開店─梅雨屋目録

 おやァ? 珍しいお客さんですねェ。どうもあなたはこの世界の方ではないと見える。わざわざ次元を渡ってまで一体何の用で?
 へーェ。ワタシに話を売って欲しいと。こりゃ本当に珍しいお客さんだ。ま、いいですよ。きちんとお代をもらえれば話でも何でも売りまさァ。どうします? ワタシの生い立ちでも話しますか? ……冗談じゃないですか。そんな顔されるとさすがのワタシもへこみます。
 さて、きちんとあなたがお求めの『噺』をしやしょうか。
 目録がありやすからこの中から選んでくだせェ。気になった噺を語らせていただきやすよ。


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