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温泉沈没紀行

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基本的に日帰りで立ち寄った温泉の記録です。福島県とその近隣県にとても偏ります
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温泉沈没紀行⑰【茨城県常陸太田市 大菅温泉 元湯旅館】

温泉沈没紀行⑰【茨城県常陸太田市 大菅温泉 元湯旅館】

前回

「横川鉱泉 巴屋旅館」を発ち、約10km離れた「大菅温泉 元湯旅館」へ。田圃道を縫うように走り辿り着いた開湯300年の鉱泉は、驚異のpH値10.3を誇る

溌剌とした82歳の旦那が快く受け付けてくれた。簡単な説明ののち貸切の札を裏返し、
「好きなように蛇口ひねってまあゆっくり入ってくれよ」と言って帳場へ戻っていった

何かに似た興味深い形状の浴槽。自家用浴槽と同じ素材と思われ(FPR)、叩

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温泉沈没紀行⑯【茨城県常陸太田市 横川鉱泉 巴屋旅館】

温泉沈没紀行⑯【茨城県常陸太田市 横川鉱泉 巴屋旅館】

前回

2023年7月上旬、日帰りで常陸太田市北部に出現。良質な鉱泉を湛える2軒の宿を訪問しました。その前編です

朝。白河市「アビラ」の目玉焼きのせ朝カレー(平日限定朝メニュー)を喰らう。健康な休日は健康な朝餉から

ひたすらR349を南下し、常陸太田市「横川鉱泉 巴屋旅館」に到着。茅葺き屋根が見事な明治11年築の母屋

玄関から声をかけると女将さんが快く対応して下さった。母屋を正面に見て左手が

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温泉沈没紀行⑮【福島県白河市 しらかわ温泉 弁天荘】

温泉沈没紀行⑮【福島県白河市 しらかわ温泉 弁天荘】

前回

どの温泉に沈むか迷ったら最終的に足が向いてしまう黄金の出で湯です。訪問回数が多い為、写真の季節感がシッチャカメッチャカですがご容赦下さい。

福島県白河市「しらかわ温泉 弁天荘」矢吹町のR4から西側へ進み、隈戸川沿いの住宅通りを抜けると一軒宿が現れる。住所こそ白河市だが位置的にはほぼ矢吹町です

吹き抜けで開放感のあるロビー。呼び鈴を鳴らし、湯銭を支払いましょう

「黄金 湯」の暖簾を潜り

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温泉沈没紀行⑭【福島県鏡石町 弘法不動の湯】

温泉沈没紀行⑭【福島県鏡石町 弘法不動の湯】

前回

福島県の南部には黄金色に輝く優れたアルカリ性単純泉が沢山湧いているのですが、その中でも出色の浴感を有する日帰り温泉施設を取り上げます

福島県鏡石町「弘法不動の湯」鏡石駅から徒歩数分、東北自動車道 鏡石スマートIC(鏡石PA併設)からも徒歩圏内。PAでの休憩がてら入浴するのも一応可能と思われる

もともとこの土地で温泉旅館を営んでいた「不動温泉まるなか」という施設が、2009年に日帰り入浴

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温泉沈没紀行⑬【福島県郡山市 磐梯熱海温泉 錦星湯】

温泉沈没紀行⑬【福島県郡山市 磐梯熱海温泉 錦星湯】

前回

地元に根付いた磐梯熱海の優れた公衆浴場です。

福島県郡山市「磐梯熱海温泉 錦星湯」日帰り入浴施設ながら、シンプルな和風旅館のようなファサード。16時になると玄関に暖簾がかかり、屋号入りの行灯に明かりが灯る。

番台の高齢女性(以下 婆さんとします)は風采こそ老いて見えるが、意外と動きが軽やかで喋りもはっきりしている。

浴室入口前の廊下から洒落た中庭を臨む。婆さんに詳しく話を聞いたところ

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温泉沈没紀行⑫【栃木県那須塩原市 那須塩原駅前温泉】

温泉沈没紀行⑫【栃木県那須塩原市 那須塩原駅前温泉】

前回

身体の調子を整えたい時によく行く、駅前から3kmも離れた駅前温泉の記事です。

栃木県那須塩原市「那須塩原駅前温泉」那須塩原駅から北西に伸びる県道53号線沿い。那須塩原駅前温泉は、井戸・温泉の掘削を専門とする「白河井戸ボーリング株式会社 那須営業所」の敷地内に存在する。開業は2020年10月とまだ日が浅い

そのファサードは非常にシンプルな平屋。もともとは自家用に掘削した温泉だったのだそう

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温泉沈没紀行⑪【栃木県那珂川町 馬頭温泉 小口館下の湯】

温泉沈没紀行⑪【栃木県那珂川町 馬頭温泉 小口館下の湯】

前回

2023年2月上旬、那珂川町馬頭地区を日帰りで訪問。本来は馬頭商店街の味のある建造物群を見るのが目的だったのだが、立ち寄り入浴で沈没した温泉がとても良かったので記録に残します

栃木県那珂川町「馬頭温泉 小口館下の湯」ひたすらR294を南下し那珂川町へ。「道の駅 ばとう」にて情報収集。良さげな温泉に目星をつけて、那珂川沿いの温泉郷へ向かった

向かった「小口館 下の湯」は那珂川沿いの温泉街

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温泉沈没紀行⑩ 【栃木県那須町 東山道那須温泉】

温泉沈没紀行⑩ 【栃木県那須町 東山道那須温泉】

前回

2023年も1か月が経過したが、今年は一度も投宿していない。
毎年1~3月は雪の影響でバイタリティーが消滅し、どうしても出不精になりがちなので仕方ないことなのですが、その中で定期的に温泉には沈没していました。今回は今年既に2回訪問しているちょっとした穴場の良泉を記録に残してみます

栃木県那須町「東山道那須温泉」那須というと一般的には那須湯本温泉のイメージが強いと思われるが、こちらはR4を

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温泉沈没紀行⑨ 【福島県福島市 野地温泉ホテル】

温泉沈没紀行⑨ 【福島県福島市 野地温泉ホテル】

前回

近ごろは投宿機会が多かったので、徒然なるままに書き散らす適当単発温泉記事もご無沙汰でした。
2022年4月、福島市「野地温泉ホテル」を日帰りで訪問した時のことを思い出しながら書いてみます。

福島県福島市「野地温泉ホテル」R115の土湯峠付近は赤湯温泉や横向温泉といった名湯が揃っており、温泉好きには垂涎の地と言っても良いでしょう。
標高の高いこの一帯、冬は特にホワイトアウトが起きやすく、左

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温泉沈没紀行⑧ 【福島県金山町 湯倉温泉共同浴場】

温泉沈没紀行⑧ 【福島県金山町 湯倉温泉共同浴場】

前回

2022年10月、11年振りに全線運転再開した只見線の沿線にある共同浴場に出現致しました。気温も良い感じに下がり、奥会津の熱めの湯を身体が求めて居りました。

福島県金山町「湯倉温泉共同浴場」2014年冬にリニューアルされており、建物は実に綺麗。手前には一軒宿「鶴亀荘」がある

玄関を開けると休憩室。無人だがとても管理が行き届いている。部屋の隅に積まれた座布団は利用客から寄付されたもの

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温泉沈没紀行⑦【福島県郡山市 磐梯熱海温泉 霊泉元湯】

温泉沈没紀行⑦【福島県郡山市 磐梯熱海温泉 霊泉元湯】

前回

普段使いしているぬる湯の名湯「磐梯熱海温泉」、日帰り入浴を受け付けている旅館も多いが、その中でも最も泉質と”味”が高いレベルで両立されている共同浴場を取り上げる。
なお、ここでいう”味”というのは建物や浴室の雰囲気や佇まいを見たときに抱く個々人の感情のことを指し、飲泉した時の口内の感覚を指すものではない。

福島県郡山市「磐梯熱海温泉 霊泉元湯」100年以上の歴史を誇る磐梯熱海の元湯。旧元

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温泉沈没紀行⑥【福島県三島町 宮下温泉 栄光舘】

温泉沈没紀行⑥【福島県三島町 宮下温泉 栄光舘】

前回

日帰りで実施した「奥会津温泉逍遥」の続きです

「せせらぎ荘」終浴後は会津川口駅近くの食堂「おふくろ」にて昼餉。幟にもある「カツカレーミックスラーメン」は、カツとカレーとラーメンと米飯が1つのどんぶりに入ったこの店の名物とのこと

自分は「カツカレーラーメン」をオーダー。混ぜる前なので何とも言えないビジュアルだが相当美味であった。女将さんの人当たりがとても良く、去り行く客にもれなく「いって

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温泉沈没紀行⑤【福島県金山町 金山町温泉保養施設 せせらぎ荘】

温泉沈没紀行⑤【福島県金山町 金山町温泉保養施設 せせらぎ荘】

前回

2022年5月に日帰りで実施した「奥会津温泉逍遥」を振り返り。2湯沈没したうちの1湯をまとめる。

福島県金山町「金山町温泉保養施設 せせらぎ荘」「サイダー温泉に入りたい」というだけで来たので、思いのほか施設が新しくて驚いた。そもそもこの日帰り温泉レーシングをしようと思ったのは当日のことだったので、ろくにリサーチはしてなかった

入口付近の石像に挨拶し入店

公式サイトの写真というのは過度

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温泉沈没紀行④【(閉業)福島県会津若松市 東山ハイマートホテル】

温泉沈没紀行④【(閉業)福島県会津若松市 東山ハイマートホテル】

※2023年4月時点で閉業を確認。

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個人的に日帰り入浴を受け付けている施設が少ない印象の東山温泉。その中でも特に異質なファサードの「東山ハイマートホテル」。

日帰り入浴可の看板があるのは知っていたが、あまりに草臥れまくったその外観の襤褸さに気後れし、今に至るまで未訪問だった。泉質は抜群である事は知っていたので、ついに意を決して車を走らせたのが2022年5月のことである。

福島県会津

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