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正しく事実を受け止めよう【FACT FULNESS】

こんにちは。授業がしたくて、したくてたまらないやうたです。(授業がしたいというよりは、子どもとつながりたいっていう感じかな)

さて、今日は「FACT FULNESS」という本を読んでみました。去年話題になった本なので皆さんご存知だと思います。

学校でよく生徒に対して言う言葉の1つ。

「あいつらは常識知らんからな〜」

そんなとき僕は「いやいやそう言ってるあなたも常識しらんやん。」と思ってしまいます。世間一般から見ると、教師も「常識知らず」とされることが多いですよね。そんな中でも、僕はまだマシな常識を持っていると思っていましたが、どうやら違ったようです(笑)

まず冒頭に、世界の常識を問う13個の質問がありました。1つ例にとってみましょう。

世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょうか?
A 約2倍になった
B あまり変わっていない
C 半分になった

正解は「C」の「半分になった」です。単純な3択なので目を瞑って選べば、33%の人が正解できるはずの問題ですが、世界の正解率は平均で7%でした。正しく答えられたのは10人に1人もいないんですよね。あなたはどうでしたか?

僕は間違えました(笑)13問中たぶんあったのは2.3問ぐらいだったかな。。。
世界は僕たちが思っているよりもはるかに良くなっているんです。

筆者は言います。「思い込みによって、世界を正しく捉えられていない」と。僕たちは、物事をあるフィルターを通して見ています。そのフィルターがないと非常に生き辛い。

なにかあったら、誰かのせいにしたいし、当事者と自分は違うと思いたい。入ってくる情報に対して、悪い大きなニュースに敏感になったり、今すぐ行動しないと間に合わないと迫ったりする。それらは本能的なもので、下の図がわかりやすくまとまっていると思います。


例えば、今コロナが大流行しており、終息の目処が全く立っていない。コロナの流行を誰かのせいにしたくなる気持ちはめちゃくちゃよくわかる。なんでコロナが生じたのか、なんで広まったのか、なんでマスク2枚配布なんだよ、とか。それは「犯人探し本能」が働いている結果だと言える。

おかしなことに声を上げることは大事だが、誰かを責めても何も解決しない。1人1人に責任があるからだ。自分にできることを、感染を広げないためにできる小さなことをしていくしかない。

政府に責任がないとは言っていない。僕も「ちゃんとしろよっ!」て言いたい。政府がお金を出して、外出するなと言ってくれれば早いんだから。でも、現状それが叶わないなら、やっぱり僕らの意識一つで変わるものもあると思う。

筆者は、エボラが流行した時にそれを食い止めるためにリベリアにいた。エボラに打ち勝てた理由を次のように語っている。

死に至るエボラウィルスとの戦いに勝てたのは、強いリーダーのおかげではないし、国境なき医師団やユニセフといった有名な組織のおかげでもない。名もなき普通の政府の職員や地元の医療スタッフが、地域活動を通して、いにしえからの葬儀の風習をほんの数日で変えさせたからだ。彼らが命を賭けて死にかけた患者を治療したからだ。面倒で危険で細かい作業を通して、エボラ患者と接触した人たちを突き止め隔離したからだ。社会を機能させている、勇敢で辛抱強い人たちが注目されることはめったにない。でも、本当の救世主はそんな人たちだ。

現在の状況では、1人1人が救世主たり得る。本能のまま動くのではなくて、正しい知識をもとに事実を受け止められるようになっていきたいなと思う1冊だった。

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