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嫌われる勇気 承認欲求を放棄したあなたは、もう自由だ!

「嫌われる勇気」は誰向けの内容か?

・周りの目が気になる人
・過去のトラウマに苦しめられている人
・他者に流されやすい人

何故読もうと思ったか

数年前から売れ続けているベストセラーですが、何かと理由をつけて(キンドル版が安くなったら・中古本が安くなったら)なかなか読まずにいました。

しかし、これは機会損失なのでは?たった数百円をケチって読まないのはバカげているのでは?と気付き今更感はありますが、やっと購入しました。

読んだ感想としては、青年と哲人との対話形式になっており、非常に読みやすく書かれています。

ただ、読みやすいけど内容が複雑という不思議な本だと感じました。

一回通読した程度でわかるような心理学ではないのは重々承知のうえでアドラー心理学はこういう感じです。というのを書いていきます。

お手柔らかにお願いします。

著者

嫌われる勇気は岸見 一郎氏と古賀 史健氏の共著。

岸見一郎氏
1956年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋古代哲学史専攻)。京都教育大学教育学部、奈良女子大学文学部(哲学・古代ギリシア語)、近大姫路大学看護学部、教育学部(生命倫理)非常勤講師、京都聖カタリナ高校看護専攻科(心理学)非常勤講師を歴任。専門の哲学に並行してアドラー心理学を研究、精力的に執筆・講演活動を行っている。
                        引用元:アマゾン
古賀 史健氏
ライター。株式会社バトンズ代表。1973年福岡県生まれ。1998年、出版社勤務を経て独立。著書に『嫌われる勇気』(共著・岸見一郎)、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』、『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』(共著・糸井重里)などがある。2014年、ビジネス書ライターの地位向上に大きく寄与したとして「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。2015年、ライターズ・カンパニーの株式会社バトンズを設立。
                        引用元:アマゾン

本書の結論

・過去の原因から考える「原因論」ではなく、今の目的に注目する「目的論」。
・全ての悩みは対人関係。
・劣等感は持っても劣等コンプレックスは捨てる。
・課題の分離をして自分と他者を分ける。
・承認欲求は他人の人生を生きること。それは非常に不自由な生き方。
・共同体感覚 「自己への執着」から「他者への関心」へ切り替える。

過去の原因から考える「原因論」ではなく、今の目的に注目する「目的論」

アドラー心理学にはトラウマという言葉は存在しません。

例として、引きこもりの人が過去に親から虐待されていたから、社会に適合出来ないとなっていた場合、それは虐待が「原因」で社会に出れなくなったのではなく、社会に出たくないという「目的」があるから不安や恐怖を自分で作り上げているといいます。

これは結構衝撃的というか厳しい考え方だな最初は思いました。

他の例として、喫茶店でウェイターがコーヒーをこぼして青年の服についてしまった。
そこで、青年はとっさに大声を出して怒ってしまった。
原因論から言えばウェイターがコーヒーをこぼして青年の服についたから大声を出したとなる。
しかし、目的論からいうと大声を出したいから怒ったとなる。
大声を出すことによってミスをしたウェイターを屈服させ言うことを聞かせたかった。
そのために「怒り」という感情を捏造した。
他にも、普通に話すという選択肢もあった。
しかし怒りという感情を使うことを選択したということ。

そのため、アドラー心理学では、自分の行動は常に目的に応じて行われているとしています。

全ての悩みは対人関係

全ての悩みは対人関係、というのはちょっと乱暴なんじゃないの?と最初は思いますが色々考えると、たしかにほとんどの悩みには他者が関わっているなと思います。

例えば、引きこもりの人の仕事をしたくないという悩み。

職場探しで履歴書を出して面接をして落とされて採用担当者から自尊心を傷つけられれる。
色々あり職場が決まり仕事をしていると失敗する。
失敗するとお客さんや上司から怒られる。同僚から馬鹿にされるかもしれない。という悩みが出てきます。まさに対人関係ですよね。
ただなんとなく仕事がしたくないわけではなく職場のこのような対人関係を避けるために引きこもっているということです。

劣等感と劣等コンプレックス

本書の中に劣等感と劣等コンプレックスという2種類の言葉が出てきます。

アドラー心理学では、劣等感は主観的な解釈だと言っています。

例えば、背が低い人がいます。
それを小さいという劣等感と思うか、他者を威圧しない安心出来るという特徴ととるかは本人次第です。

また違った使い方で言えば、太っている人は劣等感をバネに改善することも出来ます。

このように劣等感を持つこと自体は悪いことではありません。

しかし、劣等コンプレックスは意味合いが違ってきます。
劣等コンプレックスは一歩踏み出す勇気をくじかれ、努力で状況を改善出来ることを受け入れられない人のことです。
または、劣等コンプレックス自体を言い訳に使っているという場合もあります。

どうせ頑張った所で何も変わらない・・・
学歴が無いからいい会社に入れないし・・・
というマインドですね。

僕もそうなのですが、一般に使われている劣等感は劣等コンプレックスの方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。

要は、劣等感をバネに前進するか、劣等感を優位性に変換するか、劣等感に押しつぶされてその場にへたり込んでしまうか

選ぶのは自分自身だということですね。

課題の分離をして自分と他者を分ける

「全ての悩みは人間関係」とも関係してくるところですが、自分の課題と他者の課題を分離する必要があります。

対人関係のトラブルのほとんどが他者の課題に土足で入り込むことで起きる。

そのため、課題の分離は重要といいます。

誰の課題かを見分ける方法は、

「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」
                        引用元:嫌われる勇気

と書かれています。

承認欲求は他者の人生を生きること。それは非常に不自由な生き方。

承認欲求というのは現代の僕たちにとっと切っても切れない欲求なんじゃないかと思います。

SNSで「いいね」をもらいたい!自分のやったことに対して認めてもらいたい!という欲求は誰にでもありますよね。

アドラー心理学では承認欲求というのは他者の人生を生きることと言っています。
他者に認められたいということは他者の課題に応えているということ。

われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」
                        引用元:嫌われる勇気

承認欲求を求めるということは他者の視線を気にして自分自身を抑え込んでいるということです。

全く自由ではないと思いませんか?

他者からの承認を求めるがために自分で自分に縛りを与えてしまっている。

ゲーム上級者がやる縛りプレイを人生でやっているようなものです。

自らの人生について、あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」
                        引用元:嫌われる勇気

評価をするのは他者の課題で、何をするかは自分の課題です。

共同体感覚 「自己への執着」から「他者への関心」へ切り替える

対人関係の最終目的地は「共同体感覚」という。

共同体感覚とは「自己への執着」から「他者への関心」へ切り替えることです。

そして、共同体感覚を得るには「自己受容」と「他者信頼」、「他者貢献」が必要になると本書では語られています。

自己受容とは、自分の出来ること出来ないことを把握して出来ることに目を向けることです。
どうしても他者と比べて自分の出来ないところにばかりフォーカスしてしまいます。
そうではなくて、自分のありのままを受け入れて出来ないことは出来ない。
出来ることに注目してそこをどう活かしていくかを考えた方がいいよねという考えです。

他者信頼とは、無条件に他者を信じること。
本書の中では、条件をつけて信じることを信用としています。
信用の状態では懐疑心が入り混じっておりそれが相手に伝わってしまい本当の信頼関係にたどりつけないとしています。
とはいえ、誰にでも無条件で信頼するということではありません。
ここは自分の課題なので、関係を良くしたいと思った相手は信頼してそうでないと思った場合は関係を断ち切ってしまえばいいとしています。

そして他者貢献ですが、僕たちは仲間の役に立つことが出来れば「ここにいてもいいんだ」という所属感を得ることが出来ます。
そのためには、他者を仲間と認識する必要があります。
「他者を仲間」と認識するのに必要なのが前述した「自己受容」と「他者信頼」が重要になってきます。
仲間の役に立っていると思う貢献感は幸福感とイコールだと言っています。

ここで、他者に貢献するということは承認欲求も満たす行為なんじゃないの?と思う方もいると思います。
本書では下記のようにいっています。

承認欲求を通じて得られた貢献感には、自由がない。
                        引用元:嫌われる勇気

それは、貢献感を得るための手段として「他者から承認されること」としてしまうと他者の望み通りの行動をしないといけないため自由にはなれません。

僕たちは、自由を選びながら自分の意志で他者貢献をしていく必要があります。

自分自身で取り入れたい部分

・自己受容の「出来ない事を受け入れて出来るように前に進んでいく。変えられるものに注目する」

SNSや仕事で成果が出ている人を見ていると自分の無力感を思い知らされていました。
なんで自分より経験が浅いのにすんなり出来ちゃうんだ・・・と
どうしても自分の出来ない事にばかり注目してしまう。
そんな中でこの、「変えられるものに注目する」というのは非常にいい言葉だなと。
人それぞれ得意なことや出来ることは違うと頭ではわかっていたつもりなんですが実際にはそうではなかったと思い知らされました。

まとめ感想

正直言うと理解が難しかったです・・・

賢い人が何十年もかけて考えた心理学なので一回本を読んだだけでは全体を理解するというのは厳しいですよね。

とはいえ、ベストセラーなので内容は非常に感銘を受けました。

元も子もないですが、僕自身は承認欲求って中々捨てることは難しいと思う派なんですよね。言ってることはすごく良くわかる・・・ただ・・という感じ。

タバコは体に悪いとわかっちゃいるけども・・・と同じような感覚なんだろうなと、中毒症状なんだろうなと思いながら読んでいました。

おそらくこの記事にスキが付いたら飛んで喜ぶでしょうし。

アドラーさんからそれは他者の欲望を満たすために生きているということなんじゃー!カーツ!と言われてしまいそうです。

何度か読み返して味わって少しづつでも血肉にして意識を変えていきます!

次は「幸せになる勇気」を読もうかなと思っております。

読んだらまた記事にします。

それではまた!




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