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漫画キングダムから学ぶ会社経営 #12:チーム制組織構造の強み

本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス(特に経営)での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。

今回のテーマは「組織構造」についてです。

一般的なビジネスマンだとあまり深く考えないかもしれませんが、会社や組織、国を運営及び経営するにあたり重要な骨格となるのは組織構造です。

従来の会社の組織構造モデルには大きく分けて、機能別組織と事業部制組織があります。機能別組織とは製造、販売、経理、総務、購買など、担当する機能ごとに分けて組織を形成したもの。事業部制組織とは、ビジネス形態(事業)毎に編成された組織構造になり、各事業部の下に機能別組織が存在します。また、これらの組織構造を組み合わせたマトリックス組織もありますが、ほとんどの会社の組織構造は基本的に機能別組織か事業部制組織のどちらかの組織構造になっております。もちろん、これらの組織構造はどちらが良い悪いという訳ではありません。目的や、市場、ビジネス環境において最善の組織を構築するのが経営者の重要な役割になります。

さて、それではキングダム、秦国内での組織形態はどうなっているのでしょうか。

王様の嬴政、軍総司令の昌平君など上層部の役割は決まっていますが、現場で働く各武将の役割は、その目的によって変わってきます。その都度、チーム編成され、リーダー(総大将)を軸に各プロジェクトに臨みます。機能別組織でも事業部制組織でもなく、これはまさに、チーム制組織構造であると言えます。チーム制組織とは、ある目的やプロジェクト毎にチーム形成され、プロジェクトチームとして、その都度役割を果たします。別名タスクフォースとも呼ばれたりもします。上記の機能別組織や事業部制組織は、ある程度成長し安定したビジネスには有効ですが、このチーム制組織は、市場の変化が激しく、スピード感が必要とされる発展及び成長段階でのビジネスにおいて有効になります。スピード感のあるベンチャー企業や変化の激しいIT関連のビジネス形態においてよく使われる組織形態になります。

秦国はまさに、これからどんどん領土を広げて六国を吸収、統一するビジネスモデルですので、このチーム制組織が最も適した組織構造と言えるでしょう。実際に、戦の大きさや重要度によってチームの質や規模も変わってきます。例えば、趙国の中枢都市を攻める鄴攻めでは、主要な将軍3人+信など若手の有力武将を惜しみなく使います。その一方、楚や魏などに攻められないように大将軍の蒙武や謄をそれら国境の重要な位置に配置し、大きな視点での攻めと守りのバランス保ちます。チーム制組織が最大限力を発揮するには、上部に優秀なブレインが必要になってきます。そういった意味でも、秦は優秀なCOO昌平君がこの役割を担っており、国として発展していきます。また、優秀なCOOだけでは上手くいっていない例がまさに趙国です。趙国は現キングダムではほぼ最強の頭脳を誇る李牧が軍総司令(COO)をしていますが、領土を広げるどころか、失っています。原因は明確で、趙国の王(CEO)、悼襄王があまりに愚かな為、李牧が立てた良い戦略も最終決定者である悼襄王によって却下されます。創業者の2代目が馬鹿すぎて会社が傾く事が良くありますが、優秀なブレインがいてもやはり最終決定者であるトップのCEOの役割は言わずもがな大きいのです。

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今後、秦国は領土を広げるにつれこの組織形態も変わるかもしれません。そこに新たな六将がどのような役割を担うのか。キングダム作者原先生の描写に期待です。

今回は組織構造という、一見とっつきにくいテーマでお話しましたが、サラリーマンの方でも将来経営に携わりたいと思われている方、またマネージャーとしてチームを率いている方など、一度、自分の置かれている会社の組織について考えてみてはいかがでしょうか?

では、また次回。

注)写真はすべて漫画キングダムより引用

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