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オコッタイマー

胸につけてるマークが言うぜ。
「さあ、ショータイムの始まりだ」

発動時間は30秒。
パパの意識はVR空間に転送され、怪獣たちと戦う。怒りをエネルギー源にして、攻撃を繰り出す。残り10秒を切ると、タイマーが赤く点滅。必殺技でフィニッシュだ。

ふぅ。
パパは戦いを終え、リビングは静寂を取り戻した。

パパの胸にあるのは、オコッタイマー。小学5年生の僕のアイデアをもとに、銀河研究所で作ってくれた。

僕は、怒るパパをどうにかしたかった。パパは、いつも怒ってぐちぐち言う。
食事中の姿勢が悪い。呼びかけても返事がない。片付けないで出しっぱなし。ゲームの時間をオーバーしてる。

ママが、そんなに怒りなさんなと言ったら、その場で静かになるけどずっとむすっとしている。こっちまで気分が悪い。

だから、その怒りエネルギーで、怪獣退治ができるようにしてもらった。怒りを感知するとオコッタイマーが発動する。
その30秒で、僕も反省できる。うるさく言われなくても。

-了(410字)-


お題にそった410字以内のショートショートを投稿する、「 ショートショートnote杯 」。
募集期間が過ぎたけど、引き続き410字縛りで訓練中。今週も挑戦してみました。

今回のベースになっているのは、リビングで目にした「期間限定」のフレーズと、鏡。

期間限定 → ウルトマラン
鏡 → 心を映す
の連想から、心の中の怒りを映し出す様子とウルトマランのカラータイマーが合体して、タイトルと全体像ができました。

僕自身、子どもたちにガミガミ言ってしまうことが多いので、反省を込めて書いた作品です。

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