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二年目

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2020年の詩まとめ
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2020年4月の記事一覧

keep

忘れるから、また会いたくなる
忘れるから、きっと大丈夫だって待つことができる
忘れたことを、忘れる前に今夜もう一度
夜の境界線で会いましょう

see you

君が死んでも世界は止まらないし春は暖かいままだし僕はせいぜい一週間悪夢をみつづけるだけだろうね
僕らの存在なんて世界の歯車にすらならない埃だって、絶望したまま生きて生きてふたりだけで笑って光に消えてしまえたら幸せだろうね

I

誰からも愛されるということ前提に生きているってすごい

そんなの当たり前でしょ、愛されない人間なんていないのだから、

へえ、

誰かを愛すること、どうしてかわからぬまま誰かに愛されても相手が勝手に満たされるだけ

等価交換は成立しません、わからないから

Iを放棄した未来に生きて愛を知らないまま死にたい

その感情が結果的に愛だった、くらいの曖昧さで、
君と出会いたい

丁字路で必ず「またあした」と手を振る君にはどうやら僕が居なくなる未来が見えているみたいで困ってしまうよ

僕らの等しさなんて、ひとりにつき命は一つまで、それだけでじゅうぶんだよ、その命の価値だとかなんだとかは不平等である、そのほうがひとりの人間として生きられる気がして

あい

誰にも愛されることを望まなかった僕らが出会ったら、愛に飢えている人間よりもつよいと思わない?

いえない

夜が似合うね、言ってしまったら本当に夜に溶けて居なくなってしまいそうできょうも嘘をつく、笑顔が朝日みたいね

あまくて

チョコパイの袋をくしゃっと潰し手にいれた、ちいさな幸せを噛みしめた君の横顔はとても甘くて

一生の

君の為ならいつだって死ねるよ
どうして生きてくれないの
死を隣においている君の隣で笑って生きられるほど器用じゃないの
もしも、本当に、不本意だけど、僕の為に死にそうになった君が、僕の為に生きてもいいって、いつもの調子で言ってくれたのなら、そのとき初めて生きた心地がする
だから、
お願い、今すぐ僕の為に自分を殺して一緒に生きる君をください

いち

早朝の1番線ホーム、蛍光灯が消灯されて朝がはじまった

あおいそこ

あおいそこ

人災で苦しむのなら静かに迫る海にのまれて消えてしまいたいね

深く深く伸ばした手さえ見えなくなる青に包まれて、誰の声も届かず届けず
魚たちの間をゆらゆらとすり抜けて
その心地よさに眠ってしまえたら
そのままお伽噺のように泡になってしまえたら
君の涙も見えず、掬われること(救われること)望まないから
すべて僕だけのハッピーエンド