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サッカーを学ぶ

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サッカーについて考察しております。主に統計的手法。そして、法学・社会学的手法を用いております。また、ゲーム理論を用いた分析もいずれは行いたいと思います。
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2024年7月の記事一覧

「なでしこ負けた」場合のシミュレーションー3位通過できるか。

「なでしこ負けた」場合のシミュレーションー3位通過できるか。

上記に、アメリカ戦の分析も書きましたので、ぜひ読んでください。

前回は、なでしこがナイジェリア戦を勝つ、引分ける場合をシュミレーションした。メディアでも報じられているように、引き分け以上で予選突破が決まる。上図の左半分である。

今日は、日本が負けた場合に予選突破できるかをシミュレーションしたい。上の図の右側である。

以下ややこしい議論になるので、ざっくり言うと、ナイジェリア戦1点差の負けなら

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「なでしこ」予選突破全シナリオー2位なら3位で突破せよ。アメリカとは絶対当たるな。

「なでしこ」予選突破全シナリオー2位なら3位で突破せよ。アメリカとは絶対当たるな。

上記がなでしこジャパン、第3戦シミュレーションである。カッコ内は、それぞれの最終的勝点である。勝点の並びは、(スペイン、日本、ブラジル、ナイジェリア)である。報道されているように、日本は引分以上なら決勝トーナメント進出が決まる。この図の左上が、日本が勝った場合、左下が引分場合、右上が負けた場合である。

以下、この記事を読むに当たっては、上の記事を読んでもらい、アメリカ代表が、圧倒的に強いという事

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アメリカとは絶対当たるな。ーなでしこの葛藤、2位ではなく、3位通過を狙うべきだ。1位でも良いが。

アメリカとは絶対当たるな。ーなでしこの葛藤、2位ではなく、3位通過を狙うべきだ。1位でも良いが。

なぜ、2位通過はダメか。単純である。2位通過をすると、おそらく、B組1位のアメリカと当たるからである。下の表を見てほしい。これが、何の表か分かるだろうか。

分かった人は、すごい。そう、アメリカ女子サッカー代表のワールドカップ、オリンピックでの成績である。そして、瞠目すべきは、

アメリカは、ワールドカップで優勝できなかった、次の年のオリンピックでは、必ず優勝しているのである。

それを今年に当て

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五輪サッカー代表の1位突破のシミュレーション、順位表を見える化するー「1位突破ためのホライゾン」

五輪サッカー代表の1位突破のシミュレーション、順位表を見える化するー「1位突破ためのホライゾン」

「五輪サッカー日本代表」の予選リーグのシミュレーションしたのが、上の図である。
「星」が、それぞれのチームが予選を突破するする可能性の勝点を表している。ここでは、現実的シミュレーションとして、日本の予選突破が決まったものとする。

見てもらって分かるように、第3戦目に置いて、主導権を握っているのが、パラグアイである。「パラグアイ対マリの結果」によって、その他のチームが影響をいける。パラグアイの勝敗

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「星勘定」のためのツールー予選リーグ突破をシミュレーションする。「突破のホライゾン」

「星勘定」のためのツールー予選リーグ突破をシミュレーションする。「突破のホライゾン」

いよいよオリンピックだ。

様々な競技で予選リーグが始まるが、予選リーグの「星勘定」を行いたいとき、色々なパターンがあって、頭が混乱することがあるかもしれない。

そんなとき、あらゆるシチュエーションを一つのグラフにまとめられるとしたら、どうであろうか。私が使っているモデルをぜひ皆様に紹介したい。
「突破のためのホライゾン」というものである。

ここでは、近年で、最も思いだすことができるスポーツ・

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真の「攻撃力」、「守備力」を数値化する。ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

真の「攻撃力」、「守備力」を数値化する。ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

この記事では、従来の順位表の「得点数」、「失点数」「得失点差」からは分からない、そのチームの真の「攻撃力(得点力)」、「守備力(失点力)」を導き出し、「勝負強さ」というものを数値化したい。

下記は、J1リーグ第22節時点の順位表である。
勝点、得点、失点、得失点を抜き出したものである。
さて、この表から何が言えるだろうか。一番、疑問に思うのが、私がハイライトしたところであろう。

「得失点差」と

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得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる

得失点差だけで順位を導き出す方法ーサッカーは勝点1から始まる

得失点差とは何か?
説明するのは、簡単ではある。
全試合の全得点から全失点を引いたものである。

さて、ここからが問題である。
下表は、J1リーグ第21節の得失点差のみの順位表である。
ここでは、チーム名の入っていない「戦績表」が与えらえ、そこから「得点」、「失点」を計算するとする。議論をシンプルにするため、得失点差がプラスの9チームを挙げる。

ここで、「あれっ」思うのは、必ずしも得失点差が大き

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「引分の磁力」(「勝点1の磁力」)ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

「引分の磁力」(「勝点1の磁力」)ーサッカーは勝点1から始まるゲーム

前回は、広島が中位に甘んじているのは、引き分けが多いからではなく、勝ちが少ないからである、と言うことを「宇宙人の順位表」を用いて、説明した。そこで、改めて気づいたのは、引き分け試合というのがかなりの頻度で起こっていると言うことである。下の表は、「人間の順位表」である。

なんと、引き分け試合の割合はリーグ平均29%である。例えば、20チームのリーグでは、毎節10試合行われるが、その3試合が引き分け

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「引き分けO.K.」は何がO.K.なの?人間のバイアスを解くーサッカーは勝点1から始まるゲーム

「引き分けO.K.」は何がO.K.なの?人間のバイアスを解くーサッカーは勝点1から始まるゲーム

さて、前回の記事では、「直接対決の重要性」と「シックス・ポインター」の重要性を検討した。
今回は、「宇宙人の順位表」から分かる。最も、明白にして重要なことを指摘したい。

それは、当り前の話ではあるが、「勝てば勝つほど順位は上がる、負ければ負けるほど、順位が下がる」といことである。
我々は、勝点というものに慣れすぎて、まず勝点に目が行ってしまうのではないだろうか。ともすれば、勝点しか載せていない順

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「直接対決の重要性」「6ポインター」とはーサッカーは勝点1から始まるゲーム

「直接対決の重要性」「6ポインター」とはーサッカーは勝点1から始まるゲーム

さて、前回では「お小遣い1の仮説」と「宇宙人の順位表」という概念を説明した。ここでは、「直接対決の重要性」「6ポインター」とは何か、ということを「宇宙人の順位表」を用いて示したい。
これにより、分かったつもりでいた「直接対決の重要性」「6ポインター」というものがよりDeepに分かると思う。

さて、「宇宙人の順位表」とは何か。
宇宙人は、長年の観察により、サッカーというゲーム、そして、リーグ戦とい

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