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親愛なるキャスキッドソン

花柄やキルト柄、タータンチェックや水玉模様など、可愛いものを詰め込んだイギリス生まれのブランド・・・それがキャスキッドソン。

バッグやポーチ、お財布などを中心に展開し、世界16ヵ国では200店舗以上、日本では44店舗も展開していた。お店に入ればイギリスへひとっ飛び!可愛いものに囲まれて店内を歩く時間はちょっとした贅沢だ。コロナが収束したらキャスキッドソンの店舗へ行ってご褒美に可愛いバッグを買おうと思っていた。

それなのに。
一昨日(4/22)入ってきたニュースに私は愕然とした。

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「キャスキッドソン」日本法人が破産・・・。

イギリスでも日本でも、店舗は全て撤退するようだ。信じられない。私の憧れと青春が詰まったキャスキッドソンがなくなってしまうなんて。

この悲しい知らせを聞き、なかなか眠りにつけなかった。ぼーっとキャスキッドソンについて書かれたブログを読み漁り、大好きなブランドの倒産を心から悲しんでいた。その夜の睡眠時間がたったの2時間になってしまったのは、キャスキッドソンの影響でもある。

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キャスキッドソンは、私の憧れと青春だった。

初めて目にしたのは小学生の頃。あまりもの可愛さに衝撃を受けたことを覚えている。レトロでアンティークな雰囲気が昔から好きだった私は、コロッと虜になった。

学生時代は貧乏で何一つ買えなかったが、お店に入って眺めているだけで幸せだった。

そんな私が初めて手にしたキャスキッドソンは、パスケースとお財布になる。彼氏がクリスマスにプレゼントしてくれたものだ。当時の私はまだ大学生。社会人になってから買おうと思っていたものを、ひと足先に手に入れることができてとても嬉しかった。

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社会人になり、私の趣味系統はシンプルになる。無地の服装を好むようになり、”可愛い” よりも ”かっこいい” を求めるようになった。

ただ、キャスキッドソンだけは別枠。
どんなに趣味が変わろうとも、特別なものは特別だ。以前とは変わらずに店舗へ足を運び、大好きな世界観に酔いしれていた。そして、学生時代よりもお金に余裕ができたことで、自分のお金で手に入れるようにもなった。

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特に去年末はキャスキッドソンを溺愛していた。

普段は本と食べ物以外にあまりお金をかけない私。そんな私が、まるで倒産する未来が見えていたかのようにキャスキッドソンのバッグを2つも大人買いしたのだ。しかもその1つは万越えする価格のもの。買い物に同行した彼氏からは「珍しいね」と驚かれた。

それが、私の最後のキャスキッドソンのお買い物だった。

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もう、あの可愛いお店に足を踏み入れることができない。キャスキッドソンのポーチを手に取り吟味することができない。バッグを見てはしゃぐこともできない。

あの愛おしい世界は幻になったんだ・・・。

私はまだこの現実を受け入れられない。受け入れたくない。コロナが収束したら、きっとまたお店があるはずだと信じたくなってしまう。

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悲しみは止まないが、この記事の最後に親愛なるキャスキッドソンへメッセージを贈って締めよう。

「大好きだよ、キャスキッドソン。いつまでも、あなたは私にとって特別なブランドです。私が子どもの頃から素敵な世界へ連れて行ってくれて、ありがとう。」


こちらの記事は雑誌『ケトル』編集部が募集している #わたしの大好き をテーマにしたエッセイです。企画を知り、後日ハッシュタグを付けさせていただきました。

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