弁護士國本依伸

大阪弁護士会所属;顧問料月額6万円〜;ブラジリアン柔術青帯;愛車ZRX1200R;社会…

弁護士國本依伸

大阪弁護士会所属;顧問料月額6万円〜;ブラジリアン柔術青帯;愛車ZRX1200R;社会福祉法人法務支援クニモト法律事務所http://kunimoto-law.com/index.html

最近の記事

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社会福祉法人法務支援クニモト法律事務所、始めました。

昨年、大阪市中央区谷町周辺に保育園2拠点を運営する社会福祉法人大阪あゆみ福祉会の理事長に就任しました。理事長になってみて、保育園というところはこんなに次から次に労務課題が立ち上がってくるものかとやや驚きました。20年以上、労使双方から依頼を受け数多くの労働事件を経験してきた自分にとっても、簡単な課題はひとつもありません。それでも自分はまだ労働法制に関する基本的な知識と知見があるので、園長らと相談しながらその場で判断していくことが出来ます。そこでふと思いました。「ほかの園ではど

    • よねの尋問について、追記

      昨夜の記事、一点書き忘れていたことがありました。その補足というか追記です。よねの変化についてです。 第2週の明律大学女子部編、登場したばかりのよねは大学を抜け出し、裁判傍聴に向かいました。後を追いかけた寅子が共に傍聴したのは物品請求事件、離婚訴訟中の妻が夫に対して形見の着物を返還するよう求めていた訴訟です。妻の請求が認められないのはおかしい、不正義は正されるべきだと主張する寅子に対し、よねは否定的でした。男女不平等を規定する法律が間違っているけど、それが現実である以上はどう

      • 「虎に翼」112話、よねの尋問について

        「虎に翼」第112話、よねの国側請求鑑定人(嘉納教授)に対する反対尋問があまりにも見事だったので、その解説を試みます。なお、国指定代理人訟務検事の反町は鑑定申請を行い、嘉納教授は裁判所によって鑑定人として採用されているので、嘉納教授に対して行われたのは「質問」(民事訴訟法215条の2)だったのではないかとも思いますが、ここでは「鑑定人尋問」としていた「虎に翼」本編を前提に「尋問」という言葉も用いることにします。 【2024年9月8日追記】鑑定人質問になったのは平成15年以降

        • 顧問契約とChatworkにこだわる理由

           事務所のウェブサイトに、自分が弁護士として保育園その他社会福祉法人に対しどの様な業務を提供するかを記載しています。  先日、初めての相談に来られた法人の方々とお話しして、自分が提供しようとしているもののイメージが伝わる記載になっていないことが判明したので、補足説明的なものを試みます。  これまでも保育園や幼稚園などから労務や利用者とのトラブルについての依頼を何度も受けてきました。ただやはり、國本のところへ辿り着かれたときには相当事態が進行していることが多い。それまでの対

        • 固定された記事

        社会福祉法人法務支援クニモト法律事務所、始めました。

          「虎に翼」第54話について

           いままで本作について特定のエピソードの感想を書いたことはなかったけど、この第54話は全体を通してもキーになる或いは珠玉の一話になる気がして、どうしても現時点で文章に残しておきたいと思いました。ただし、本話は法律論が主軸ではないので、弁護士としての分析ではなく、あくまでいちドラマファンとしての感想です。 「ごめん。昨夜も香子のこと黙っていたことも」  やはり汐見は謝ることのできる男。妻の頼みで寅子には隠していたにもかかわらず、それでもヒャンスクから話を聞いてヒャンスクと寅子

          「虎に翼」第54話について

          トラブル対応の「型」について

          はじめに  いわゆる「不適切保育」や利用者からのクレーム、各種ハラスメントなどのトラブル発生時に対応方法はケースバイケースの要素が強く、即断即決かつ臨機応変な対応が求められるため、これといった一般的な手法を示したり研修を実施することは難しいと考えてきました。しかしながらこの間、弁護士としてまた保育園経営者として検討を続けてきて、組織団体の経営者や監理者が取るべき大まかな基本的構え、武道や格闘技における「型」のようなものはある程度示せるんじゃないかと考え始めています。以下、そ

          トラブル対応の「型」について

          「虎に翼」6月14日時点感想書き捨て

           「虎に翼」の感想もnoteに書きたいなと思いつつ、話は猛スピードで進んでいくし、1話1話の情報量は多すぎるしで、なかなか書けないでいました。ちゃんとしたもの書こうというこだわりを捨て、たまたま時間が空いて思いついたことを書き殴ったものを、ここに転記します。続くかどうかは不明です。以下ご笑覧下さい。 1) はじまり  最初は意識的に期待しないようにしていた。期待したら裏切られるから。それほどまでに日本の司法ドラマに対する警戒と嫌悪が強い。でも根っこでは日本にもウ・ヨンウの

          「虎に翼」6月14日時点感想書き捨て

          役員賠償責任保険(D&O保険)の要否

          今日、社会福祉法人経営者の交流会において、役員賠償責任保険(D&O保険)が話題になりました。そこで、このことについて自分の考えを整理してみます。 まず自分自身は、法人の負担で役員賠償責任保険に入って貰っています。入れるなら入った方がいい。しかし必要性が高いわけではないので、財政が厳しいなら無理に入らなくても良いというのが自分の考えです。以下、その理由です。 保険商品に詳しくはないのでここは推測ですが、役員賠償責任保険が出てきたのは、過労死事件などで原告が会社(法人)のみを

          役員賠償責任保険(D&O保険)の要否

          保育園コンプライアンス支援について

          クニモト法律事務所支援メニュー、第3の柱「コンプライアンス支援」についてです。 コンプライアンスという言葉は日本に入ってきた当初、「法令遵守」と訳されていました。しかしコンプライアンスが想定している規範は法令のみならず、広く社会的道義的規範も含み、リピュテイションコントロールなども対象としているので、近時は外来語のまま使用されるのが一般的になりました。第1の柱「保育園労務」と第2の柱「保護者対応」のいずれも、コンプライアンスの概念に含まれるものではあります。 とはいえ、社会

          保育園コンプライアンス支援について

          保護者対応サポートについて

          クニモト法律事務所サービスメニュー第2の柱「保護者対応サポート」については、第1の柱「労務サポート」以上に具体的な紹介が難しい。守秘義務があるのみならず、相手があることですから。可能な範囲で解説を試みます。 まず最初のポイントは、保護者への共感だと考えています。自分のことではなく子どものことだからこそ、保護者は不安や不満を増幅させているわけですよね。そこへの共感がないと、コミュニケーションが始まらないと思います。保育園から依頼を受けたときは勿論のこと、例えば子どもが被害者の

          保護者対応サポートについて

          保育園賛歌所感〜保育園神 / 十影&FRANKEN pro.kf13

          保育園を讃える曲があるのを知りました。 それがこちら↓ 歌詞はこちらから↓ https://s.awa.fm/track/611521af190b347e8c89 ​ ​責任持って注いでくれる愛情 いろんなこと学ぶんだろう 家じゃ学べないことも諸々 かけがえない友 つく物心 初めて触れる社会がここ 十数年前、自分が初めて保育所生活をはじめた頃に感じたことが見事に言葉にされていました。 サビの部分で使われている「植える愛」という表現も、保育の本質をこれ以上なく表している言

          保育園賛歌所感〜保育園神 / 十影&FRANKEN pro.kf13

          保育園労務サポートについて

          クニモト法律事務所のサービスメニュー、第1の柱は保育園労務サポートです。 保育園において日々生起しうる労務課題につき、自分が法人理事長として関与してきたことを念頭に置きつつ、弁護士としてサポートできることについて整理してみます。 例えば保育士は激務なので、様々な疾患等で休業に入ることがあります。傷病手当と労災保険の使い分け、各園における就業規則の具体的適用について法律家として解説し、助言します。 労働法規改正に伴い、就業規則の改定が必要になることがあります。のみならず近

          保育園労務サポートについて

          社会福祉法人法務支援の目的

          昨年、とある企業からコンプライアンス研修の講師を依頼されました。その内容について色々逡巡した結果、本書をベースにしました。 「コンプライアンスのすべて」中島茂著(第一法規)https://www.daiichihoki.co.jp/store/products/detail/104278.html ともすれば曖昧になってしまうコンプライアンスを6つの視点に整理した本書の中でも特に、事業者を取引相手とするいわゆるBtoB企業は最終消費者への影響をよくよく考えなければならない

          社会福祉法人法務支援の目的

          保育園の法務

           昨年、認可保育園を2つ運営している社会福祉法人の理事長に就任しました。以来、月に1度「管理者会議」と呼んでいる会議に出席しています。参加者は両園の園長及び主任、前理事長、労務を担っている社会保険労務士の理事、そして自分です。  管理者会議に出席するようになってから、他の法人や保育園はどうやっているのだろう?と関心を持つようになりました。というのも、うちの法人は弁護士である自分が理事長を務めているので、労務や保育事故への対応、損害保険やリースなど各種契約に関することを、議題

          いわゆる「親なき後」対策について

           先日、知的障害を持つお子さんを育てている方が、その子のためを思うなら財産を残さず、障害者年金や生活保護等の公的制度のみで暮らしていくようにするのが良いと書いているツイートを複数見かけました。これは一つの卓見かもしれないなと思いました。  ちょうど同じタイミングで、福祉関係者と話していたときに、親の不安につけ込んで不当に財産を自己のためにせしめている連中が障害者福祉業界に跋扈している状況を聞きました。  そこで本稿では、知的或いは精神障害を持つ子のために財産を残しうる資産能力

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          極私的ブラジリアン柔術取り組み方思案

          ブラジリアン柔術を習い始めた頃は、周囲にそのことを隠していました。当時、仕事も忙しい上に、子どももまだ小さかったので、3ヶ月くらいで辞めてしまうのではないか、周囲に公言しといて短期間で辞めるのは恥ずかしいと思っていたからです。ところが次第に週1回の練習が週に2回行けるようになり、習い始めて1〜2年後には8デイズ会員(月に8回までの会員)からフルタイム会員(練習参加回数制限なしの会員)にアップグレードしていました。 青帯が見えてくる段階になると、自分の柔術への取り組み方を模索

          極私的ブラジリアン柔術取り組み方思案