記事一覧
あの夏の記憶は曖昧過ぎて
いつかの年の、8月某日
夕陽が電車の中を射す。
座る側を間違えた、と思った。
椅子は車内の左右に長いベンチのように位置している。
しまった、と思った時にはすでに遅い。わたしは夕方の太陽と対峙する方に座ってしまったのだ。
沈みゆく夕陽は嫌というほど私の顔を照らしてくれる。煌々と。
今更立ち上がって向かい合う椅子に座り直すこともしたくない。なんとなく、、だけど。
正面には小説を飲みながらたまにリ
私、やっと大人の階段登ってます。~アラサー女の徒然~
いつの間にか気づいたら29歳もあと少し。今年で30歳になる。社会の荒波に揉まれ、様々な男女の物語だって経験してきた。人から、まだまだ若いよ〜と言われていたのはギリギリ28歳まで。29歳ともなると、もうすぐ30歳、の色が濃くなってきて、まだまだ若いよ〜の言葉はあまり言われなくなった。だからといってそれが悲しいわけでもない。たった1年、されど1年。年齢にはいくつもの壁があるのだなあとしみじみ思ったりす
もっとみる記憶の余白に思い出を。
8月が終わる瞬間を、人々はなぜこんなにも意識するんだろうか。今日は8月最後の日曜日だ、なんて言われていたくらいには、8月という存在をみんな名残惜しんでいるし、終わっちゃうなあっていう余韻を噛み締めている。この特別感は、何ぞや。と思いつつ、わたしもそんな余韻を少し噛み締めていた。
いつもの日常が大きく変わった今年の夏。記憶の余白に思い出を描くことなんてできるのだろうか。それでもなんだか振り返りたく
こんな感覚が共有できたならば、
ふとラジオで流れてきた曲の歌詞に感動をして、そのあと生涯、人生のお守りのような曲になる事とか、
どこかの川で拾ってきた綺麗なただの石ころを君がくれて、それを何か悲しいことがあったり頑張らないといけない時なんかにぎゅっと握りしめると心が落ち着くようなお守りになったりだとか、
あの人が突然くれた1本の薔薇の花は、すぐに枯れてしまったけれど、その花が自分の中の大切な大切な記憶のお守りになったりとか、
どこか似ていたはずの僕たちは
春が好きだと言った君と。
春は嫌いだと言った僕と。
どこか似ているはずの僕たちも、春の好き、嫌いについては意見が別れて、なんでそう思うのかを永遠と馬鹿みたいに討論しあったのを覚えている。あ、 ''永遠と'' は嘘だ。たぶんもっとずっと短かったし、討論と呼べるものでもなかったな。
春は世界の全てが無理やりに眩しく見えて、少しくらくらする。急に視界が開かれていき、心は追いつけなくて、疲弊する。
誰かとの未来を創造するのが億劫だ
人間はひとりでは生きていけないのは痛いほどに分かっている。のに。
わたしのように社会不適合かつ人間不適合な者はなおさら。なのに、人と過ごす規則的な毎日に少し嫌気が刺してはひとりでいたいと思ってしまう。
毎日働き、ご飯を食べて、寝て、空いた時間は趣味の時間に、そしてたまに遊んで、いつかは結婚をし、子供を産んで老後をゆっくり過ごす、、、???
と、そんな想像を現実に落とし込めるように人間は毎日
あるがまま、ありのままに
いつからだと思う?人をきちんと愛せなくなったのは。
いつからだと思う?人と目を見て話すのを怖いと感じたのは。
いつからだと思う?人との距離感が掴めなくなったのは。
本当の自分を押し殺す。素直になんてなれるわけがない。虚像と虚勢の自分で走りぬけてきた、いつだって。本当の自分?そんなのいたっけ?頭の中で自問自答を繰り返す。
"服は自分の着たいものを着ればいいんだよ。人の目なんて気にせず思い
心が救われたのはいつだって
人間が何気なく放った言葉に心を救われた記憶なんてない。何気なく放たれた言葉に意味なんてない。言葉を話すということは言葉を離すということ。人間から離れた言葉はふよふよと空間を舞い、誰かの心に落ちていく。本人の意図しない場所に落ちることや、意図しない意味で伝わることなんて日常茶飯事。だから、わたしは人間が放つ言葉達が怖い。
そんな私が心救われるのは多くの場合小説だ。
社会の中でだんだんと色褪せてゆ
ええやん、おじさん。
46歳のおじさんがライブで思いっきり拳を突き上げ、大声でレスポンスに応えている姿を見て、ええやん、すてきやん。と思った。
何歳になっても好きなものを好きだと全力で言える人間でありたい。
そうは言っても周りの目を気にしてしまうし、
年齢という枠の中に自分自身を放り込んでしまってその中でしか生きられなくなる。
もっと自由でいい。自由であれ。
そんな風に思えるのは私がまだ20代であるからか。40
嫌いの中の好きを探して
冬の寒さをすこし思い出した。夏はいつのまにやら姿を消して、秋が顔を見せ始めている。冬は空気の透明度が高くなって星が綺麗に見えるから好きだ。冬のいいところはそこだけ。だってひどく寒いし、あの静かな空気感は寂しさを増幅させてくるから嫌いだ。でも、はたと立ち止まりすこしばかり考えてみたら、案外すきなところもあるかも?なんて思った。
と、いうのも冬はさみしい気持ちを助長させてくるけれど”幸せだ”と思う回