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「集品蝦仁飯」の蝦仁飯@台南

 今回の旅では高雄の空港から台湾に入り、はじめて訪れる台南の滞在を台北より1日長くした。古き良き台湾の風情が残っていて、さらに美食の街としての評価も高まっているときいていた。古都ともいわれる台南には主要都市を結ぶ台湾鉄道の西部幹線が南北に走っており、台南車站(駅)の西側が旧市街で、その中心部にはオランダが17世紀に築いた赤崁樓などのランドマークがある。
 旧市街のやや南西より、大通りの海安路ぞいにあるのが「集品蝦仁飯」。WEBでもガイドブックでもとても評判がよい。何度か書いてきたが、私のアジア旅の主目的は「小吃」(シャオチー=フードコートや食堂などで手軽に食べられる一品料理)で、今回の台南ではまっさきに食べてみたいメニューだった。赤崁樓、水仙宮あたりの市場街、街並みに風情がある神農街などを散策しながら「集品蝦仁飯」に向かった。けっこうな距離で途中すこし方向感覚を失ったりしながらなんとか到着。
 席に着くと注文票を渡され、さっそく看板メニューの蝦仁飯にチェックしてオーダーする。すぐに大きめの茶碗というか小さめの丼というかそれくらいの大きさで蝦仁飯が出される。ちびのエビが10コくらいのっていて、ごはんは炒めてあるのか炊き込みなのか、いずれにしてもすこし出汁汁が入っていて甘めの味付けである。スパイシーさはなく、出汁茶漬けというほどはヒタヒタでないし、スープチャーハンとも違う食感だし、大きさといい味といい、なんともビミョーな一品だと思う。ともあれエビのうまみを感じながら完食。なんだかんだいって結論的には私はけっこう気に入りました。お値段は65元。円安なので300円くらいのイメージか。ちなみにちびエビの増量や、目玉焼きのトッピングも可能。
 3泊して各種小吃にトライしつつ、ぶらぶら古くからの街並みを歩き、台湾鉄道で30分くらいの街外れの駅まで往復する「乗鉄」も体験するなど台南をエンジョイした。たしかに東京がすっかり失ってしまい、台北もおそらく急速に失いつつあるだろうと想像する古い時代へのノスタルジーをかきたてられるなにかを持っている街だった。さらにいえば、旧市街の市場のあたりなどを歩いていると、かつての香港の風情も思い出された。何度も訪れたくなる街がまた一つ増えたようだ。

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