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チーズの国フランスでつくる、ニッポンのチーズケーキ

おうちごはんと犬と編み物で98%構成されている私のnote。

おうちごはんでは、たまに我が家のスイーツモンスター、中年マッチョの仏人Otto氏のためにつくるお菓子たちも登場するけれど、とあるスイーツが登場していないことに気づく。

このおやつマガジン、かれこれ90記事以上あるのに、日本のケーキ屋さんでは必ず見かけるチーズケーキってやつが出てこない。あってもおかしくないのに。

どうして作らなかったのかって?

昨日投稿したリエージュ風のベルギーワッフルにさえ「ヌテラちょい塗りしちゃお🎵」。甘いものはなんでもござれな彼が唯一、嫌いといって憚らないのが、そう、チーズケーキなのだ。

氏いわく、チーズが甘いなんてincroyable(シンジラレナイ)のパタティパタタ🤮らしい。

まあねえ、わからなくもない。フランスはチーズって基本塩辛いものという位置付けだし、フレンチのフルコースではデザート前に食べるものだしね。

🧀🧀🧀

ここでサクッとチーズの国フランスのチーズケーキ事情。

ずっと前にフランスのチーズに関してこんな記事を書いた。
この記事以降マロワール食べてないな。近々作るか。

そんなにチーズチーズしてるなら、チーズケーキだってメジャーなんでしょう?と思う方も多いかもしれない。答えは、ノン。

チーズケーキってのがパティスリーなどで存在はするけど、果たしてメジャーかと問われれば首を縦に振る人はそう多くないに違いない。田舎じゃスーパーのデザートコーナーにひっそりと並ぶオレオチーズケーキくらいしか見かけたことないね。

流行の先端パリでは日本的チーズケーキのお店ができたらしいけど、流行ってるのかな…?

こんな感じでフランスではマイナーなスイーツ、チーズケーキ。

我が家のおやつでは、食べる人の嗜好が大いに反映されるので、まったくもって出番がなかったのである。



時を戻して七月某日。2週間ほど禁酒したときに、アルコールで摂取できない糖分を体が欲したのか、いつにもなく甘いものを焼きまくった。

クッキーとかパウンドケーキとかタルトとか色々作ったけど、無性に食べたくなったのが、そう、チーズケーキ。辛党の私が自分のために作ってでも食べたいと思うお菓子、No.1。というかチーズケーキくらいしかないかもしれない。

レアチーズでもなくスフレでもなく、ひと昔前に流行ったバスチーなんてのでもなく。母が昔よく作ってくれた、ミキサーでガーっとして焼くだけのシンプルなやつ。それが私の愛する懐かしのチーズケーキである。

さっそく母に聞いてみたけれど、当時のレシピは見当たらないと。おぼろげながら覚えているのは、ミキサーを使っていたことくらいなんだけど、味はきっと舌が覚えているだろう。

「チーズケーキ ミキサー」で検索して一番上にでてきたやつがなんとなくそれっぽいから、参考に作ってみることにした。


クリームチーズといえばフィラデルフィアだと思うけど、近所のスーパーでちょうど売り切れ。まあでもフランスにはKiriっていう似たようなチーズがありましてね。まあ同じような感じだからこれで作ってみよう。

土台のクッキーはヘルシー志向にキメる
クッキーを砕く
溶かしバターと合わせて型に敷き詰めて冷やす

他の材料は、全部ミキサーに投入して、ぎゅいんぎゅいん。以上。

ミキサーって場所とるくせに豆腐作るときくらいしか使わないな
生地を型に流し込む
焼けた

とりあえずオーブンから出して、翌朝まで放置。朝ごはんにいただくことにしよう。

見た目はまあまあ
華のないシンプルな感じがよい
カッティング
なんかイメージよりもより白っぽい?


味は似てるんだけど、なんかこう、パンチに欠ける。あと食感が軽いっていうか水っぽいっていうか。そして母のチーズケーキ、土台なんてものはたしか敷かれてなかったわ(笑)食べながら小さい頃の記憶が蘇ってきた。

翌朝はジャムを添えたらマシになった


1週間かけてひとりで全部食べ切ったけど、なんだか全然満足できなくて、いつかリベンジしてやるぞ!と。それを実行したのが先週。Otto氏ベトナムバカンス中につき不在のため。

前回の反省は、やはり原点、クリームチーズがフィラデルフィアじゃないとダメなんじゃないか?あと、生クリームも低脂肪を使ったからこれもコッテリ寄せにしよう。そして母にならって、土台はなし!

フィラデルフィアが300gのやつしかないので、材料は全て1.5倍で作る
卵は2つじゃなくて3つ、レモンも2つ使った


参考までに売り場でフィラデルフィアとキリの成分表を見比べてみたら、キリの方がカロリーも脂肪分もだいぶ高いのね。あとフィラデルフィアのほうが砂糖多めでKiriのほうが塩多め。チーズケーキひとつで色々勉強になってほくほくである。

【Philadelphia】
valeur énergétique (kJ) 933 kJ / 100 g
valeur énergétique (kcal) 226 kcal / 100 g
matières grasses 21 g / 100 g
acides gras saturés 14 g / 100 g
glucides 4.3 g / 100 g
sucres 4.3 g / 100 g
fibres alimentaires 0.2 g / 100 g
protéines 5.4 g / 100 g
sel 0.75 g / 100 g

こちらのページより100gあたりの成分表抜粋

【Kiri】
valeur énergétique (kJ)  1260 kJ / 100 g
valeur énergétique (kcal) 305 kcal / 100 g
matières grasses 29 g / 100g
acides gras saturés  19.4 g / 100 g
glucides  2 g / 100 g
sucres  2 g / 100 g
protéines  9 g / 100 g
sel  1.3 g / 100 g
calcium  0.55 g / 100 g

こちらのページより100gあたりの成分表抜粋

今回は土台不要なので、本当に楽ちん。ミキサーよろしく。

型に紙をしくのとミキサーを洗う以外の手間が特にない
オーブンに入れて40分とあるけど結局1時間くらい焼いた

前回同様、朝ごはんに撮影&カッティング。

庭のコスモスで華をそえる
若干焼きが甘かったかも
カッティング
前回よりもよさげ

うおおお、やっぱりフィラデルフィア、大正解!!!
食感は若干テリーヌに近くて、母のはもう少し固め仕上げだった気がするけど、味はそっくりそのまんまって感じで。嬉しい〜。

Instagramにもチーズケーキリベンジ成功と投稿したら、ゆのきりょうこさんが、「やっぱりチーズケーキはなぜかフィラデルフィアなのよね!わかる!!」と共感してくださった。いやー学びました、今回。


なお、Otto氏がもどってくる週末まで一応2切れくらい残しておいて、食べてみない?と誘ってみたのだけど電光石火の如く即答でNon。そんな力の入ったノン久しぶりに聞いたわ。

好み凹凸なのがこれほど良かったと思ったことはないね!

1週間、ムンクコーヒーとともに優雅な朝食でしたよ


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