俺と師匠の 情熱 seitai life 1
たぶん俺はけっこうズレている。
一般常識、教養、学歴、人生経験などなど。
俺は「小木曽ヨシナリ」
名古屋で整体師をしながら音楽に没頭していた。開業して7年目の頃。
30歳から続けていたバンド活動。本当は音楽で食っていけたら最高だった。結局メンバーが俺から離れ解散。理由は趣味にしておきたいとのこと。
2018年 4月 もうすぐ40歳になる手前。
とにかく金が必要だった。35万以下の売上では赤字の毎日だ。音楽のせいにはしたくない。仕事にとにかく行き詰まっていた。
そんな時...。
20年振りぐらいに心が震えた人がいる。
今は便利なもので、調整したい部位を細かく検索すればいくらでもテクニックの動画が出てくる時代。蝶形骨という頭蓋骨にある骨の調整法を探していた。
なんじゃこりゃ!調整法ではなく動画の人物にマジで目が飛び出るほど驚いた!
ジーパンにロン毛、屋上みたいな所で施術している。そして華麗なる毒舌、ジーンシモンズの火吹き、またはグレートムタの毒霧の様に鮮やかに流暢に何故か気品さえ感じさせる毒を吐きまくっている。
施術のDVD買うやつなんてバカだと思っていた。
金が無い、いつもならすぐに忘れて諦めるのだが、気がつけば嫁さんに頭下げてポチっとなw
PC、使えなくなったTVを寝室に置いて毎日見る。何回も。技術編、マインド編と分かれておりLAメタルのジャケットの様なDVDで毎日泣く。
Facebookでたまたま検索したら、すぐ見つけられた。返信なくても、友達になれなくても、いちファンとして燻っていた俺に希望の光を当ててくれた感謝の気持ちをとにかく書いた!深夜3時。
えっ!?すぐに返信が届く。異常に嬉しかった、興奮した!いつ寝てるんだ先生っ!!
やっぱりこの人は違うと一瞬で確信した。
この人に嘘はないのかリアルで会って確かめてみたいと思った。
本当にボロボロだった。カラダもこころも、上手くいきかけていた人生も...
2人目の子供も生まれたばかり、嫁さんのとても幸せそうな穏やかな笑顔を壊したくなかった。
助けて欲しかった。今の俺にできて食っていけることは整体しかない。
もし本当に助けてもらえるなら、何でもしようと思った。何を言われても我慢しようと思った。
今まで人に助けを求めることが出来ず、どうせ無理だと思っていたのに。
何回かのメールのやり取りの後
「東京の俺のサロンのセミナーにおいでよ。頭蓋骨を教えるクラスはとうぶんやらないからさ、もう始まってるけどなんとかするから」
マジか...20年前に東京に住んでいた。いい思い出は1つも無い。2度と行きたくないと思っていた。
とりあえず適当に逃げてかわす(^◇^;)大阪はどうですかね?直近だとありますけど...
「うーん、定期的ではあまりないし、昔から続けてやってるのは東京なんだよね。」
さらに逃げる俺、名古屋でセミナーやることはないですか?
ないのはわかっていた。
「ずっと家にこもっていたら刺激がなくて、いい仕事できないよ。」
マジか、エスパーか、俺は自宅サロンで仕事していたので全く外に出ていなかった。バンドも解散して友達もいなくなっていた。
悔しくて、悲しくて、毎日自宅のスタジオにこもって泥酔しながら、どうしようもない感情をギターを弾きながら叫ぶことしかしていなかった。
どうする俺?
先生には会いたいけど、東京には行きたくない。あの風景を見て、また色んなツライ思いを思いだしたくなかった。
もう1回俺は東京に行けるのか?
続く
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