【理学療法士と学ぶ】筋膜と筋膜リリースの効果
【動作・歩行・呼吸の専門家】である理学療法士として、身体の歪みや不良姿勢が及ぼす身体への影響や、生活における悩みとの繋がりについての解説と、その改善方法・予防方法として、【運動や、生活に取り入れてほしいこと】もあわせてお伝えしています。
わたし自身が女性ということもあり、特に女性の身体と心についての投稿を主に書いています。男女問わず、もしよければ「ちょっとした悩み事」や「○○について知りたい!」などのコメント・リクエストなどもいただけると嬉しいです。
脳は【変化】をストレスに感じること、さらに女性は毎月【変化】が起こるので、よりこの【変化】による影響へのケアが必要だということ、そして疲れを取るために簡単な運動(おすすめはウォーキング)をしよう、とお伝えしています。
先日より、寒さの厳しい冬でも簡単に取り入れやすい運動として【筋膜リリース】をご紹介しました。
まずは、難しいことを考えずに実践あるのみです。【習慣化】についての投稿でも書きましたが、「失敗するのが難しいくらいの簡単さ」で始めてみましょう。
今日は、筋膜リリースを既に続けていて、より詳しいことを知りたいという方や、私は色々知ってから実践したい、という方向けに、「そもそも筋膜とは何なのか」「なぜ筋膜リリースが効果的なのか」を詳しく書いていきたいと思います。
そもそも、【筋膜】が注目されだしたのはここ10年ほどです。その前はあまり筋膜の役割や機能はあまり注目されず、治療や施術の対象にはなっていませんでした。まずは、筋膜の役割と機能から知っていきましょう。
筋膜の役割と機能
筋膜とは、タンパク質(コラーゲン線維)でできた薄い膜で、筋繊維を包み、身体中のいたる所に網の目のように張りめぐらされています。筋膜には、大きく3つの役割があります。
・血管・リンパ管・神経の通り道
・身体を支える
・身体に加わった力を伝える
【血管・リンパ管・神経の通り道】としての役割
私たちの身体には約400の筋肉があり、それらは部位によって、何層にも重なりあっています。この隣り合う筋肉同士が摩擦を起こさず、それぞれが円滑に円滑に働くことができるよう、筋膜がそれぞれを区別しています。また、血管やリンパ管や神経が、この筋膜の合間をぬって身体中を走行しています。
こうして筋同士に隙間があり、滑らかに働けることで、身体中に血液やリンパ液が流れ、神経の電気信号がスムーズに走ることができます。
ここで、筋膜の一部に癒着や縮み、緊張が生じると、筋肉や骨、関節の動きはもちろん、血液・リンパ液・神経などの流れが滞るため、内蔵の働きも低下してしまいます。
【 身体を支える】役割
「身体を支えているものはなにか」と考えると、普通は【骨】や【骨格】が思い浮かびます。しかし、「骨だけ」では実は身体は支えられません。人間の骨を骨格通りに積み上げてもとても不安定で崩れてしまいます。
実際は、骨は【身体の支柱】となり、骨同士を繋ぐ筋肉や靭帯、そして筋膜がピンと張り、色々な方向へ引っ張り合うことで身体を支えているのです。
キャンプで使うテントのように、骨組みだけでは不安定ですが、地面にペグを打ちピンと張ることで安定する様子をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。人間も同じように、骨が支柱となり、それらを周囲の組織が引っ張ることで支えているのです。
ここで筋膜に癒着・縮み・緊張が生じると、張力のバランスが崩れ、身体の歪みに繋がります。歪み対してバランスを取るために、他の部位でも筋膜の癒着・縮み・緊張が生じてしまうのです。そうなると、ボディラインやフェイスラインも崩れてしまうことも起こります。
1つ目の役割でも触れましたが、血流やリンパの流れも悪くなるので、お肌や髪の質も低下してしまうのです…美容の大敵ですね。
【身体に加わった力を伝える】役割
骨を支え、身体のいたる所に張りめぐらされている筋膜は、身体に加わった力のエネルギーを全身に伝達する働きを担っています。
先程のテントでも、1箇所の布を強く引っ張って張ると、反対側や周囲の布が引っ張られて形が歪んだりシワが寄ることがイメージできると思います。
同じように身体でも、身体のどこかに加えた力が筋膜を介して伝わり、遠く離れた部位に影響を与えます。このような筋膜の働きにより、ある部分の異常が遠く離れたところで痛みやコリ、張りなどの症状となって現れていることもあります。
筋膜の不調原因は何か?
では、筋膜の癒着・痛み・緊張などの不具合はどうして生じるのでしょうか。原因は【長時間の同じ姿勢】【身体の使い過ぎ】【運動不足】【疲労】【ケガ】【ストレス】など、多岐にわたります。
もちろん、身体には複数の器官があり、【筋膜だけ】に異常がある、ということは少ないですが、栄養や水分、そして休養をしっかり取り、適度に身体を動かして血流やリンパの流れ良くする、ストレスを発散し疲れをためないなど、ケアしていくことはとても大切です。
特に女性は、男性と比較し身体の変化も多く、時期によっては身体へのストレスが大きくなることもしばしばあります。ストレッチや、フォームローラーの筋膜リリースなどもうまく活用し、自分の身体を整えていきましょう。
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運動習慣作りや自分の姿勢や身体の歪み、呼吸法などの把握・改善はとっても地道ですが、「しっかり取り組もう、改善しよう」と思われた場合は、やはり客観的な指導があることが一番効率的かと思います。
動作・歩行・姿勢・呼吸の専門家である理学療法士視点を入れて、一度ご自身の身体をチェックしてみることはいかがでしょうか。
現在の問題点や、改善するためのセルフエクササイズ、おすすめのトレーニングもお伝えできます。お気軽にご相談ください。
また、もっと知りたいことやわからないことがある場合も、是非コメントや連絡いただけると嬉しいです。