対話5/”尊敬する/尊重する”ってどういうこと?
※本記事は対話形式で進んでいきます。
※イ=イト吉、与=与多朗の発話です。
※連想があればぜひコメント下さい!
与:イト吉って、僕のこと尊敬してる?
イ:尊敬?うん。してるつもりだけど。
与:なんか「彼/彼女を尊敬してます!」っていう人の感じがあんまり好きじゃないんだよね。僕は、イト吉のことを尊敬してる感覚はあんまなくて。
イ:尊敬してくれよ。笑
与:いや!尊敬はしてて。ただ、”尊敬してる”って感覚がないみたいな。
イ:謎かけ?どういうこと?
与:なんか、一緒にいるベースとして、尊敬は前提にある感じなんだよね。
敢えて「尊敬してます!」って表明する感じじゃなくて、そもそも関係の根本に尊敬があるみたいな。
当たり前じゃない?って思うっていうか…。
イ:ああ、わかるような、わからんような…。敢えて強調するのは変じゃない?ってこと?
与:そう。なんか、世のカップルで「自分にはない力があるとこを尊敬してます」って言う人が多い気がするんだけど、能力的な面を尊敬しがちじゃないかなって。
イ:う〜ん、まあ。自分には無い力があって素敵と思うのは分かる気もするけど…。
与:まあそうなんだけど。なんか、能力面じゃなくて、もっと大前提に”尊敬”があるもんじゃね?って。
イ:あー。与多朗君が言いたいのは、能力じゃなくて相手の存在ごと尊敬できるか?みたいなこと?
与:そう!能力より、その人自身を尊敬しろよって思っちゃう、みたいな。個人的に思うんだけどさ、日本人の”尊敬”と外国人の”リスペクト”って、ちょっと感覚違う気がするんだよね。
イ:というと?
与:なんか、日本人はさっき言ったみたいに、”優れた能力に対して尊敬する”ってイメージ。でも、外国人はもっと”その人全体をリスペクトして接する”みたいなイメージがある。
イ:”外国人”って広すぎる感じはするけど…。
それでいうと、日本語の”尊敬”って、下から上のニュアンスで使われやすい気はするな。
「先輩のここ尊敬してます!」とか「社長のここ尊敬してます!」みたいな。
「部下のここを尊敬してます」って日本語としてちょっと違和感ない?
与:あるわ。言われたことないし。笑
イ:日本語の”尊敬”は文化的に上下関係のニュアンスを含んじゃってて、”尊敬してます”って言葉は営業的なお世辞に使われ易いのかなと思う。英語の方が対等で相互的なイメージはあるなぁ。
与:そうそう!英語の”リスペクト”だと、”横の関係”って感じがするんだよね。
僕はその方が心地よいというか。それでいうと、部下のことを尊敬できる人って、結構いい感じなのかな?
イ:たしかに。目下の人を尊敬できる人って人格者っぽい。目下の立場(部下)×目上に使う言葉(尊敬)で、相殺されて対等になる感じもするな。
与:あと、それで思ったんだけど、本物の尊敬って、尊重を兼ねてるんじゃないかな?
イ:”尊敬”と”尊重”って違うの?
与:えっと…。ちょっとまって、一回辞書ひいてみる。
イ:おう。
与:ああ。”リスペクト(respect)”を和訳すると、”尊敬”と”尊重”の両方が書かれてる。
イ:ほうほう。じゃあ、おんなじ意味を持ってるのか。
与:僕が思うのが、尊重は尊敬の上に成り立つんじゃないかっていう仮説。
尊重するためには、尊敬がベースにないといけない、みたいな。
”リスペクト”は尊敬だけじゃなくて、かつ尊重もできてる状態を意味してるんじゃないかなって思うんだよね。
イ:お〜〜、わかるかも!
相手を尊重するためには、前提として尊敬がないと難しい、って感じね。
与:僕の違和感ってそれだったのかも!!
外国人の言うリスペクトは、尊敬もしているし、尊重もできている感じで、
日本人の言う尊敬は、相手に対する能力に対してで、尊重という感じではないことが多い気がするんだよね。
イ:図を見てて思ったんだけど、私、”尊重”っていう時は、絶対何かの行為を伴う気がして。”尊重した”で終わりじゃなくて、”相手を尊重して○○する”って絶対続いてるというか。尊敬は”尊敬する”で完結して、行為までには至らない感じ。
与:確かに、そんな感じはするわ!
「相手を尊重しています」って言われると、
「何かそういう行動してるんかな?」って思うよね。
尊敬は、確かに頭の中で思ってるだけかも。
イ:相手を尊重するためには、尊敬が必要だとして…。どうしたら、他者に対して尊敬を持てるようになると思う?
与:尊敬を持てるようになるためには、まず自分を自分で尊敬できてないとダメでしょ!
自尊感情って言葉があるけど、それがベースにあることが超重要な気がする。
イ:ああ、それはそうかも。じゃあ、自尊感情を高めるには?
与:親子関係かなぁ。誰かに尊敬されないと、自尊感情なんて芽生えないと思うし。
一番身近な他人って親だから、まずは親に尊敬される必要がある?
イ:「親に尊敬される」って、やっぱすごい違和感あるな。笑
与:日本語の業やな。でも必要なことじゃない?
イ:そうね。それでいうと、誰かに尊重された時って、相手のベースに尊敬があると感じられるものなんじゃない?
尊重されてるって感じられた体験を通して、自尊感情が育っていく。
与:おおお。そうなると、あれだな。
親が子供を尊重したら、親から尊敬されてるように感じられる??
イ:かも。親子関係がベースにはなると思うけど、親以外の人からでも、たくさん尊重された経験が、土台になる”尊敬”を育てていくんじゃないかなあ。
与:尊重された人は尊敬が育って、誰かを尊重できるようになるのかも。
ってことは、誰かを尊重して行動できる人が増えてったらいいのかもしらん。
イ:まあ、まずは私のことを尊重してくれな。
与:してるやん。
アゴラの鐘『カンカンカン!今日は終了のお時間で〜す』
本日の対話はいかがでしたか?
”尊重”と”尊敬”の違い、共通点など、
思いつくことがあれば是非コメントお願いします!
思い出したエピソードなど、どんな発言でも構いません。
みなさまとの対話を心待ちにしています。
それでは、また〜
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