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記事一覧
生きてるだけで偉い #15
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生きてるだけで偉い
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生きてるだけで偉い。
〜葉月‼️久しぶり‼️〜
〜ゆき?なんで??〜
〜逢いに来ちゃった〜
〜なんで急にいなくなったの?なんで教えてくれなかったの?なんで、ねぇなんで‼️〜
〜ごめんね。葉月に迷惑かけたくなかったの。私のせいで葉月を困らせたくなかったの。どこか遠慮してたみたい。そんな
生きてるだけで偉い #14
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生きてるだけで偉い
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一回忌念
翌日、ゆきが亡くなって1年が経つ日のこと。晶から〈おはよー〉とスタンプが来る。
〈スマホ、復活したんだね。〉
〈そうなんだよぉ。〉
〈昨日、あの後大丈夫だった?〉
〈まあ、なんとか…〉
〈私も昨日は大丈夫だったよ。〉
〈そっか、なら良かった。〉
〈まあ、今朝泣いたけどね笑
生きてるだけで偉い #13
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生きてるだけで偉い
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会いたくて会いたくて
夏休みの後半に差し掛かって来ても晶からの連絡は無い。私は晶と一緒に見に行こうとしてた映画を1人で見に行くことに決めた。記憶障害を持つ少女とそれに寄り添いながらも自分自身の問題を隠し続ける少年の話。映画化をすることが決まったと同時に原作を買って、面白かったからって
生きてるだけで偉い #12
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生きてるだけで偉い
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ありがとうを伝えたくて。
晶と付き合い始めて、1ヶ月経った日のこと。私は晶を映画に誘った。その映画は幼馴染の男女が離れ離れになり、同窓会で再会する時に女性が余命宣告をされていることを知るという恋愛映画だった。2人の男女が淡く儚い恋に落ちていく。終盤になると私の目は潤んでいた。泣きそう
生きてるだけで偉い #11
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生きてるだけで偉い
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ただそれだけ
翌日、サムに私から晶と付き合うことになった経緯を告げた。サムは驚くように私の方を見て『そっか、おめでと』と呟いた。私は『ありがと』だけ言った。言ったあと、頭の中で自分が言葉にした『ありがと』が繰り返し再生された。
この言葉は誰に向けた『ありがと』なのか。晶なのか。サム
生きてるだけで偉い #10
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生きてるだけで偉い
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ふたりきり
映画、当日。サムから電話がかかってきた。
「もしもし、葉月?」
「んー?どうかした?」
「あのさ、葉月の彼女さんと同じことになっちゃった…」
「え?どーゆー意味?」
「いや、だから。熱出して行けなくなちゃった。ほんとごめん🙇♂️」
「え?ってことは晶と二人っきりって
生きてるだけで偉い #9
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生きてるだけで偉い
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秘密
『あのさ俺も話していい?秘密』
そう言って晶は自分のこと、今までのこと、恋愛のことを全て話した。
『実はさ、俺。ばあちゃんと二人暮しなんだよね。いや、これにもさ。事情があって、俺小学校の頃に両親が離婚して。母さんと一緒に暮らしてたんだけど、母さんが1年前ぐらいに乳がんで死ん
生きてるだけで偉い #8
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生きてるだけで偉い
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勇気をだして
『まだまだ若いんだからこれからだよってさ。人間いつ死ぬかわかんないのに無責任な言い方じゃない?』
『確かに、そうだな。年上だからってさ、そうやって決めつけるのは良くないよな』
『でしょー?やっぱり晶ならわかってくれると思ったわ』
出会ってから2週間が経ち、私は彼のこと
生きてるだけで偉い #7
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生きてるだけで偉い
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いちばん。
ゆきの言葉を握りしめながら、私はゆきの役に立てていたんだろうかと考えた。あの時、私がゆきの隣にいたら変わってたんじゃないかって。そう思うと、なんで自分は生きているんだと考えてしまう。誰かの力になりたいのに、大切で大好きなゆきの力に、支えになりたいのになんで教えてくれなかっ
生きてるだけで偉い #6
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生きてるだけで偉い
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失わない思い出
ゆきが亡くなって4ヶ月経ったある日のこと。
「ゆきに逢いに来てほしい」と1件の着信があった。荷物を送ったり、たまに手紙を書いたりしていたことから居場所は把握していた。【宮崎】という表札を見つけ、インターホンを鳴らすとゆきのお母さんが出た。
『葉月ちゃん、来てくれて
生きてるだけで偉い #5
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生きてるだけで偉い
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さよならの意味を教えて
ゆきと付き合い初め、1度も会わないまま高校生活2度目の夏を迎えた。ゆきとも2度目の夏、恋人としては初めての夏だ。あれから私たちは電話を繰り返し、絶対会おうね。大好きだよ。と言っている。時にはテレビ電話をしたり、電話をしながら寝過ごしたり。ゆきと1分1秒でも一緒
生きてるだけで偉い #4
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生きてるだけで偉い
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2回の偶然と1回の必然
サムに言われて、ゆきに恋してると気付いた1週間後。私は思い切って送ってみた。すると、
〈私も〉
と返事が来た。私は疑うように、私のことなのか。ゆきが好きなSpace Manの深町くんなのか、問いかけた。ゆきは〈どっちも〉と返事をし、〈でも…〉と続けた。
生きてるだけで偉い #3
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生きてるだけで偉い
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どんなときもずっと
『葉月って帰りどっち?』
『私、中野の方面』
『あ!俺一緒だ。一緒帰ろ』
初めての部活が終わったあと、私はサムに誘われて一緒に帰った。それから、サムとは定期的に帰るようになった。部活に入部して1ヶ月ぐらいが経った日のこと。話が絶えない中、突然サムがこんなことを言
生きてるだけで偉い #2
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生きてるだけで偉い
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初恋は気まぐれで
高校1年生の6月。
小学校の頃にいじめを経験し中学になっても心のどこかでいじめを引きづってた私は、高校になり生まれ変わろうとした。趣味も性格も合わないような人と親しくなり、一緒にいることにしていた。でも、どのグループも自分に合わず結果入学して2ヶ月。私はクラスで孤立