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数学ギョウザ【ショートショート】

「まさかここまで広がるなんて、僕が一番びっくりしています。」
インタビューに答えているのは、数学博士の桐山氏。巷で話題の『数学ギョウザプロジェクト』が、雑誌の特集記事になる。

原点は、桐山博士の子ども時代。兄弟4人と両親、祖母の7人家族だった桐山家では、よく手作りギョウザを食べた。毎回のように、何個食べたかで兄弟ゲンカをしながら。
長男の博士は、一人当たりの個数を計算して話し合うほか、ひき肉の牛と豚の割合や、肉と野菜の比率、皮に対する具の量の計算に興味を持ち、そこから数の世界にはまり込んだ。

博士の話を知った保護者たちは、ギョウザが子どもの数学教育に最適だと噂し始めた。
そこに食肉業界が目をつけ、キャンペーンを始めた。毎週金曜日は、ギョウザの皮と一緒にひき肉を買うと、子ども1人につき10%割引になる。少年時代の桐山家なら、40%割引。

この取り組みが広がるにつれて、家庭で作ることを楽しむために、働き方改革も進んだ。

-了(407字)-

お題にそった410字以内のショートショートを投稿する、「 #ショートショートnote杯 」。
応募作品、第4号が出来ました。今回は、『数学ギョウザ』。

おもしろいタイトルだから、これで何か書きたいとずっと考えていました。ようやくアイデアが出てきて、書き終えることができ、ホッとしています。

ちなみに、僕の実家では、ギョウザを手作りする習慣はありませんでした。結婚し、子どもが生まれてから、妻の実家で手作りギョウザをご馳走になって、感動したのを覚えています。

実はそこに社会を変える力があるかもしれない。書きながら、そんな気持ちも生まれました。

「 ショートショートnote杯 」の締め切りは、11月14日。

もうひとつくらい、書けるかな。

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