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アナログバイリンガル【ショートショート】

少年と少女が、丘の上のベンチで風に吹かれながら話している。時は、205X年。ふたりの間には、一冊のノートが置かれていた。

「おじいちゃんたちの時代って、不便だったんだね。」
「僕もそう思った。既読?がつくからすぐ返信しなきゃとか、びっくりだよ。」
「うん。自分の気持ちに向き合う暇もないまま焦って返信するなんて、考えたくない。そのせいで誤解も多かったって、かわいそうだな。」

少し前、少年の祖父に会った。ふたりで一週間ずつ交換しながら続けている日記を教えたら、若かった頃の話を聞かせてくれた。SNSというツールでメッセージのやり取りをしていたらしい。瞬時に反応があるのがウケて急速に広がったが、トラブルも多かったようだ。

「手書きでゆっくり書き出せば、自分の気持ちをしっかり確認できるし、相手にも伝わるのにね。」
「ほんとに。このノートを昔のおじいちゃんに教えてあげたいね。ふたりの気持ちをことばにして結んでくれるから。」

ー了(405字)ー

お題にそった410字以内のショートショートを投稿する、「 #ショートショートnote杯 」。
応募作品、第2号です。「アナログバイリンガル」のお題で書きました。

「アナログ」で、手書きのもの。
「バイリンガル」が2か国語を扱える人だから、そこから転じて2人の気持ちを言葉にして扱えるもの。

そんな気持ちで書いたけど、解説が必要な時点でまだ未熟ですね。。。

「 ショートショートnote杯 」の締め切りは、11月14日。

あと3週間ちょっとあるから、3作品書けるかな?

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