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【腸活実践コラム】 (6)便秘の子供の管理における繊維の役割

数回に分けて、「健康と病気の子供のための食物繊維の利点」という文献についてお届けしています。今回は下記の続きです。単体でも読めるものです。

世界消化器病学会およびNational Institute for Health and Care Excellence(英国国立医療技術評価機構)は、機能性便秘の管理には、緩下剤および行動的介入と併用して、全繊維食品を中心に毎日の繊維消費量を(数週間かけて)徐々に増やすよう促すことを推奨しています。

欧州小児消化器・肝臓・栄養学会(ESPGHAN)/北米小児消化器・肝臓・栄養学会(NASPGHAN)の勧告では、機能性便秘を有する小児に対して通常の食物繊維摂取を推奨しているが、これらの小児にとって最も有益と考えられる繊維の種類または源に関する特定の指針は得られていません。さらに、小児におけるこの障害の機能的要素に対処するという観点から有益と思われる繊維の種類に関する体系的なデータも不足しています。

機能性便秘の子供690人を対象とした10の研究のメタ分析と、子供80人を対象としたさらなるフォローアップ研究では、プレバイオティクスを含むまたは含まない7種類の食物繊維混合物の効果を、プラセボまたは対照治療と比較して評価しています。

これらの研究で使用された繊維の種類は、おそらく便秘の解消に最も効果があると思われるもの(すなわち、難消化性繊維)を反映していなかったが、多くのプレバイオティクス繊維の組み合わせは有望な結果をもたらした。

しかし、小児便秘の治療における食物繊維補給の役割は依然として不明であり、これらの小児にとって最も有益な食物繊維源および1日の総食物繊維摂取量の割合をより明確にするために、さらによく設計された高品質の無作為化対照試験が必要です。このような試験から得られるデータが得られるまでは、食事介入のみを小児の慢性便秘に対する単独または第一選択の治療法として使用すべきではないと思われます。しかし、通常の食事で食物繊維の摂取を確保することが望まれます。

Hojsak I, Benninga MA, Hauser B, et al. Benefits of dietary fibre for children in health and disease. Archives of Disease in Childhood 2022;107:973-979.

BMJ

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