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【日本一周 京都・滋賀編30】 近江牛!~ティファニーで昼食を~


 お互いに空腹を感じながらも会話で気をそらし、バスに揺られて近江八幡駅へと戻ってきた。すでに懐かしい。


お昼は、駅中のコンビニで朝ごはんを食べたときに目に入った階段上の広告「近江牛レストラン ティファニー」にしようと二人で決めていた。食べログで下調べをすると、サービスランチが1,260円、「ちょっと奮発してステーキランチ2,625円にしてもいいね」と和気あいあいと、かつ綿密に話し合っていたため、肉欲(純粋)はピークに達していた。


 駅から歩いて5分ほどで着いたティファニーは、昼時ということもあってか店内は賑わっていた。待ち時間は20分ほどだったので、それならと腰を据えると、店員から「サービスランチとステーキランチは終わってしまいました」と告げられる。あらら。すると残るは、4,620円の近江牛ステーキランチのみ。お、これはいくのか、いくのか。我々は武者震いする膝を殴りつつ決心した。

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座席から見える上品な空間

 ウェイターに連れられて、旅行用のリュックを背負った満身創痍の男二人には似つかわしくない、上品な空間に通された。厨房を囲う形のカウンター席だったが、対面にはデート中のカップルや、ブルジョアっぽいご婦人方しかいなくて少々肩身が狭かった。しかし、最初にやってきたじゃがいものポタージュを一口飲んだ刹那、我々は顔を見合わせた。

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 めちゃめちゃおいしい。普段キッチンで顔を合わせる朴訥とした彼らが、どういう過程を経ればここまでマイルドな一面を見せるのだろうか。一瞬にして胃袋を掴まれた我々は、早々にポタージュを飲み干すと次の料理を心待ちにした。

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 満を辞してやってきた“近江牛”ステーキは、この上なく美しいミディアムレアに焼かれていた。口に入れると、文字通りとろけていく。しかし、すべてが脂というわけではなくて、肉として必要な歯応えを兼ね備えたその隙間に、至高の肉汁が余すところなく収まっている。これに匹敵するステーキをいままでに食べたことがない!我々は何度も顔を見あわせ、うなずきあった。一切れいくらだとか、そんな卑しいことを考えるまもなく、幸せのうちに食べ終えてしまった。

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一口食べればこの表情


これは一生のうちでもう一度来たい店にランクインです。ご馳走様でした。

明石

・旅先の食事をケチるべからず

 お昼ご飯の目星は、実のところ朝の時点でついていた。朝の近江八幡駅構内にて、近江牛が食べられる高級レストラン「ティファニー」の看板を明石が発見していたからだ。

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朝に見つけた看板

 ヴォーリズ建築を一通り見終えた我々は、日本三大和牛制覇のため、11月の米沢牛に次ぐ2つ目のブランド、近江牛を食べると決心した。ちなみにWikipediaによると、日本三大和牛は公式には規定されておらず、松坂牛、神戸牛、近江牛、米沢牛のなかから、任意の3銘柄をピックアップすることが通例らしい。

 店に到着すると、さすが駅に大きな看板を出せるだけあって、かなりの賑わいよう。だいぶ待つことになりそうだが、これだけの人気となれば、店選びに誤りがないことが証明された。

店先にて

 お祝いの日にしか連れてきてもらえなさそうな高級レストランに、パンパンのリュックを背負い、動きやすさに全振りしたテキトーな恰好をした自分たちがいる。不相応であると自覚した。だが「お金ならある」と何度も自分に言い聞かすことで、ドレスコード度外視のムーヴを正当化し、数分も立つころには、小綺麗な服をまとう客に混ざって、待機列に堂々と着席するのだった。

 案内された席は、厨房を囲うカウンター席の一番端だった。金持ち老夫婦、記念日のカップル、夫に内緒で優雅なランチを楽しむママ友、等々に混じって席に着いた。目の前にて近江牛がミディアムレアで焼かれ、滑らかな手つきで1口サイズにカットされていく。グルメ番組でよく見る絵の中に自分たちがいることが不思議でならなかった。

ふ、ふつくしい...

 提供されるや否や、周りの目を気にしつつ、卑しい奴と思われない範囲で、肉の写真を撮った。「物撮り」をするカメラマンの気持ちが味わえた気がする。

 さて、いざ実食。驚くほどスッとフォークが入る。持ち上げると、柔らかすぎてプルプルと震えていた。口に入れると、比喩なんかではなく、本当に溶けていった。(これなら歯がない金持ち老夫婦でも問題ない)肉は雪塩や抹茶塩、わさび醤油などの付け合わせ調味料で多様に楽しめるようになっていた。個人的にハマったのはワサビ醤油。ごちそうさん。

 実は、一瞬、出費を気にして、ただの国産牛で妥協しようと思ったが、変にケチらないで正解だった。

尾道

・メンバー
明石、尾道

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