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詩集・現代詩文庫・詩誌の感想

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好きな詩集の感想を書いていきます。
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#詩

必読「現代詩文庫・高橋順子 詩集」

必読「現代詩文庫・高橋順子 詩集」

『感想』

目に見えない秩序は崩れて初めて秩序だったことを知る。私たちはどれほどの秩序を築きあげて暮らしているのか。淡々と交わされる会話。会話文の連続に時間的な繋がりはなく、何らかの認識によって私たちは理解ができるようになっている。息苦しさも何もなかったことと同じ。裂け目がやってくるのは目が向いてる方向からなのだろうか。

今回の詩「湯飲み茶碗」

感謝感謝。

詩集感想「たましいの移動」(國松絵梨)

詩集感想「たましいの移動」(國松絵梨)

『感想』

ことばを信じるすぎている私たち。リフレインとループを巧みに使い、ことばで表現できないものを掴もうとする。ことばがあるから独りじゃないのか。ことばがあるから独りなのか。答えを探して宙を見つめる目線はいつも泳いでいる。その目線の始点が心から発せられていることに誰もが疑いもしていない。

今回の詩「レモンサワー日和」

感謝感謝。

詩集感想「冬の森番」(青野暦)

詩集感想「冬の森番」(青野暦)

『感想』

詩の一行一行が順番を追って進んでいく。あたかも生活のひとつひとつの動作が進んでいくことを真似ているかのように。だが詩人はその隙間に破れ目を見つけだし言葉にしようとする。見つからない言葉。ラストに重なる動作のくり返し。文章の流れと思考の流れの裂け目を繋ぎ合わせた時、生活に訪れるものとは?

今回の詩「生活」

感謝感謝。

詩誌感想「poetry 2019」

詩誌感想「poetry 2019」

今回は詩誌「poetry 2019」から「柳本々々」さんの『あたたかい眼鏡』の感想を書いてみました。

柳本々々さんは現代詩手帖賞を受賞されている方です。この方の詩との出会いがあったから私ほ今詩を書いている、と言っても過言ではないくらいに影響されていますし、とにかく大好きな詩人さんの一人です。(詩の教室の後に居酒屋に一緒に行ったことがあります)

独特の言葉の使い方と言い回しにユーモア。文章の新規

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必読「現代詩文庫・続続・吉原幸子 詩集」

必読「現代詩文庫・続続・吉原幸子 詩集」

今回は現代詩文庫「続続・吉原幸子詩集」より『路線』の感想を書いてみました。

とても好きな詩です。当たり前の光景、よくある光景をまるで違ったように見せてくれる、気がつかせてくれる詩だと思います。

詩の構成もお手本のように綺麗。今日、自分の生活でも何か一つ、こんな発想が日常のなかから見つかれば良いと思います。

感想詳細メモ↓

必読「現代詩文庫・松下育男 詩集」

必読「現代詩文庫・松下育男 詩集」

今回は現代詩文庫「松下育男 詩集」より『歯止め』の感想を書いてみました。

やっぱり詩の横浜教室のメンバーとして、まず初回はこの方ですね。

改めて気がついたのですが、もしかして「歯止め」=「改行」ということはないでしょうか。改行があるから感情表現などができる。「改行」の果たす役割が暗に語られている、はちょっとこじつけが過ぎるかもしれませんね。

感想のポイント
・改行が表現しているもの
・まずは

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歌集感想「光と私語」(吉田恭大)

歌集感想「光と私語」(吉田恭大)

今回は歌集「光と私語」から好きな歌を取り上げて簡単な感想を書いてみたいと思います。

(感想と言いながら、結局どういう風にしたらこういうものが書けるのか、というものになってしまいました)

「笑わなくてもあかるく、そして、地下鉄の新しい乗り入れの始まり」

いいですね。何がどう良いのかよくわからないけれど、とにかく良いです。

こういう歌の作り方はよく知らないけれど、先に思いついたフレーズをまず決

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