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部下の自主性を引き上げる「1on1」の極意~課題を見極める力をアップする~ 情熱所長シリーズVol.64

こんにちは!
人と組織を咲かせる人財育成コンサルタント
吉田裕児です。
 
社員や部下との「1on1」(1対1の対話)は、何のためにやっているのでしょうか。よく勘違いすることは、信頼関係の構築のためだけだと考えてしまうことです。
 
もちろん、社員や部下との信頼関係はとても重要なことです。ただ、その先にある会社や組織の目的目標の達成という最も重要なことを忘れてしまうことが多くあります。
 
だから、ご機嫌伺いような雑談で終わってしまうこともしばしば。これでは本末転倒です。「1on1」の本当の目的は、目的目標の達成のために「1on1」を通じて部下の自主性を引き上げることだと私は考えます。
 
今回も、自戒を込めて、部下の自主性を引き上げる「1on1」の進め方を吉田部長と情熱所長の対話からお伝えします。
 
部下をお子さんに置きかえていただけると、上司の方だけでなくお子さんを持たれている方も親子の対話に役立ちます。
 

部下の自主性の5段階

 

 それでは、はじまりです!
 
吉田部長
情熱所長、ここまで部下の自主性の段階に合わせて「1on1」の進め方を教えてきたけど。
進捗状況はどんな感じかな?
 
情熱所長
いやー、やっぱり、やってみると難しいです。
ところで、自主性の高い部下には、どのように「1on1」を進めれば良いでしょうか。
 
吉田部長
じゃ、今回は自主性のレベルも上がってきて『結果を出したいと思っている部下D』との「1on1」の進め方を考えていこう。
 

結果を出したいと思っている部下Dとの「1on1」

 
ここでのポイントは、なんだと思う?
 
情熱所長
うー、自主性のレベルも上がってきた部下との「1on1」のポイントですか。
そうですね。もっと自主性を引き上げてあげたいですね。
 
吉田部長
そのために、部下が問題の中にある課題を見極める力をアップすることが重要だ。

情熱所長
部下が問題の中にある課題を見極めるためには、どんな風に「1on1」を進めればいいでしょうか?
 
吉田部長
そうだね。
部下が問題の本当の原因に向き合えるように支援してあげることがコツかな!
 

部下の答えが漠然としているとき

例えば、上司が「今、どんな状況かな?」と質問する。
ここでも、部下の答えは漠然とした答えになると思うけど、
 
その答えを責めることなく「そうなんだー」と受け止め
「具体的には?他には?」というように部下が今の状況をイメージできる
ようにしてあげよう。
 
どんな状況なのかイメージできたところで、「その状況で、どんなことが問題なのかな?」と問題を明確にしていく。
 
こんな「1on1」になるといいね。
 
例えば、「工事が遅れています」と部下が答えたときに
上司「具体的にはどんな風に遅れているの?」
 
部下「えーと、各作業の間にロス時間が多くなってきているんです」
上司「そうか、ロス時間が多くなっているのは何が原因なのかな?」
 

問題の本当の原因を探っていく

 部下「実は、職人さん同士の仲が良くないんです」
上司「そうなのか、本当の問題は職人さん達の関係性が悪いということだね。
そうすると、その問題を解決するために〇〇さんにとって何が課題になるかな?」
 
部下「職人さん達の関係を修復することだと思います」
上司「そうすると、職人さん達の関係を修復することが課題だね」
 
という具合に、工事が遅れているという問題から、職人さん達の関係を修復という課題が抽出できるように「1on1」を進めてみよう。
 

つねに、目的・目標の達成を忘れない


ここでも、なんのためにそれをやるかを忘れないように、この工事の目的と目標を確認することも重要だ。
  
例えば、工期通りに良い品質のものを提供するという目的があり、その目的のために協力体制をつくることを忘れないようにして欲しい。
 
これを忘れてしまうと、ただ仲良くなればいいというように方向性を見失ってしまう。

現場の目的・目標を達成することを前提に、
 
上司は「職人さん達の関係を修復するために、どんな手順で進めようか?」と質問して、部下が「ミーティングを定期的に開催しお互いに誤解がないように確認しながら進めます」

というように具体的な行動を決められるようにして欲しい。
 
もし、上司がちょっと不安なことがあれば、
「私の経験だと現場でも当事者を集めて現場の確認も必要だと思うけど、どう思う?」と部下に別の視点からも考えられるようにしてあげるといいね。

 

最後は上司のサポートで安心させる

そして、最後に上司が「私がサポートできることは何?」と聞いてあげると、部下は上司が応援してくれていると安心できる。だから、やる気も湧いてさらに自主的になっていく。
 
情熱所長
なるほど、これなら部下が問題の中から課題を見極める力をアップすることができますね。
 

それでは、今回の質問です。

 
「結果を出したいと思っている部下に、どんな力が必要でしょうか」
 
次回に続けます!お楽しみに!(^o^)v
 

今回のポイントと進め方


問題の課題を見極める力をアップする
どんな状況ですか?(現状)
その問題における課題は?(課題の特定)
この案件の目的・目標は?(目的と目標の再確認)
どんな手順で進める?(解決への道筋)
私がサポートできることは?(支援)
 
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