あなたもわたしも、きっと小松菜
お散歩程度のお出かけも、足を伸ばしたおでかけも気持ちの良い今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょう?エブリシングがニュ〜な4月、お疲れ様でした!
新年度のドタバタもじんわり落ち着いた頃合いにゴールデンウィークがあるの、本当にありがたいな…と毎年のように思っている。ここ数年は遠出せず細々したタスクをスッキリ片付けつつ心身を休めるに全振りしているが、これがなかなか良い。
あぁ新年度。さまざま会話を交わしつつも、果たして会話の相手にどの程度まで当たり障りのなさを貫くかってたまに悩んだりして。当たり障りないっていうとあれです、開花情報含む天気全般とかね、そういうやつなんですけれども。確かに当たり障りはないけど展開にも限界があったりして、思いの外喋る時間が長かったりするとちょっと困っちゃったりしがちなんですわ…
そこでわたしの辿り着いた話題がコレです
「好きな味噌汁の具、なんですか?」これは結構個人的に好きで、当たり障りのない会話を一巡したけどもう少し話したいと思う相手にはわりと尋ねてしまう部類の問いである。
味噌汁というのは不思議な喜びに満ちた食べ物で、日本では何らかの形で触れてきている人がほとんどというかなりジェネラルな食にもかかわらず、いやそれゆえか、具およびそれに寄り添うエピソードがかなり多岐にわたる。
そしてこの加速に加速を重ねる世の中において味噌汁が供される場には少なからぬサービス精神が伴うのも個人的には愛おしい。あとはなんというか、それもあってか割とポジティブな食に属することが多い気がする。ご家庭や定食屋さんはもとより、忙しくても座ってご飯を食べる場や、ちょっと「ちゃんとした」ご飯が欲しい時に選ばれるものじゃないかなと思う。
私にとって味噌汁はチューニングのような食体験である。どんなに乱れてたりイレギュラーだったりする食生活をしていても、どこかのタイミングでなんとか味噌汁にたどり着けばとりあえず大丈夫な感じがするのだ。ありがたいありがたい。そんな味噌汁という存在の中でも好きなものとあらばちょっと心がほどけた感じて語ってしまうし、どうやらそれは私だけの感覚でもなさそうだなといつもこの話題を振ると思う。
そんなわけで好きな味噌汁の話は結構楽しいのだが、では私の好きな味噌汁の具は何かと聞かれたら小松菜が最初に来る。
万能野菜・小松菜をただでさえ溺愛しているが、あまつさえ味噌汁の小松菜はたいそう良い。煮干しと水を入れた鍋がぐらりと沸騰したところに小松菜を入れると、すぐさま緑が鮮やかになって惚れ惚れしてしまう。火の通りが良いように細かく切るのが好きなのだが、贅沢に2束とか入れちゃったらもう量的にも食感的にも文字通り野菜たっぷり!という感じがたまらなく嬉しい。週に2回以上は美味しくいただくが、全く飽きがこない。
小松菜の味噌汁を作るとき、いつも嬉しいのは小松菜を切るところだ。根を落とすと、茎のつき方の都合でバラの花びらみたいに見える。何度小松菜を切っても、いつもいつも綺麗だなぁと思う。植物の葉が互い違いにつくのは美観のためではなく効率よく日光を受けるためだとわかっていても、美しい切り口に毎回ハッとさせられるのだ。青梗菜とかもそうですよね。
青々とした葉物野菜が、表から見えない内にこんなに美しい姿を秘めているという奇跡のような出来事についていつもうっとりと想いを馳せてしまう。
きっと小松菜に限らず誰にもあるのだろう。外から知られざる美しさ、意外な素敵さ、人の手が加わったり出会ったりしない限り発露しないなんらかの素晴らしい一面が。出会ったばかりではわからないそうした姿が、きっとあなたにも、私にも、みんなにも、あるのだ。
あなたもわたしも、きっと小松菜。いつかそんな素敵な一面を見つけられる日がこの出会いにあるといいな、と思いながら、この春も味噌汁の話題を振ってみている。
小松菜のお味噌汁、大好き。
(ちなみにみなさまは何のお味噌汁がお好きですか?)
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