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『ドンデンガエシEXPO』/出展作家インタビュー⑥小椿-こはる-

こんにちは!YOMAFIG.です。本日は10月16日(月)〜18日(水)の3日間、浅草公会堂にて開催されるドンデンガエシEXPOのギャラリースペースに作品を出展してくださる小椿さんに「なぜこのイベントに参加したのか」「EXPOに向けてどのような作品を制作中なのか」を伺ってみました。

小椿-こはる-
広島県出身。京都造形芸術大学卒業、秋田公立芸術大学大学院修士課程在学中。
日々の生活の中で、不規則で偶発的に絶えず変化を続ける、唯一無二の情景をモチーフに制作をしている。主にユポ紙を支持体に油絵具とアクリルガッシュを用いて、日々一瞬一瞬の儚さを記録。絶えず変化をする自然の要素と絵画のインスタレーションを展開している。


参加を決めたのは・・・


ー小椿さんはどうしてこの「伝統芸能×現代アート」というEXPOにご参加頂けることとなったのでしょうか?

(小椿)
父が琵琶の演奏者だったり、父の叔母が詩吟の元会長だったりと、能や雅楽などの伝統芸能には親しみのある家庭でした。でも、歌舞伎自体はきちんと見たことがなく、ジャニーズ歌舞伎を見たのが唯一の経験です。
 普段私は、自然や心のなかから生まれた印象など、形がきっちりと決まっていないものを作品にしています。一方、歌舞伎はかっちり型のある、自分の作風とは180度違うタイプのものなので、これまでとは全く違う歌舞伎というモチーフに取り組むことで、自分の新しい可能性が見つかるかもと思い参加しました。

確かに、「型の有無」は伝統芸能や茶道や華道などの〇〇道と、アートとの間で大きく異なる部分かもしれませんね!
どんな分野もルールや基本的な技法は存在しますが、それがどのタイミングで「型」となり、伝承されていくのかにも関心が出てきました。

 

EXPOに出展する作品について


ー今回のEXPOにおいては、古典芸能からインスピレーションを受けた新作を制作してくださるとのことでしたが、どのような作品を制作されているのでしょうか?

(小椿)
今回出す作品は、隈取と着肉(衣装の下に着る刺青の衣装)のもつ曲線美にインスピレーションを受けて制作しました。歌舞伎の終演後に役者さんが隈取を布や紙に写して顔拓をとる「押隈」からも着想を得て、モノタイプ(版画)技法を選びました。色も歌舞伎のイメージカラーとして印象の強い朱色と青色を使って表現しています。

これまでの制作では、頭の中に沸き起こるイメージを描き出していたので、今回のように実際に存在するものからイメージを抜き出したり組み立てることはあまりしたことがありませんでした。伝統への敬意もあるので、失礼がないようにしたいという思いがあり、隈取や着肉の美しさがちゃんと現れるような素材探しや技法の考案に苦労しました。

当初はパネルに絵を描く案だったのですが、ユポ紙や木炭紙などいろんな素材や技法を試した結果、木炭紙に版画が歌舞伎の曲線の美しさを一番表現できることを発見し、作品プランを変更しました。

なるほど!形・素材・技法・色彩と、全てを歌舞伎から引用してくださっているのですね。
作家さんたちの「作品づくりのために伝統芸能を学ぶ」際の視点や姿勢は、書籍などで学ぶ際とは着眼点が異なり、我々も大変勉強になります!

 

ご来場頂ける皆様へ!


ー今回のEXPOでは小椿さんの作品をどのように楽しめば良いでしょうか。

(小椿)
おそらく、私の作品は見た時にすぐさま「歌舞伎らしい!」とはならないかもしれません。
私の他の作品も同様なのですが、見る方に好きにイメージを広げたり何かに見立てていただけることが嬉しいので、今回も作品をご覧いただく中で、歌舞伎ファンの方だったら「あのシーンのイメージに似ている」など、自由に連想したり解釈してもらえれば嬉しいです。

小椿さんの作品がどう歌舞伎・落語と響き合うのか、そしてその作品をご覧になった方にどのように伝わるのか、とても楽しみです!

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また伝統芸能とアートが一堂に会するEXPOにご関心を持ってくださった方はぜひ、こちらから詳細チェックしてみてください!

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