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「Winstons Coffee」のショートブラック@香港_ケネディタウン

 今回の旅、2日目は香港島サイドをぶらつくことにして、シャングリラから海沿いをゆっくりスターフェリーの桟橋にむかう。よく香港に出かけていた2000年から2010年代あたりは、いつきても工事をしていて、永遠に完成しないのではないかと思っていたアベニュー・オブ・スターズだが、すっかり完成して尖沙咀センターあたりから、桟橋までストレスなく歩くことができる。観光客の混雑は別ですが。
 歩きながらぼんやりながめていると、インターコンチも文化センターもかわらずにぎわっているし、フォートナム&メイソンやMoMAの真新しい素敵なショップができていたりしてなんだかうれしくなる。香港は沈滞ムードとは無縁、つねに動き続ける大都会であることをあらためて認識する。
 桟橋に到着、乗るたびになぜかウキウキしてしまうスターフェリーで中環へ渡る。いつもきらびやかなIFCモールを抜けてMTR中環駅にむかう。複雑なモール内をめちゃめちゃ歩くことになる。香港の公共交通機関を使う場合、これは覚悟しておかないと。やっとたどり着いた中環駅から、港島線の西の終点ケネディタウンへ。これまでどちらかといえば不便なエリアだったのが、近年MTRが延伸し、香港のなかでは比較的密集度の低い穏やかな街として、ある意味逆説的に注目されているそうだ。
 とはいえ香港のこと、丘陵地に囲まれた狭い海沿いの商業エリアからその上り斜面をみあげると、背の高いアパートメントと思しきビルが、かなりの数、へばりつくように林立している。MTRの駅から、Googleマップを頼りに歩くと、数分で海浜に行きつく。Belcher Bay Parkなんてネーミングの、わりとゆったりした公園も整備されていて、ベンチでしばらくのんびりしたりする。
 土曜日だが、公園も街なかも混雑はしておらず歩きやすい。この街は西洋スタイルのカフェやビストロなどが多いときいていた。おいしいコーヒーが飲みたくなり、またもGoogleマップを頼りにカフェ探し。エリアに白人のコミュニティがあるのだろうか、店々で地元の顔見知りらしい人たちがおしゃべりをしながら土曜日の昼下がりを過ごしている。オープンな作りが多く、楽しげな雰囲気が伝わってくる。そんな一つ「Winstons Coffee」に入ってみる。若い女性ふたりで切り盛りしている小さいけど活気のある店だった。カウンターに落ち着いてメニューからショートブラックとエッグサンドをチョイス。よく歩いてきたのどにエスプレッソショットがしみる。
 もう一つ気づいたことがある。この界隈、やけに犬密度が高い。オープンエアのカウンターでも飼い主が座る椅子の足元にちょこんと座っていたり、ふせていたりするのをいくつもみかけた。いかにも地元の犬ふうにリラックス。みんなのんきでニコニコの顔をしている。ケネディタウンは風情がおだやか、今日は土曜で飼い主さんの休日にいっしょにおでかけ、犬もきっとうれしいのだろう。
 そんなことを考えながら、この街が始発の、東にむかうトラムに乗って香港島の中心エリアに戻った。

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