無限系ブルーチーズソースをつくる。

ブルーチーズにプレーンヨーグルトにマヨ、パセリにレモン。完コピ。
ブルーチーズは4分の1くらいカットして、耐熱容器でレンチンしてクリーム状にした。

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途中で味見したらめちゃくちゃ美味しかった。
調子にのってにんにくパウダーもちょい足しよ。

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ブルーチーズソースは、にんじんとセロリのディップ用に。
チップスは定例。パプリカ味。

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Otto氏は普通にチップスをソースにつけていた。
やっぱり芋との相性も最高。こりゃ万能ソースだ。定例化決定。

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🐽🐽🐽

さてスパカツに戻ろう。カツを作る。
他が脂だらけなので、ここはちょいと脂少なめな部分をチョイス。

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おいたん風ノンオイル製法でいこうか直前まで迷ったけれど、今日のテーマは「カロリー」。豪快に揚げ焼く。

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焼きにうるさい乙女のために、揚がったらさらにオーブンに入れておいた。

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最後、麺をゆでよう。
アルデンテに茹で上がったら、熱いうちにラードを加えてよく和える。
ラードをまとった麺、驚くほどの輝きを放つ。きらっきらだ。これだけで食欲をそそられる。

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上にオンするチーズは、本日エメンタールとチェダーを用意。
オレンジのチェダーが入ると途端にジャンキー度が高まると勝手に思っている。

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鉄鍋にパスタをしいて、カツをのせ、ミートソースをかけてチーズをオン。
オーブンに入れてチーズが溶けたら、真似っこスパカツの出来上がり。

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🐽🐽🐽

いつもならここにパセリとか緑をのせたくなるのだが、今日はグッとこらえてがまんがまん。黒胡椒をゴリゴリするだけにとどめた。

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これは私用の小さい版。
いつものくせでソースをカツの下にしいてしまった。
それにしても、カロリー爆弾。カロリーって美味しいよね。

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肝心のOtto氏、パスタが硬すぎて好かんけど、それを除けばとても美味しいとのコメント。
パスタはアルデンテよりちょっとふにゃってる感じで私的にはすでに茹で過ぎの部類なのだが・・・。アルデンテが通じないうちの乙女。

「この料理は何なんだ?」と問われたので、noteで教えてもらった、Hokkaidoのとある有名なレストランの超定番メニューなんだよ!と。同時に、ぽな氏のカメラロールに残っていたという泉屋店前ショーケースの写真をみせたところ、徐ろにこれをし始めた。やりたくなる気持ち、わかるわかる。

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とても美味しいのだが、アペロを食べ過ぎたこともあり、私は半分でギブ。
Otto氏も、美味しいといいながら平らげそうな勢いだったのだが、カツを2枚ほど残していた。

そんなこともあろうかと多めに作っておいたミートソース。今日のお昼はパスタをぐでんぐでんに茹でて、残りに足していただくことにしよう。

🐽🐽🐽

さすがに大量の脂を入れた感で胃が重かったので、胃薬を飲んで就寝。

齢32前までは、夜2時まで食べ飲みしても、翌朝6時半に起きて20kmほど走ってから出勤していた鋼の胃袋と肝臓と体力を誇っていたのだが、今はその片鱗すらない。これも歳のせいなのか?

そんなユイスケからのメッセージはこれだ。

若者よ、大志を抱け。
ついでに、食べられるうちに、とにかくたくさん食べとけ。


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ちなみにOtto氏は、夜22時にスパカツからの、私がまだ起き上がれないでいる翌朝7時前にこんなもの食べてました。
コーヒーにフルーツジュースにサプリ、アプリコットのデニッシュ(巨大)




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