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【No.1】現代エンタメ事情観察


1、Netflix日本コンテンツ、世界席巻へ周到な仕掛け日本トップの坂本和隆氏が語る参入からの8年

徳力 基彦 : noteプロデューサー、ブロガー  2023/09/30 9:40

  1. Netflixの世界的な成功

    • Netflixの有料会員数は全世界で2億3000万を超え、一時期はFAANG(Facebook、Apple、Amazon、Netflix、Google)と呼ばれるIT大手企業に並ぶ存在になっている。

  2. 日本発のコンテンツの成功

    • Netflixを通じて、日本発のアニメ(例:『鬼滅の刃』、『SPY×FAMILY』)やドラマ(例:『全裸監督』、『サンクチュアリ-聖域-』)が世界で視聴され、実写版『ONE PIECE』も大ヒットしている。

  3. Netflixの日本市場への取り組み

    • Netflixは日本市場に長期的な視点で取り組んでおり、最初は日本での認知度が低く、理解を得るのに時間がかかった。

  4. 『全裸監督』がゲームチェンジ

    • Netflixが日本の実写ドラマの可能性を広く理解されるきっかけとなったのは、『全裸監督』の成功。制作までには時間がかかったが、その後の作品の成功が続いた。

  5. 『ONE PIECE』実写版の成功

    • 実写版『ONE PIECE』はNetflix初の日米タッグ作品で、成功を収めた。日本とハリウッドの違ったアプローチが理解され、ファン層の拡大が目指された。

  6. ファンへのアプローチ

    • Netflixは『ONE PIECE』などのマンガ原作の実写化において、ファンの期待に応えるために原作のDNAを理解し、新規ファンを増やすことに注力している。

  7. Netflixのグローバルワンチームの強み:

    • Netflixは「グローバルワンチーム」であり、これが作品制作の表現の幅を大きく広げる特徴となっている。この特徴を活かして制作された『ONE PIECE』が大きな成功を収めた。

  8. 『ONE PIECE』に巨額予算が投じられた理由:

    • Netflixは日本の『ONE PIECE』のポテンシャルと歴史を理解し、グローバルワンチームの制度によりアメリカと日本の距離が近いため、制作に取り組みやすかった。Netflixは英語至上主義から才能重視に変わり、異なる言語での議論も尊重している。

  9. Netflixにおける日本のコンテンツの世界展開:

    • Netflixは8年間で『全裸監督』や『今際の国のアリス』などを通じて、日本のコンテンツが世界に通用する手応えを感じてきた。『今際の国のアリス』は特に歴史的な転換期であり、韓国発の作品も影響を与えた。

  10. 日本の製作者が変わるべき点:

    • 日本の製作者はプロデュース側が制作環境を柔軟に受け入れ、海外とのコミュニケーションを密にすることが大切。日本と海外の制作環境の違いに対応し、クリエイティブのチームワークの柔軟性を高める必要がある。

  11. ジャンルの多様性:

    • 最初はアニメや実写ドラマの恋愛エリアやSFに注力していたが、現在はほぼ全ジャンルに拡大。ヒューマンドラマやコメディ、サスペンスなどが含まれている。

  12. ベストインクラスの追求:

    • Netflixは各ジャンルでベストインクラスのコンテンツを提供したいとの意向。慎重な検証とプログラミングを通じて、ジャンルごとに優れた作品を制作することを目指す。

  13. Netflixの企業理念:

    • Netflixは単なる動画配信サービスを超え、イノベーションを起こしたエンターテインメント企業と見なされている。イノベーションを継続的に生み出せる環境と、そのための人材とアイデアを大切にしている。

  14. ミッションの強調:

    • 企業ミッションとして「entertain the world(世界を楽しくする)」を掲げ、コンテンツを通じて世界を楽しませることに焦点を当てている。

  15. ライバルとの比喩:

    • Netflixは「世界一楽しい会社」であり、ライバルとして食事を挙げる。異なるジャンルであるが、食というエンターテインメントも強力であると述べている。

  16. エンターテインメント企業としての位置づけ:

    • Netflixは「エンターテインメント」企業であり、他のメディア企業が特定の媒体や業態で自己定義するのとは異なる本質を持っている。


2、「イカゲーム」旋風をもたらしたビジネスモデルサブスク王者・ネットフリックス急成長の20年

川上 昌直 : 兵庫県立大学国際商経学部教授  2021/12/30 7:00

  1. 「イカゲーム」の成功

    • 2021年9月17日に配信された韓国発のネットフリックスドラマ「イカゲーム」は28日間で1億1100万世帯で視聴され、90以上の国と地域で視聴数1位を記録した。

    • ファン・ドンヒョク監督が企画、制作総指揮、演出を手がけ、謎の組織に招集された借金者が生死を賭けたサバイバルゲームに挑む内容。

  2. 「ネットフリックス独占配信」の特徴

    • 「イカゲーム」はネットフリックスがオリジナルコンテンツとして出資し、企画から関与した独占配信ドラマである。

    • テレビ局の制約がなく、際どい設定や殺人描写が可能。ドラマの長さもストーリーに合わせて柔軟に調整され、前回の振り返りが不要。

  3. ネットフリックスの戦略とマネタイズ

    • ネットフリックスは「定額制サブスクリプション」を導入し、DVDレンタルから始まった。ユーザーは月額料金を支払えば何本でも借り換え可能で、送料や延滞料がかからないサービスを提供。

    • 2007年にVODへ移行しても、「定額制サブスクリプション」を貫き、オリジナル作品を「ネットフリックス独占配信」として提供。これが他社に差別化をもたらし、価値創造に成功した。

    • ユーザーにとって解約や再開が容易であり、オリジナル作品の独占配信が顧客の維持と新規獲得に寄与。

    • ネットフリックスはオリジナル作品に投資し、ビッグデータでユーザーの趣向を分析して良質なコンテンツを提供し、定額制サブスクリプションを通じてユーザーを引き付ける戦略を成功させている。

    • ネットフリックスは映像の流通業から映像製作会社へと舵を切り、SPA(製造小売)モデルを進化させ、ハリウッドメジャースタジオに対抗する存在に成長。

    • 定額制サブスクリプションモデルを採用し、中毒性のある作品を提供して会員数を増やし、ユーザーの意向に沿った作品を制作。

    • ネットフリックスは営業利益率が増加し、会費の値上げを実施したことが成長の一因。

    • ネットフリックスは現在、会員向けにゲーム配信のサービスも開始し、オリジナル作品をゲーム化する可能性が高まっている。

    • 2020年までの4年間で、ネットフリックスは驚異的な成長を遂げ、売上高が88億ドルから250億ドルに増加し、営業利益率も18%に上昇。

    • ネットフリックスは1997年にDVDレンタル業界に価値観を変える影響を与え、価値獲得が価値創造に大きな影響を与えたことを示唆。


3、『SPY×FAMILY』『チェンソーマン』超有能編集者に“ヒットの法則”をきいてみた、が…

仕事公開日 2022.11.17

  1. 『ジャンプ+』の編集者である林士平さんは、『チェンソーマン』や『SPY×FAMILY』などのヒット作を手がけ、「超有能編集者」として知られている。

  2. マンガ編集者になる経緯は社会科見学のように、あまりやりたいと思っていなかったが、運の要素も大きいと語る。

  3. 林さんはヒット作の法則について、「運」が大きな要素であり、具体的な法則はないと述べている。

  4. ヒットメーカーに必要な素養は「ただただ丁寧にやること」であり、ヒット作に欠かせない要素もないと語る。

  5. 林さんは経験を積む中で、マンガやエンタメは常に変化しており、面白いと感じるものに向き合う姿勢が大切だと強調している。

  6. 作法やルールはあるが、それだけでは足りず、常に新しいアプローチや発想が必要であると述べている。

  7. ヒット作の法則を自分の中で確立しようとすると「セルフ二番煎じ」が起き、危険だと指摘している。

  8. ヒットの法則には運も大きく関わっており、林さんは運に恵まれたことを自覚している。

  9. SNSの影響についてはあまり意識せず、作品の面白さが重要であると語っている。

  10. 林さんはヒットの法則を追求するよりも、作品への純粋な楽しみと向き合い、それがヒットにつながると考えている。


4、Adoが音楽チャートを一気に占拠できた納得理由「覆面シンガー」の向こう側にあるリアリティ

スージー鈴木 : 評論家  2022/09/03 9:30

  1. ビルボードジャパンHot100ランキング (2022年8月24日付)

    • 1位: 新時代

    • 3位: 私は最強

    • 4位: 逆光

    • 5位: ウタカタララバイ

    • 6位: Tot Musica

    • 10位: 風のゆくえ

    • 12位: 世界のつづき

    • 31位: ビンクスの酒

    • これらの楽曲を歌っているのはすべてAdo

  2. Adoの特筆すべき業績

    • 上記ランキングの驚異的なチャート占拠

    • すべての楽曲に「(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」というフレーズがついている

    • 映画『ONE PIECE FILM RED』の歌姫「ウタ」が実はAdoで、これがメタ構造ヒット

  3. Adoの音楽の人気

    • サブスクリプションでの聴取が盛ん

    • ビルボードジャパンHot100のランキング内でストリーミング部門で上位

  4. Apple Musicのランキングでの記録

    • 9月1日に『新時代』が「トップ100:グローバル」で、日本の楽曲として初めて1位を獲得

  5. Adoの歌声の特徴

    • 抜群の声量があり、『世界のつづき』での堂々かつ朗々たる声が際立つ

    • ボーカリゼーション(発声)の多様さがあり、さまざまな歌い方や声の使い分けができる

    • 作詞作曲はAdoではなく、気鋭の音楽家が手がけている

  6. 環境変化と覆面シンガー

    • Adoは「覆面シンガー」として知られており、昨年の『踊』でボーカリストとしての真価に気づかれた

    • 今年4月4日にはライブで「顔出し」をした報道がある。

  7. マクロ環境変化と覆面シンガーの背景

    • 音楽市場におけるマクロ環境変化:署名性メディアから匿名性メディアへの移行、リアルメディアからリアリティメディアへの変化

    • テレビ時代とネット時代におけるエンターテインメント市場の変遷

    • Adoが「覆面シンガー」として脚光を浴びる中での音楽市場の変革

  8. 音楽市場への影響とAdoの成功要因

    • テレビ時代とネット時代でのアーティスト選出の違い

    • Adoの直接民主制トーナメントでの成功:中学2年生からの活動、歌声の圧倒的な力

  9. Adoのリアリティと成功の理由

    • リアリティを感じさせる「覆面シンガー」としてのAdo

    • ネット時代の健全な市場進出:参入障壁の低さ

  10. Adoの音楽的魅力

    • Adoの歌声の特徴:抜群の声量、ボーカリゼーションの多様さ

  11. ネット時代の良さとAdoに対する期待

    • 音楽市場の変遷におけるネット時代の健全さ

    • 80年代後半におけるネットの有無での音楽家の選抜過程の違い


5、エイベックスは「全盛期の輝き」をどう取り戻すか黒岩社長を直撃「世界で戦えるIPを全力で育成」

髙岡 健太 長瀧 菜摘 : 東洋経済 記者 2022/07/19 5:00

  1. 7人組のヒップホップ・R&Bガールズグループ「XG」がエイベックスによって手がけられ、世界的ヒットを記録している。

  2. エイベックスは日本のエンタメ企業で、安室奈美恵や浜崎あゆみなどの大ヒットアーティストを輩出し、1990~2000年代に隆盛を極めたが、その後存在感が薄まったとされている。

  3. 2022年5月にエイベックスは中期経営計画を発表し、主要施策として「連続性のある自社IP(アーティストなどの知的財産)開発」を掲げている。

  4. エイベックスは過去の成功に頼るのではなく、新しいサイクルを作り出す必要があり、コロナ禍での課題に対処するために「IP×グローバル×テクノロジー」が重要と考えている。

  5. 会社は、今まで以上に高いレベルでの新人アーティストの発掘・育成に注力し、音楽性、感性、カルチャーなどを兼ね備えたアーティストを育て、世界市場に打って出る意欲を示している。

  6. エイベックスは若い才能に対して国際的な環境を提供し、競争の原理を活かしてプロの世界で成功するための機会を提供している。

  7. プロジェクトとして進行中の「XGALX(エックスギャラックス)」は、今後5年以内にXG以外の複数のグループやアーティストを輩出する計画で、育成プロセスは「韓国式」に焦点を当てている。

  8. "韓国式"のアーティスト育成は厳しく、ボイストレーニングやダンスのスタイルが異なり、喉で歌い、フリースタイルのダンスが好まれる。

  9. エイベックスは韓国のアーティスト育成において韓国の要素を取り入れつつ、日本的なオリジナリティを持ったアーティスト・作品を目指している。

  10. BTS(防弾少年団)のHYBE社(旧ビッグヒットエンターテインメント)の成功を参考にし、期待値を高めることが重要であると認識している。

  11. エイベックスは音楽市場での競争が激化している中、自社のDNAが他社と異なるため、独自のアプローチで成功を目指しており、これには韓国の事務所との競争も含まれている。

  12. 2022年5月の中期経営計画では、IP創出のために250億円を投じ、新人アーティストの発掘・育成に資金を充てるだけでなく、デジタル映像やテクノロジーの活用、現地でのマネジメント強化などにも投資する方針を掲げている。

  13. 松浦勝人会長の女性蔑視発言については問題視されており、今後の経営体制については、創業者としての松浦の存在は永続するものの、経営の中心は既に現場の責任者に移行しており、各社員が主体的にプロジェクトを進める組織を目指している。


6、「アイドルの年齢2倍の法則」とは? 田端信太郎がビジネス視点で語るアイドル論

ライフスタイル公開日 2019.02.19

  1. 取材対象はビジネスパーソンの田端信太郎さんで、彼がアイドルについて語る。

  2. アイドルから学ぶべき仕事論に焦点があり、アイドルは最強の「ブランド人」であるとの考えが示される。

  3. ハロプロ(ハロー!プロジェクト)に興味を持っている田端さんが、モーニング娘。にハマり、コンサートにも参加している。

  4. アイドルグループの個人と組織のバランスについて、サッカーチームのような組織であるとの視点が示される。

  5. メンバーごとの役割や特徴が述べられ、アイドルグループの成功には個性の調和が重要であると強調される。

  6. 譜久村聖をアイドルグループの最強リーダーとして称賛し、彼女の臨機応変な判断についてのエピソードが紹介される。

  7. アイドルの年齢2倍の法則により、彼らが置かれている状況をビジネスパーソンと比較しやすくなるとの提案がある。

  8. アイドルグループの組織の強さと層の厚さに触れ、年齢による組織の新陳代謝がアイドルグループの成功に寄与しているとの意見が述べられる。

  9. アイドルの「折れないメンタリティ」についての議論があり、努力の結果よりもアウトプットを重視するスタンスが示される。

  10. 鈴木愛理が安室奈美恵の後継者になれる存在として挙げられ、その才能や努力に対する評価が述べられる。

  11. 最後に、企業とアイドルグループには受け継がれる風土があり、両者の成功には共通点があると締めくくられる。

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