滑稽だと思ってしまった私が悪いのです。
朝、8時半ごろ。
娘たちを保育園に送り、会社へと出勤途中のお話。
*
曇天の寒々しい天気なか「さみーさみー」と心でいいながら、チャリンコをゆっくりこいでいた。すると後方からガチャガチャとした若者3人組がチャリンコで私を追い越していった。
彼らは、勢いそのままに颯爽と私を追い越して行った。ちょうど追い越されたとき、3人組の2番手を走るテロテロの白ダウン着たモッサリとした黒髪の男子が何か宣言していた。
それは、彼が1番手を追っかけるために、自らのチャリンコを立ちこぎしてスピードアップしたときだった。
真っ白な曇り空、冬の終わりかけ漂う朝の空気には、不適切な音量とセリフに一瞬、呆気に取られた。
そして、思った。
と。。。
*
わかっている。
あの若者は何にも悪くない。
悪いのは、こんなことを思ってしまう私だ。
そんなことはわかっている。
しかし、思ってしまったのだ。
働く奴はそんなこと言わない。。。
思っていても、表に出さない。。。
と。
・・・
*
はからずも、前途ある若者に朝からレッテルをペタリと貼ってしまった。もちろん、私にそんな権利はない。
人にレッテルを貼るなんて、なんと傲慢なことか。
しかし、貼ってしまった。
いとも簡単にペタリとな。
***
オチも学びもクソもない。
たったそれだけの話をnoteに書いてみた。
さて、ここからどう展開するのか。
うーむ。
悩みどころである。
これだけで終わってもいいんだ。
けど、せっかくだし考えてみよう。
なぜ、私は、彼のことを働かなさそうだと思ってしまったのだろうか。朝から大きな声で元気よく宣言しているにもかかわらず、なぜこんなにも彼の宣言に信憑性がないかのか。
私の主観でそのように判断してしまった理由は、いったい何か。ただ単に、朝からうるさいのう、と思ってしまっただけではないはずだ。
なぜだろう。。。
うーむ。
テロテロ白ダウンを着ていたからか。
違う。
ぼさっとした髪型だったからか。
違う。
3人組の1人として見たときに、滑稽だったからか。
それだ。
滑稽さを感じてしまったからだ。
3人のうちの1人としてみたときに、あの景色が私の目にはどこか滑稽にうつってしまったのだ。
先頭の彼は、身なりを整えていた。3番目の彼は、前方の二人にわざわざ着いていく様子もなく、マイペースな車間距離をとっていた。
2番目はどうか。
宣言するタイミング。
急に大きな声を出すタイミング。
加えて、白のテロテロダウン。
全てが自分基準での発信に見えたんだ。
追っかけるために、チャリを立ち漕ぎする様。
スピードを上げた勢いにまかせて宣言した様。
前ジッパー全開の白のテロテロダウンが風ではためく様。
からのセリフのチョイスまで。
あの一瞬の景色に滑稽が濃縮還元されていたのだ。
・・・
うむ。
こう考えると、レッテルを貼るのも不可避だったのかもしれない。
・こぼれ話
最後までお読みいただき、ありがとうございます!サポートしていただいたお金はビールかスーパーカップかおむつ代に使わせていただきます。 これからもゆるく頑張らせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。