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『芸術起業論』を読んで

Yenta特性診断を受けて,おすすめの本として出てきた『芸術起業論』(村上隆,幻冬舎文庫,2018年).
「芸術」と「起業」がかけ合わさったタイトルに興味をそそられて,読んでみました.
読んでみたら,学ぶことがとても多くて,アーティストとしてこれからの時代を生きていくための方法の1つを知ることができました.
今回の記事は,そんな『芸術起業論」を僕なりに簡潔にまとめて,自分なりに考えたことを書いています.

①何のためにアート活動を行うのか?

芸術の世界に踏み込めば踏みこむほど,アーティストの目的は人の心の救済にあるのではないかと感じるようになりましたが,それなら,自分の欲望をはっきりさせなければなりません.芸術家は,欲望とどうつきあうのかを強く打ち出さなければならないのです.
欲望の強さは芸術活動の邪魔になりません.むしろ問題は日本の芸術家に強烈な欲望がないことです.

→僕は,写真を通じて「日本をアート・アーティストが輝く社会にすること」「誰もが自分の軸に従った生き方ができる社会にすること」の2つを体現したい.
このビジョンを達成するために,近所だけではなく全国どこへでも行って,その土地でしか味わえない風景の美しさを,僕の世界の切り取り方で社会に発信したい.
それだけじゃなくて,「理想の自分」へのリアリティを高めて,現状から打破するための支援活動をしていきたい.
だから,これからもっと多くの人と関わっていきたいし,その関わり方も,僕がtakeする側ではなく,giveする側の人でありたい.
多くの人に関わるためには,移動にかかる多くの時間と金銭が必要になるはず.
時間と金銭.
やっぱり欲望はここに向かいそうだ.
年収1000万突破して,金銭に何不自由ない暮らしができるようになれば,そこからもっともっと素敵な作品を生み出すことができるはず.

②まずは弱者として生き残る

コロンブスがパトロンを見つけて後悔に出かけたように,まずは弱者として生き抜かなければなりません.どう生き残るか.弱者である芸術家は,そのことを抜け目なく考えないといけません.
生き残るのだ,という情熱が不可欠なのです.「ある程度,食べられるだけのお金を稼いで終わり」というのなら,そこまでやる必要がありません.(中略)
「練習やってきて」「描き直してきて」そう言われてらその何倍も鍛錬してくる人じゃなければ生き残れません.情熱の心が折れたらだめなのです.
イヤなことを言われて心がズタズタに傷つく時は必ず来るんです.そこでみんなが挫折を味わう.だけどそこからもう一度戻ってこられるかどうかが勝負なんですよね.傷ついたとしても,絵を嫌いにならないで,自分でもう一度絵を描こうと思えるところまでいけるか.それとも何も生み出せなくなってしまうか.絵を続けるための動機は,絵をはじめた時の動機よりも,ずっと大事なことなんだと思います.
「若いこと,貧乏であること,無名であることは,創造的な仕事をする三つの条件だ,と言ったのは毛沢東です」宮崎駿さんはよくこう言いますけど,本当にそうですよね.

→芸術家として生活していくのはそう簡単なことではない.
有名なアーティストであっても,有名になるまでには途方もない努力の積み重ねがある.
おそらく,大体の人は,この努力を積み重ねている途中で折れてしまうのだろう.
そこで必要になってくるのが,「アーティストとして生き残る」というプライド,こだわり.
お金を稼ぐことだけを目的にしていると,アーティストなんかやっていなくても他の仕事で何も問題はない.
それでも,アーティストはアーティストであることにこだわりを持って,日々創作活動をしている.
失敗してもいい.周りから認められない時期があってもいい.将来の雲行きが怪しくてもいい.
必ずアーティストとして成功してみせる.社会に多大な影響を与えてやる.多くの人を勇気づけたり,感動させたりする.
この情熱を,僕は忘れてはいけない

③唯一の自分の核心を提出する

作品を意味づけるために芸術の世界でやることは,決まっています.世界共通のルールというものがあるのです.「世界で唯一の自分を発見し,その核心を歴史と相対化させつつ,発表すること」これだけです.

僕は今年24歳.
今までは,何の変哲もない人生を送ってきた.
お金に困らない家庭環境に生まれ,公立小学校,公立中学校,公立高校,公立大学,公務員という典型的な人生を歩んできた.
もちろん,学生生活や公務員生活の中で,唯一無二な体験をある程度してきた.
確かに,これは紛れもない事実であり,僕の歴史である.
ただ,アーティストとして唯一無二な人生を歩んできたかと言われると,全くそんなことはない.
これまでの24年間を巻き返すために,これからどんな人生を歩もうか.
これからどんな物語を描き,どんな作品を残していこうか.
そして,「蓬台祐希」を象徴する言葉として,どんな言葉が似合うのか.

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