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掬えば手には。

最近ハマっている、瀬尾まいこさん。

夏の体温

夜明けのすべて

どちらも、ほわーっと心があたたかくなり、前向きになる読後感がお気に入り。

で、今回はこちら。
すくえば手には」

ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。
私は、ぼくは、どうして生まれてきたんだろう?
大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい物語。

本の概要より

涙はしなかったけど、暖かい物語であることは間違いない。
最後、思わず自分で手を上にあげてしまいました。そんな本。(どんな本だよ) 

興味ある方は、読んでみてください。

******

で、この話の中には
オムライス屋さんが登場します。

大竹さん(39)という口の悪い店長の店で、バイトとして働く、大学生の匠と専門学生の常磐さん。

みなさんは、オムライス屋さんと聞いて
どんな店を思い浮かべますか?

私は、学生時代にオムライス屋でバイトしていました。
なので、そのオムライス屋さんのイメージ。

白のコック服に、黒のエプロン。
手書きのオーダー。
木製のカトラリーケース。
などなど…

その記憶の中のオムライス屋さんに、本で知った想像の登場人物を思い浮かべながら、読む。

小説って、このように
文章から想像した、「店」や「登場人物」が頭の中に描かれると思うんです。

その時に、いつも思うこと。

「他の人は、どんな絵面を想像しているんだろう?」

同じ本の同じシーンを読んでも、きっと脳内に描かれているものって、違うと思うんですよねえ。

その絵面が、可視化できたら面白いのに。

まあ結局は、他の人の脳内を覗いてみたいという話なんですが…笑

脳内のイメージ絵面がスキャンできて、データとして出力できたらいいのに。
そして、そのデータを共有できたら面白いのに。

もしデータを共有できたら…

「こんな店を想像しているんだ(意外)」
「この人の想像、私と似ている」

ニヤニヤ

面白そうだけど、生きている間にこれが実装されることはないでしょう。たぶん。

となると?

現時点で脳内のイメージを共有する方法。
それは結局
「テキスト」「イラスト」「音声」
になるのかなあと。

それを伝えるには当然、
「どう表現しようかな」と考える時間や語彙力、絵心、会話力などが必要。

もちろん、ドラマや映画化した話を見て、感想を言い合うのも楽しい。

でも、小説を読んでイメージするのはもっと楽しいなあ、と改めて思ったのでした。


「掬えば手には」
他の人の脳内も、手で掬うように見えたら面白いのにな〜。(怖)

<あとがき>
最後ホラーっぽくなりましたが、ホラー小説ではありません。
noteやってる人は、本読んで想像するのが好きそうなイメージです。
今日もありがとうございました。


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