安兵衛

1984年に総合出版社に入社。約25年間、多くの雑誌、書籍の編集に携わる。その後営業管…

安兵衛

1984年に総合出版社に入社。約25年間、多くの雑誌、書籍の編集に携わる。その後営業管理部門に。旅行や飲食にかかわる編集経験豊富。東京都在住。

マガジン

  • 旅行の時何か食べたくなって

    旅が好きで、ぶらぶらしながらローカルフードにトライするのをなによりの楽しみにしています。基本的にひとつの旅先にひとつのメニュー、その旅先への思いとともに書いています。

最近の記事

「ブルスケッタ」の小エビとカラスミのペペロンチーノ@富士吉田

 何回か書いている、もとのラフォーレをリノベしたマリオットのリゾートラインにリピートするようになり、近年は年1回くらいのペースで山中湖にもステイするようになった。ここのマリオットは、山中湖畔東側の交差点、平野からバイカーに人気の道志方面へのツーリングロードをすこし走ったエリアにある。まわりを林に囲まれたそれは静かなロケーションで、温泉にくりかえしつかっていると全身から力が抜けて、いっしょに疲れや汚れも出ていってくれるように感じる。  何度か訪れるうちに、山中湖畔を歩き、河口湖

    • 「Harisバー」のミニバーガー@香港_尖沙咀

       2月下旬、香港3泊のひとりっぷは、のんびりと自分の好きなスタイルで楽しめたと思う。何度も旅をしているうちに自然にできてきた行動のパターンだ。今回でいえば尖沙咀に宿泊していて、公共交通機関機関でその日行きたいエリアに出かける。それぞれの街を気のむくままに歩いて、お目あてのローカルフードにトライする。毎度のことだが「小吃」が重要なターゲット。今回も日中は雲呑の湯麺、えびの撈麺、海南鶏飯などをややムキになるくらいの勢いで食べ歩く。午後遅くにホテルに戻ってひと休み。ちょいとお昼寝タ

      • 「Winstons Coffee」のショートブラック@香港_ケネディタウン

         今回の旅、2日目は香港島サイドをぶらつくことにして、シャングリラから海沿いをゆっくりスターフェリーの桟橋にむかう。よく香港に出かけていた2000年から2010年代あたりは、いつきても工事をしていて、永遠に完成しないのではないかと思っていたアベニュー・オブ・スターズだが、すっかり完成して尖沙咀センターあたりから、桟橋までストレスなく歩くことができる。観光客の混雑は別ですが。  歩きながらぼんやりながめていると、インターコンチも文化センターもかわらずにぎわっているし、フォートナ

        • 「劉森記麺家」の撈麺@香港_深水埗

           香港はすっかり様子がかわってしまった、という人がいる。そのいっぽう、集英社の女性編集者にして、ヘヴィな旅好きが高じて何冊も著作を出版してしまった、ひとりっPさんのように、香港はこれくらいでかわってしまうほどやわなトコロじゃない、いまもかわらずダイヤモンドなんだから、とおっしゃる人も。うーん、どっちなんだ、ずっと心のどこかにひっかかりがあるような状態だった私も、この2月の連休を利用して香港にきている。  2019年以来の香港、おもえば世の中も個人的にももいろいろあった5年間だ

        「ブルスケッタ」の小エビとカラスミのペペロンチーノ@富士吉田

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        • 旅行の時何か食べたくなって
          46本

        記事

          「Curry SAVoY」のチキンと野菜のカリー@札幌

           身内が昨年から札幌で生活している。2024年が明けた1月初旬、札幌を訪ねた。元旦に能登半島で最大震度7を観測する地震があり驚いていたら、夕方になって羽田空港で日本航空機が滑走路にいた海上保安庁の機体と接触、大きな事故に。これまでにないような、なんとも不穏で不安な新年となった。今回フライトを予約していた千歳便は羽田発着で欠航の心配もあったが、航空会社の運行情報をチェックしつつ、なんとか5日から札幌の旅をすることができた。  札幌では身内が案内してくれて、夕暮れのすすきのと狸小

          「Curry SAVoY」のチキンと野菜のカリー@札幌

          「欣葉」のワタリガニと春雨の土鍋@台北

           11月の台湾の旅、後半は台北に2泊した。つらつら思い出すに最後に台北にきてから、もう15年ほどになるかと思う。かつての台北はのんびりしていて、街並みにもどこか懐かしさを感じたものだったが、いまは変わっているだろうと想像はしていた。  台南から台湾高鐵に乗車し、約1時間40分の新幹線旅、台北に近づく。国際空港がある桃園に停車し、市内に入るともう一駅、板橋駅もある。東海道新幹線の品川駅みたいだと思ったりしているうち、台北車站に到着、地下にあるホームに静かに滑り込む。列車を降りて

          「欣葉」のワタリガニと春雨の土鍋@台北

          「集品蝦仁飯」の蝦仁飯@台南

           今回の旅では高雄の空港から台湾に入り、はじめて訪れる台南の滞在を台北より1日長くした。古き良き台湾の風情が残っていて、さらに美食の街としての評価も高まっているときいていた。古都ともいわれる台南には主要都市を結ぶ台湾鉄道の西部幹線が南北に走っており、台南車站(駅)の西側が旧市街で、その中心部にはオランダが17世紀に築いた赤崁樓などのランドマークがある。  旧市街のやや南西より、大通りの海安路ぞいにあるのが「集品蝦仁飯」。WEBでもガイドブックでもとても評判がよい。何度か書いて

          「集品蝦仁飯」の蝦仁飯@台南

          「台灣高鐵」のチキン弁当@台南

           2023年11月5日の日曜日、第7銭までもつれたタイガースとバッファローズのプロ野球日本シリーズは、今季不調だった青柳の5回途中までの粘投もあり、タイガースが勝利した。私にとって、なんとも幸せで思い出に残るシーズンとなった。  そして11月13日から、連れ合いと計画していた台湾の旅に出かけた。最近日本で女性を中心に人気の台南に3泊し、その後台北に移動、さらに2泊しようというプランだ。いつものようにお目当ては人気のローカルフードだが、今回は台湾の新幹線に乗るのも大きな楽しみの

          「台灣高鐵」のチキン弁当@台南

          「群愛飯店」の海老の天ぷら@神戸

           10月最初の日曜日、イベント立ちあいの仕事があって西宮に出張した。阪神電鉄西宮駅の目の前が会場で、その日は特別編成の電車「アレ記念号」が運行されていた。阪神各駅にはタイガース優勝のポスターが大量に貼られていて、お祝いムードにあふれている。セリーグ優勝が決まったのが9月14日。いまはクライマックスシリーズ開始直前のタイミングだ。  WBC優勝の時にも書いたが、私は「物心つく前」から阪神ファンとして生きてきた。1985年、2003年、2005年、それぞれ自分の年齢と環境にあわせ

          「群愛飯店」の海老の天ぷら@神戸

          「すし哲本店」のすし哲物語@塩竈

           9月最初の週末、昨年に続いて仙台の「定禅寺通りストリートジャズフェスティバル」に出かけた。昨年3年ぶりの開催だったが、会場は限定、人数制限もありでかつてのにぎやかさとはまだ落差を感じた。今年は会場も増え人数の制限や規制もなかったようで、ようやく本格開催というところかと感じた。仙台に着いて去年は会場がなかった広瀬川ぞいの西公園にむかう。広い敷地のあちこちで大小さまざまな編成のバンドが張りきって出演していて、市民がのんびりと演奏を楽しんでいる。広瀬川からの初秋の風が心地よく、と

          「すし哲本店」のすし哲物語@塩竈

          「酒亭ばんから」の酢の物@京都

           何度か書いているようにコース料理よりアラカルトを好む。居酒屋、割烹、ビストロ、ピッツェリアなどに入る。東京でも旅先でも、いつもその種のお店を探している。気がきいたメニューがあり、一品の分量が多すぎず、お値段手頃。そんな私の願望に合致するお店は意外に少ないものだ。居酒屋の場合たばこにも注意が必要だ。2020年の健康増進法の改正で、飲食店は禁煙になったはずなのに、「喫煙目的店」などの妙な理屈でたばこありの店がけっこうある。そんなお店に入ってしまったら、せっかくの食事が台無しであ

          「酒亭ばんから」の酢の物@京都

          「美乃鮨」の富山湾鮨@富山

           宮本輝さんの小説が好きだ。新作が出ると待ちかまえていたように購入してすぐ読むし、旧作には何度も繰り返し読んでいる作品が少なくない。宮本さんは関西の出身で学校も大阪近辺だから、その作品には関西を舞台にしたものが多い。デビュー作の『泥の河』や自伝的青春小説『青が散る』など、関西の風土や人々が通奏低音のように色濃く感じられると思う。そして、熱心な読者なら、富山が舞台の作品が複数あることもご存じだと思う。父親をモデルにした「松阪熊吾」の人生を描いた全9巻の大河大長編『流転の海』では

          「美乃鮨」の富山湾鮨@富山

          「八楽」の若鶏甘ず六三風@京都

           7月最初の日曜日、京都南座の桂米朝一門会に、昨年に引き続き今年も出かけた。昨夏3年ぶりに復活した祇園祭の山鉾巡行が今年も近づいており、7月2日の日曜日には巡行の順位を決める「くじ取り式」が行われた。京都の街にコンチキチンの音色とともにはなやかな祭りの気分が満ち始めている。  祭りの準備とともに圧倒的な勢いで増えているのが外国人観光客で、コロナ以前のレベルに戻りつつある。この時点で、中国メインランドからのいわゆる団体旅行客はまだ入ってきていないそうなのだが、もしもさらに加わる

          「八楽」の若鶏甘ず六三風@京都

          「BAR ルヴェール」のサイドカー@秋田

           2022年9月の日曜日、仙台で3年ぶりに開催された「定禅寺通りジャズフェスティバル」を楽しんだ後、月曜日に秋田新幹線で秋田市に行った。角館などには行ったことがあるが秋田市内を旅するのは初めてだ。
 秋田では行きたいところがいくつかあったのだけれど、そのうちのひとつが「BAR ルヴェール」で、バー好きのあいだではかなりの有名店だ。かつては数寄屋橋交差点近く、外堀通り沿いの銀座6丁目にあった。ちょうどななめむかいの「テンダー」とともに、銀座界隈の食事などの後に行くことがけっこう

          「BAR ルヴェール」のサイドカー@秋田

          「群来軒」のちゃんぽん@長崎

           長崎は若いころ仕事でご縁があり、取材や撮影で何度か訪れている。この5月、その長崎にかつて所属していたコミック編集部の親しい仲間が集合して同窓会という楽しいプランが実現した。集まった5人のなかに長崎出身で、実家と東京の2拠点生活を始めた人がおり、彼の案内で天ぷらや夜景などを楽しもうという趣向だ。私はさらに前乗りをして、好きなちゃんぽんも楽しんだ。  選んだお店はかつて取材したことのある中華街の有名店ではなく、江戸町の「群来軒」。落ち着いた雰囲気でどちらかといえば隠れ家系だろう

          「群来軒」のちゃんぽん@長崎

          「あしなや」のサンマーメン@鎌倉

           今回の鎌倉では同じお店で2日続けて昼ごはんを食べてしまった。鎌倉駅東口からすぐの「あしなや」で、前から行きたいと思っていた。町中華を好むことは何度か書いているが、ここもメニューにはラーメン、チャーハンやカレー、定食などがあり、町中華のカテゴリーに入るだろう。昭和11年創業だそうだが、店内は比較的新しくよく手入れされて清潔でうれしくなる。年配の客が多く女性1人できている人も多い。2日ともほぼ満席だったが、すこし待てば座れた。  人気メニューと思われるサンマーメンを注文する。神

          「あしなや」のサンマーメン@鎌倉