わたし。あなた。生きて。人生にあるとよいもの。映画『家(うち)へ帰ろう』監督・脚本:パブロ・ソラルス アルゼンチンからポーランドへ
※ネタバレを含みます。
窓の外に、月が見える。三日月より少し大きい。
それで、以前見たこの映画を思い出した。感想を書こうかと思ったものの、そのままになっていた。
ガラス窓の向こうに見た、あなた、の瞳。
私、生きていてよかった、って、思ったんだ。
アブラハム氏は88歳。孫たちの中では“自分の事を好きではない”“最も賢い”孫娘の事を気に入っている。
「我々次第でないもの」。老人施設へ“入れられる”事も。そう、だろうか?
彼は、そうは考えなかった。
右脚よ。アルゼンチンからポーランドへの旅を開始する。
彼は窮地より、助けられた。
まるで「天使」のように現れる女性たち。
天使は、歌をうたい、旅の資金をあたえ、彼の目の前に道をつくる。“祖国のない”老人を故郷へと運んでいく。
その。優しさ、情熱、誠実さ、に触れ。
アブラハムはゆるす。
神さま。聡明で可愛い妹を、助けてほしかった。
神はひとり。
神が、彼自身が、ゆるされる時は、訪れる。
たった今、すぐ、そばに。
愛しくて、涙が溢れてくる。
彼の人生が、私の人生ではない、とは言い切れない。
アブラハムは88歳。
私は48年後、旅に出る必要がある!準備をしよう。頑張れるだろうか?
これを書いていると、ドビュッシーの『月の光』。
素晴らしく、美しい夜。友人との、約束。
彼の、名前。
ピョトレク。
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