数学ギョウザ【ショートショート】
「まさかここまで広がるなんて、僕が一番びっくりしています。」
インタビューに答えているのは、数学博士の桐山氏。巷で話題の『数学ギョウザプロジェクト』が、雑誌の特集記事になる。
原点は、桐山博士の子ども時代。兄弟4人と両親、祖母の7人家族だった桐山家では、よく手作りギョウザを食べた。毎回のように、何個食べたかで兄弟ゲンカをしながら。
長男の博士は、一人当たりの個数を計算して話し合うほか、ひき肉の牛と豚の割合や、肉と野菜の比率、皮に対する具の量の計算に興味を持ち、そこから数の世