artsy-fartsyで結構
英語には「artsy-fartsy」という表現がある。
オンラインWeblio辞書の訳は、
「芸術を気取った人」
「芸術心を見せつけようとしている人」
「芸術気取りの」
となっている。
が、実際のニュアンスは、
「アート系の人」
「アートが好きな人」
「アートの才能がある人」
の方がしっくりくる。
でも、一般的に芸術で生計を立てるのが難しいからか、または、現実の生活とはかけ離れたように見える芸術は、実質生活に貢献するものがないように思われているからか、「artsy-fartsy」には軽蔑的・侮辱的なニュアンスが入っている。(だからweblio辞書の訳にもそういったニュアンスが入っているのかもしれない)
実際、私もこの表現が理解できるようになったのは、ネイティブスピーカー、かつ理系の夫がよく口にする言葉だから。
芸術鑑賞は好きだけど、絵の才能を持って生まれた妹と比べると、私なんか幼稚園生の程度なので、どっちみち自分とは関係ない言葉、そう思っていた。
ところが、ある日 友達とブログの話をしていて、彼女に言われた一言
"You are artsy!"
突拍子すぎて、ちょっと反応できなかった。(苦笑)
「artsy」だけだと、軽蔑的なニュアンスはない。
「artistic 」芸術的な とか アートの才能がある という意味で、逆に褒め言葉にもなる。だから、彼女は決して私をバカにしたわけではないのは分かってたけど。
それでも…
「えぇっ!? 私?」
そう思ったのを悟られたのか、反応できずにいる私を見て、彼女は
"in languages"
と付け足した。
「ふぅ〜ん、そんな風に見えるのか。」
と思ったのが今年の春先くらいの時かな。
そして、先週、大好きなpodcastsを聴きながら食事の支度をしている最中,
どこからともなく、いきなり自分の声が心の中に響いた。
"I'm artsy-fartsy."
なんだかずっと解けなかった謎が解けたような感じで、と同時に
ずっと心の中を覆うっていたものがスーッと消えて、気分スッキリ。
よく「artsy-fartsy」と口にする夫に、今さっき心に響いた声を実際に口に出して言ってみた。
"I just realized... I'm artsy-fartsy."
"Yes, you are."
「そうだったの? そうだったのか!」
夫に確証され、自分でもちょっとビックリだが、ムカツク気持ちもなく、むしろ嬉しかった。
夫の口調には、軽蔑的な意味はなく、肯定のニュアンスがあったからかもしれないけど(ものは言い様だね、笑)、それよりも、自分のこと、前より理解できたのが嬉しかった。
自分のことは自分が一番よく分かっている。
そう思うかもしれない。だけど、果たしてそうだろうか。
少なくとも、私はそうじゃないかな。
ずっと前はそうだったかもしれない。
でも、ここ20年、気づいたら自分を失ってた。
あなた、誰?
私が知っている私は、いつから消えてしまったの?
そしてどこに行ってしまったの?
そんな感じで彷徨っていたので、自分が「artsy-fartsy」だって分かって嬉しかったのだ。
「artsy-fartsy」で結構。
初めまして、「artsy-fartsy」な自分。
「artsy-fartsy」な自分が結構好き。
"You are artsy-fartsy!"
そう言われたら、
"YES, I AM!"
と自信を持って言える自分がいる。
それが嬉しいかも。
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